「○音楽 ○ユニフォーム ○レクチャ」神回 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
○音楽 ○ユニフォーム ○レクチャ
久しぶりに、独り観賞となった今作 来訪映画館では最終日であり、かなり寂しい結果になってしまったが東映配給なのにもっと宣伝可能だったのではと思うのは独り善がりなのか・・・
アヴァンタイトル(タイトル自体があったか忘却)の時点である程度の伏線を『漫画:山賊ダイアリー 罠猟』の如く、周到に仕掛けられた“くくり罠”に掛かるストーリー構成になっている なので、今作を『タイムループ』という概念とは別角度に落としている作劇と観るべきだろう なにせ、主人公の夢が、強制的延命に因り、何回も繰り返されるという一種の"拷問"は筆舌に難いシークエンスだ それを狙ったのかどうか解らないが、危険を顧みず、勇気を持って映像化した制作陣に先ずは敬意を表したい そして、特筆すべきはその悲劇性をそのまま衒いもなく描いてみせたことで、リアリティに近づけた物語を構築したことである 勿論、そもそもの土台が液状化してしまっていて、堅牢が必須の"SF"というカテゴリには属せ無い それを『主人公の都合の良い夢』オチに集約させてしまうところがミソなのであろう そこには矛盾も整合性も不必要であり、どんな理論でも弾き返す世界線の法則が基準値なのである なので、ツッコミどころ満載であっても、タイムループ自体に今作はテーマとして配置していない 5分が永遠と思える程リピートされるという非現実性にどれだけ耐えることが出来るのか、そしてその中で人間はどう精神的に変化していくのか、そしてこれがオリジナリティなのだが、とはいえこの5分のリピートは重層化され、それ自体が時間を進めているという悲劇(勿論、物理的にあり得ない)に向かう悲劇性を、不完全ながら提示している、今後の映像作品へのテーゼを表明している点に於いて、評価すべき作品だと歓ぶ
今作を観て、改善や、ヒントとしての再アプローチを、次世代のクリエーターが解答してくれたら、観客としても大変嬉しいクエスチョンである、意義有る作品であった 伏線を尽く自ら塗りつぶしていく手法も斬新なのではないかと、その潔さに感心であることも付け加えたい^^
プロットは非常に良かっただけに、凄く勿体ない感じがしましたので、再アプローチがあったら嬉しいですね。
個人的には尺を半分に再編集するだけでもかなり良くなりそうな気もしますがw
主人公が生涯DTではなかったことを願います!