「【”ユダヤ人問題の最終的解決会議”1942年1月20日、淡々と進む世紀の蛮行を決めたヴァンゼー会議の90分を再現した作品。故に恐ろしい作品でもある。】」ヒトラーのための虐殺会議 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ユダヤ人問題の最終的解決会議”1942年1月20日、淡々と進む世紀の蛮行を決めたヴァンゼー会議の90分を再現した作品。故に恐ろしい作品でもある。】
■今作を観ると、議長のハイドリヒ国家保安本部長官(フィリップ・ホフマイヤー)は、あくまで穏やかな表情と口調で会議を進めている。
会議の中の文言は”特別処置””東方疎開”と言った言葉でユダヤ人問題の解決策が話し合われる。
内務省次官シュトゥッカートを筆頭に、政治家たちはユダヤ人問題に慎重だが、親衛隊中将のオットー・ホーフマンを中心に、軍人達の”特別処置”を強力に進める姿勢が目立って行く。
そして、中盤から”特別処置”の方法に議論が移って行くが、銃殺だと1100万人のユダヤ人掃討には多大なる工数や、ドイツ兵の精神的負担が懸念される事から、ルドルフ・ヘスの名が上がり、ガス室の利用が”効率的”である、と言う流れになって行く。
恐ろしいのは、アーリア人至上主義によりドイツ人以外は人間ではないという話が自然に出たり、ユダヤ人をモノのように論じるヴァンゼー会議に出席した15名の軍人、政治家たちの姿である。
<この、たった90分の会議で600万人の罪なき人たちがホロコーストの犠牲になったのである。
今でも、世界のどこかで同じような会議が行われているのだろうか。
何とも、暗澹たる気持ちになる映画である。
だが、いまだに戦争が無くならない現代に生きるのであれば、今作は観なければイケナイ映画でもあるのだろう。
今作が、ほぼドイツ人監督、キャストで作られた映画である事も、意義があるであろう作品であると私は思います。>
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