「わかってるつもりがわかってないことを知る」正欲 ららさんの映画レビュー(感想・評価)
わかってるつもりがわかってないことを知る
性欲について話すことは暗黙の了解でなんとなくタブーと思っていた
だから特殊な嗜好性があっても他人にバレなければそこまで苦しまなくてもと
思ったのですが
登場人物は人に欲情しない、水に反応する人たちで
それぞれの社会状況で苦しみながら生きている
それが死を考えるほどのことなのだと、そこまでの何が問題なのかわからなかった
人と自分は違うという思いと、一般的な人の体験談に全く共感できないことが
ここまでの孤独感を生むとは思わなかった
私がいかに無意識の連帯感の後ろ盾でいわゆる普通に生きてるのか考えた
性格的な面で言って細かく言えば誰でも他人と自分に違いなんて山ほどあるのだが・・・
映画の中では
性のことは逆に表立って他人に話さないから隠しやすいと思ったりするのと同時に
性は根源的な欲だから、ここが大きくずれて共感できる人がいないからあそこまで追い込まれるのか
変わった嗜好性が強い人には何らかの対処法があったほうが良いだろうし
今はSNSがあるのでそれが救いだなと
ただ心配してた通り、結末は後味悪く、こういう人がいてそうなるよねっていう
最後の子どもの目にカメラが寄っていって、それが怖かった
嗜好性の境目の難しさ
欲の止め方
解消法
結局、人は誰かと寄り添わないと生きてる意味ってないのかもしれない
パートナーという意味でなくても、理解者の気配を感じるだけでも
踏ん張れるのかもしれない
もし理解者が親だったとしても主人公のガッキーはあそこまで孤独だったのでしょうか
誰かがわかってくれたら良いということでないのか
その性的嗜好を他人が理解してくれているということに孤独を消せるのか
理解と想像力
色んな人がいることをわかっているようでわかっていないことを
考えさせられた作品でした