「タイムリープの新解釈」神回 そなちんさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムリープの新解釈
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「恋はデジャブ」を嚆矢としていると思われるタイムリープ映画。最近は集団でリープするのが流行のようであるが、この映画は意識が他人と共有されるという幻想を容易に採用することを拒み、あくまで個人の経験ということに拘り、しかもその理屈の裏打ちを、この手の映画史上最も観客に納得する形で提示したということで画期的な作品になったと言えるだろう。
それはやや強引と言ってもいい形で主人公にされる延命治療によって生じたせん妄状態Aが、自らの死を意識することでより自然な意識の共有感を(これも幻想に過ぎないが)伴ったせん妄状態Bに移行することという、作劇上の治癒がなされていくという行程である。
なるほど、この手があったか、うーん考えさせられるな…
私は監督の前作「Gunkanjima in time 」を観て興味を持ち、この作品を観た。そして監督自身の立場や個性が、その高踏的ともとれるかもしれない作風が見事に進化してこの作品になったという印象を持った。
当初はメインの登場人物二人以外のキャスティングについて疑問に思った点もあったのだが、あくまでこれは主人公のせん妄状態における幻想だ、と考えると完全なリアリティはそれほど必要ではないと納得できるものがあった。
監督自身が感想を言語化することを推奨されていたので、ここのレビューを全て読まれていることでしょうが、ぜひ次作にも期待します。
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