「映像作品としての難解さが際立つエンタメ映画」映画ネメシス 黄金螺旋の謎 Y Kさんの映画レビュー(感想・評価)
映像作品としての難解さが際立つエンタメ映画
TVドラマ版は視聴済み
感想
ネメシスの続編としては、正当な進化を遂げた劇場版作品だと感じた。しかし、個人的にはTVドラマ版があまり楽しめなかった点、内容を大まかにしか覚えていなかった点(放送当時以来のネメシスだった。)から今作も楽しみきることはできなかった。
物語構成については、夢と現実を行き来する作風なので既視感を感じる場面が多々あった。本格ミステリー作家脚本によるミステリーとしての難解さが売りの今作だが、ミステリーの内容自体はかなりシンプルで観やすかった。一方で、夢と現実を交互に見せる映像作品としての難解さがかなり強く、部分的に混乱する場面もあった(意図的に分かりづらくしている場面もあると感じた。)。
先述した様にTVドラマ版の続編としての要素がかなり強く、ドラマ版の物語やキャラクターを覚えていないと置いていかれる展開が終始続くので、TVドラマ版の履修は必須だと感じた。映画版ならではのシリアス調の作風は好みで、映画作品として没入できた。
本格的なカーアクション、マトリックス、インセプション風の夢描写はTV局制作の邦画作品として新鮮な気持ちで鑑賞できた。
最後に、あの"ラストシーン"の挿入については個人的にはあまり好みではなかった。
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