「【”海の民と陸の民のお互いへの恐れ、怒りの壁を、一人の好奇心溢れる人魚と、心優しき王子の恋が乗り越えるファンタジックラブストーリー。今作は、多様性、ルッキズムを意識した作品でもある。】」リトル・マーメイド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”海の民と陸の民のお互いへの恐れ、怒りの壁を、一人の好奇心溢れる人魚と、心優しき王子の恋が乗り越えるファンタジックラブストーリー。今作は、多様性、ルッキズムを意識した作品でもある。】
ー ご存じの通り、古来人魚は不吉の前兆とみなされて来た。又、人間も一部の地域では人魚の肉を食すと不老不死になると言われ、人魚を見ると殺して来た。(伝承)
今作でも、アリエル(ハリー・ベリー)の母は人間に殺された事になっており、7つの海を治めるトリトン王(ハビエル・バルデム:見た目から既に王の領域に達している・・。)は人間に興味を抱くアリエルを心配しているのである。
一方、陸の民も大しけで命を失ったり、津波で被害を受けたり・・。-
◆感想
・アリエルに仕える、もしくは友達の蟹のセバスチャンや、熱帯魚スカットルが物語に面白みを与えている。
■アニメの「リトル・マーメイド」ではアリエルは、青い目で白い肌で有ったが、今作の実写版では、アリエルは有色人であり、髪型はドレッドロックスである。更には”魚顔”なんて言われちゃったりしている。あんなに可愛らしいのに。
・巨大蛸の海の魔女アースラ(メリッサ・マッカーシー)がアリエルと交わした取引。それは、アリエルの美声と引き換えに、アリエルを三日間だけ人間の姿にする事。
アリエルは海で助けたエリック王子(ジョナ・ハウアーキン)と声は出ないモノの楽しき日々を過ごす。そんな中、エリック王子も自分を助けてくれた女性(アリエルなんだけど・・。)探しより、アリエルに惹かれて行くのである。
・巨大蛸の海の魔女アースラを斃した後、アリエルとエリック王子が船で新しき世界へ出かけるシーン。海中からは多様な皮膚の色を持った人魚たちが、陸地でもエリック王子を慕う人たちが笑いながら二人の船出を見つめるシーン。
そして、ハビエル・バルデム演じるラスボス感半端ない復活したトリトン王が、二人を祝福するのである。
<内容は大体知っていたが、この実写化版は個人的には面白かったです。美しいサンゴ礁やおどろおどろしい巨大蛸の住処などの描き方。
ロブ・マーシャル監督の”陸の民や海の民もお互いの立ち位置を受け入れようよ。人種に関係なく相手を尊重しようよ。”と言うメッセージが伝わってくる作品でもある。>
<字幕版で鑑賞。>