神回のレビュー・感想・評価
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初恋と坂ノ上茜さん
あのような初恋は誰にでもあるよなぁと、アラカン世代として寂しくも、共感も、懐かしくもありました。2度見してないから、辻褄がどうのとか、細かい所は何とも言えないのですが、期待よりは楽しめました。 わたしの記憶で、ヒロイン以外のキャストを誰も知らなかった作品は今作が最初かもしれません。坂ノ上さん以外、誰もわかりませんでした。素人さん混ざってましたか?凄く下手な方が数名いたように思いました。 その坂ノ上茜さん、某食レポ番組のファンでして、失礼ながら演技は初めて見ました。無難というか、自然というか、今後に期待です。高校生役かぁ、まさか酒は飲まないだろうなと思いながら見てました。
思い出は美しすぎて
8月16日(木) 「M:I デッドレコニングPART ONE」トム2回目をIMAXでと思ったら、新宿は夜1回のみになっている。そこでタイムリープものだと判った「神回」をシネマカリテで。 タイムリープものではないが「ある日どこかで」「アバウト・タイム」や「サマータイムマシンブルース」は大好きなので。 夏休み中の高校で文化祭の打合せを13時00分から始めると5分後に13時00分に戻るタイムループにはまってしまう。「ねぇ、聴いてる…。」 同じ時間の繰り返しに主人公の精神は混乱を極める。しかし、実は…。 今回は5分間のループにハマるからタイムループかな。一昨年の「パームスプリングス」も無限ループだったね。 高校生のアオハルものかと思ったら終盤でしっかり外された(オープニングで匂わせはあるが)。あまり無い形なので、この外し方が許せないと評価が低くなる。私は許すけど、もうちょいシャープだとなお良かったね。 坂ノ上茜の女子高生が良いと思ったら本人は27歳だって、ビックリ。 こうなるとタイムループものの「リバー、流れないでよ」も観ないといかんかな。
主人公にとっての神回
他のレビューを見てると、様々な意見はありますが、老人の人生の走馬灯が、高校時代で何が悪いのでしょうか?仕事で成功するだけが人生でもないし、延命措置をしてくれた、甥っ子には素晴らしい伯父さんだったわけで、愛されていたのでしょう。1番戻りたい時が、高校時代って誰にでもあると思います。
若い時に戻ってやり直せたらって思う人も必ずいるはずです。
性的欲求も強くなる時期でもあるわけで…
5分間という短い時間を何度もやり直して、悔いなくいけたと思っています。主人公にとっての神回が何度となく訪れて、私には主人公が精一杯生きている様に感じました。
SFやタイムリープもので
はないですよね。脳内の夢の話というか・・・。
タイムリープものは大好物なのですが、これはだめでした。
でも、加藤恵那役の坂ノ上茜さんはとてもよかったです。彼女の魅力を引き出すための映画と見れば、評価は少し違ったものになりますが。
設定の妙
108本目。 いや、109本目? この作品の前に、濱マイクを鑑賞。 シリーズの2作目と勘違いし、1作目をまた鑑賞。 早とちり、せっかちな自分が悪いだけだけど。 で、気を取りなしと思い観てたら、うわー、これもタイム何とかもの? リバー流れないでよ、観て数週間しか経ってないから、またこっち系と食傷気味。 テイストは違うから良しとして、どこかで夢オチだけはと思っている。 まあ、夢オチではないけれど、似たようなもの? 抜けられないと分かり、狂ってく感じ、諦め、とか切なくはなるけれど。 先述の通りで、いくら何でも引きづり過ぎとは思うけど、設定が高校時代、恋とくれば否が応でも切なくなるし、夏の魔力。 最後の方の映像の演出は好きだし、涙腺がやられてしまう。 でも前の方で観ていたせいか、主役の子のシャツにドーラン付きまくってるのが、気になってしむう。
新機軸と思う
ネタバレ無しのあらすじを読み、タイムループものと知って鑑賞。
この手の映画ではこれまで「恋はデジャ・ブ」「ラン・ローラ・ラン」「ミッション:8ミニッツ 」などの作品がある中で、本作がタイムループで何を表現するのか、期待してミニシアターに観に行った。
前半はタイムループに気づいた主人公がそこから「脱出したい」「終わらせたい」と悪戦苦闘するのは前述の作品たちと同じ。ところが・・・。
とある理由により、主人公が後半からこのタイムループが「終わってほしくない」と望みはじめて価値観が逆転した時は「そう来たか!」と膝を叩かされた。同時にとても切ない気持ちにもさせられた。
「主人公の望みが途中から逆転する」「主人公が必ずしもポジティブではなく、ハッピーエンドとも言いにくい」ところがタイムループものの中で新味。観に行った甲斐あり。星の数は、やはりハッピーエンドとは言い切れないので−0.5。
既存のタイムループもの作品と見比べてみてはいかがでしょうか。
予告やポスターに騙されるな!私は好きだけど、、、
文化祭を控えたある夏の昼下がり。文化祭実行委員の打合せで、待合せの30分前に教室を訪れた主人公の樹は、うたた寝を。同じ実行委員の恵那に「ありがとう。ねえ、聞いてる?」と声をかけられて13時ちょうどに目を覚ます。で、ここから5分間の時間が延々に繰り返すタイムループもの。
タイムループものは、それをどうやれば抜けられるのか、って脱出ゲーム的なワクワク感があるわけです。最近の作品だと「MONDAY タイムループ〜」だと、1週間をどう終わらせるか、ですし「エンドレスエイト」だとループ中の記憶がリセットされながらも、ループを抜けるのがオチですね。
ただ、この作品はオチがそこにない、ってところが、評価が分かれるとこ。
宣伝予告だと、高校生男女がタイムループに巻き込まれる、ってとこで友情=恋愛が芽生え、努力の末に勝利、って王道ジャンプものを想像します。それが、めっちゃ「ネガティヴ」な方向で外されます。
私には凄くこの「外し方」が刺さったのですが、アオハルタイムループを期待して観にきた人には、ループ設定の稚拙さと、途中の主人の醜さが目立つでしょうね〜。
この作品、映画.comの評価が3.2と低いのは、たぶんにこの外し方が影響していると思います。映画は作品に面白さだけでなく、観客の期待に応えるか、という点も重要な要素。
タイムループのオチは映画冒頭で出てくるので、その時点で「あ、これはループがメインでないな」と気付くでしょう。で、言いたいのは「拗らせた初恋」ですね。
現実ではたいして話せもせず、遠くから見ていただけの少女。でも本心では、仲良くしたかったし、一方で凌辱もしたかったし、何よりずっと一緒にいたかった、という童貞の青臭い願望が、今際の際で夢の中で繰り返す。いや〜、素晴らしく心を掻き乱されるストーリーではないでしょうか。
主演の青木柚の屈折した演技は良かったですね。ちょっと暗すぎるのですが、成田凌みたいなクズ男が上手い役者にならないかな〜。次の「まなみ100%」も童貞臭のプンプンする役ですので期待大です。
なんとなく、年齢不詳の「ぼったくり風俗」にひっかかったような敗北感……(笑)
7月は仕事が忙しくて、久々の映画鑑賞。予告編以外の予備知識ゼロ。
シネマカリテのレイトショーで観てきました。
観客は全部で15人くらいで、大半が若者。
うーん、これ、なんていったらいいんだろうなあ。
とても意欲的な作品だし、こういう邦画はぜひ応援したいとは思うんだけど……。
なんか……俺の観たかった映画じゃなかったや(笑)。
ほんと、すいません。
「タイムループ青春映画」と銘打たれた映画で、
あの予告編を観て、内容が気になって足を運んだ人間にとって、
後半の「アレ」は、果たして観客の期待に添う演出なのか。
少なくとも僕は、入口のカワイ子ちゃんの写真に惹かれて入った風俗で、とんだババアをつかまされたような、あるいは好みのパッケージで選び抜いて借りたアドルトヴィデオをいざ再生したら、中身が「大正生まれのAVギャル」だったような……
そんな、超ヤバい地雷を踏まされたような気分になりました(笑)。
(ほんと下品なたとえで申し訳ない。いやもちろん、そんな店とか入ったことないんですよ、マジで。あくまでも想像ですw)
たぶんね、そういう話になると最初からわかって観てたら、そこまでの忌避感、精神的ブラクラ踏んだ感は、もしかしたら感じなかったのかもしれない。
でもこちらは、観始める前から「青春映画」の「口」になってしまっているのだ。
甘酸っぱくて、若やいでいて、爽やかで、胸にキュンと来るような。
そういう若者たちの青い春を堪能したくて、僕は映画館に座ったのだ。
それがまさか、終盤、あんなしろものを食わされる羽目になるとは……。
うーん、ワイプして「アレ」に切り替わった瞬間は、けっこうホラーだったなあ。
しょうじきその後は、『食人族』よりなお恐ろしいものを、延々観させられた気分だった。
誠実につくられた映画であることは、よく伝わってくる。
主役の二人も、心を込めて演じているのはよくわかった。
(主人公の樹くんは若干「怪演」ぎみだが、ヒロインの恵那ちゃんはマジ天使)
一見すると「人生で一番の神回だった瞬間」を繰り返す物語に見えて、
その実「人生で実際には起きなかった神回」を繰り返す物語だというのも、実に切ない。
あと、この内容の映画に『神回』というタイトルをつけたのは、マジで素晴らしい言語感覚だと思う。良タイトルだ。
本来なら、こういうアイディア勝負の邦画は、僕も前向きに評価したい。
でも、全体の作りや、終盤の仕掛けについては、僕個人としてはやはり受け入れがたかったとしか言いようがない。率直に言って、趣味が合わな過ぎた。
たぶん、監督さんの「良いと思うところ」や「感動する回路」と、ぼくのそれにズレがあり過ぎるんだろう。
本作を観て心から感動した人もたくさんいらっしゃるだろうから、そういう方は単純に気が悪いと思うので、以下のいちゃもんは無視して、決してお気になさらないように。
― — —
そもそも、出だしの時点で「いやあ、それやっちゃあ絶対ダメでしょう!?」ってすごく思っちゃったんだよね。
だから、気分的にその後も評価があがりにくくなっちゃった部分は、間違いなくある。
なんのことかというと、
冒頭の、病院で寝たきりの老人が昏睡しているシーン。
ええ?? それ、最初に見せちゃっていいの???
マジでここから始めて、監督的に「OK」なのか??
だってそんなことしたら、ここから起きる話は全部『実は脳内ネタ』だって、大音声でバラしてるのとほぼ一緒じゃないの?
しかもいざ観てみたら、ブラフでもなんでもなくて、実際にそういう話だったし。
「不思議な現象」で前半を引っ張る映画で、
そのネタばらしを冒頭でやっちゃうのって、
方法論として果たして「あり」なんだろうか?
僕にはぶっちゃけ、そうすることで何かプラスの効果があったようには、どうしても思えない。
よって当然ながら、肝心の「5分ループ」が
個人的には全然楽しめなかったんだよね。
最初から、5分ループの「不思議な出来事」は、
僕のなかでは不思議でもなんでもなかったし、
教室から脱出できようが、できまいが、
生徒会にたどり着けようが、つけまいが、
飛び降りて生きていようが、死んでいようが、
ヒロインを性的に襲おうが、襲うまいが、
正直どうでもいい気分でしか、観られなかった。
だって、どうせ「夢落ち」なんだもの。
そのへん、たとえば似たような趣向の映画でも、『ア』で始まって音引きで終わる映画とか、『シ』で始まって『ド』で終わる映画とかは、ネタの隠し方と真相の明かし方、ジャンルチェンジの衝撃度とそのタイミングなど、本当に良く出来ていたように思う。
その点、『神回』の手つきはあまりにも素人じみていて、無防備すぎる。
冒頭でネタばらしすることに何らかの意図があるのかもしれないが、僕にはその意図が皆目わからなかった。
ループ中の種々のイベントに関しても、なんとなく引っかかる部分が多かった。
なんで上履きを下履きに履き替えてから外に行かないのかとか、
携帯持ってるのになんで外部とか家とかに連絡しないのかとか、
写真や動画を撮って次のループに持ち越そうとしないのかとか、
恵那がやろうとしている行為を事前に予測することで、ループ現象を信じさせようとする試みをなぜしないのかとか、
毎回必ず起きることとランダムに起きることの区別/場合分けをして、「ループの法則」を探ろうとなぜしないのかとか(実際、恵那のリアクションは結構バラエティに富んだ変化を見せる)、
総じて、きちんと「タイムリープもののお約束」をこなしていない分、いろいろと設定に隙が多くなっている印象はいなめない。
あと演出面で言うと、「最初のループ」はやっぱり、「きっちり正味5分でリアルにやったとわかるように見せた」ほうが、ずいぶんと効果的だったと思うんだけどなあ。
そのあとの「ループ」も、同じことのリフレインを延々する箇所と、省略・カットする箇所のバランスがあまりよくないので、観ていてどうも居心地が悪いというか、やり口が素人臭く感じる。
他にも、言いたいことはいろいろある。
ゲームのNPCのように、ただ上履きを履いていないというだけの理由で、何度も何度もタックルを仕掛けてくる教師も、あまりに張りぼてキャラ感が強すぎるし、
生徒会長の居丈高な絡み方や言い回しも、なんだか低予算のラノベアニメみたいだし、
どんだけループのあいだに年を寄せていたとしても、白髪や目じりの皺に気付く前に顔が大人のそれに変わるわけで、いくらなんでも気づきそうなものだし。
終盤の「メタモルフォーゼン」も、最初から言っているとおり、なんだかえらいゲテモノを見させられているような感覚で、およそ「感動」からは程遠いものだった。
見舞いに来た婆さんが、いけしゃあしゃあと「あたしのこと好きでいてくれたのね」とか自分の口で言ってるのも、猛烈な違和感があったなあ。
へんな格好をした医者のうろんな雰囲気も、なんでそんなキャラ設定にしているのかいまひとつ理解できなかった(最初は延命治療してるんじゃなくて、安楽死専門のドクター・キリコみたいなやつかと思った)。
中盤から出てくる現実世界の方の「甥っ子」が、しきりにべろべろ泣きながら、うそ寒い調子で叔父さん愛を述懐してるのも、ふつうに気持ち悪い。
そもそも甥っ子と奥さんの出てくるシーンの寸劇感が、全体にバラエティ番組の再現ドラマみたいで、かなりダサいんだよな……。
甥っ子いわく、叔父さんには良く育ててもらったというのだから、叔父さんは最近まではふつうに元気だったのだろう。
ということは、監督は敢えて「余命のつきかけた老人が、延命治療中の死の床で、十代の頃に告白できなかった初恋の、うまくいったヴァージョンのifの『神回』を、延々脳内リフレインしている」という、猛烈に童貞くさくて執念ぶかい、生臭い「箱庭もの」に物語を仕立ててみせたわけだ。
話としては、若くして倒れて、ずっと同じ青年期の夢に囚われているといった設定のほうが、よほど綺麗でロマンティックな気もするのだが……。いやまあ、いいんだけどね。
あと結局のところ、「この老人がどのタイミングで、何をきっかけに、このループの夢を見始めたのか」が今一つ観ていてよくわからないのも、なんとなく気分の収まりが悪い理由のひとつかもしれない(少なくとも「映画が始まってから」ループはスタートしているはずなのだが、冒頭の病室で何か特別なことが起きたような気配がない)。
ラストのプロジェクション・マッピングも、感動的だったかと言われると、あんまり僕の胸には響かなかった、としか言いようがない。
致命的なまでに勘所を外した、Keyゲー「もどき」のラストの畳みかけ演出を、無理やり見させられているような……。
だいたい、勝手に自分の脳内で都合よく捏造してた「偽記憶」を、壮大なプロジェクション・マッピングで走馬灯のように見せられてもなあってのもある(笑)。
例えば、Keyゲーの場合は、実際に少女の身に起きたことの記憶のフラグメントが、最終盤に畳みかけられるからぐぐっと泣けるわけだが、ここに出てくる樹くんの場合は、少年の存在自体がそもそも虚像に過ぎないわけだし、彼がここで経験していることも、実際は単なる年寄りの見ている夢に過ぎないんだもんなあ。
ケツのむず痒いような気分でもじもじしながら、そろそろいい加減終わりにしてくんねえかなと思いつつ、半笑いで観る感じになってしまい、我ながら本当に申し訳ない。
たぶん、終盤の展開に全くハマれなかった大きな理由としては、以下の点が挙げられるだろう。
●死にかけの老人が見ている夢のなかで、永遠に続く青春の軛から敢えて逃れて、彼女と二人リアルによぼよぼになるまで年を寄せることに、積極的かつ前向きな意味を個人的には見いだせなかったこと。
●老人どうしがわちゃわちゃしている絵面自体が、僕には単純にグロテスクなものにしか思えなかったこと。
●老人が夢見た「二人だけの閉じた世界」の物語に、甥っ子と嫁のリアル勢力が介入してきて、延命がどうのこうのといった社会派的な観点をぶっこんで来るのに耐えられなかったこと。
●タイムループを体感的に認識しているのは樹爺さんだけのはずなのに、ラスト付近だけ恵那婆さんがやたら共感性の高い行為を取っていることへの違和感(ご都合主義の香りがする)。
個人的には、同じ話を語るにしても、現実パートは「ほんのツマ」程度でよかった。
そして、ここで描かれているのが実は全て老人の夢だというのは、ベッドすら映さず、分かる人にだけ分かるくらいの曖昧さで、ただぼんやり呈示するだけでも十分だった気が。
夢の中で、最後まで樹と恵那は老人にならず、若い二人のままで話が終わっても、同じテーマは十分に語れたはずだとも思う。
若いふたりが、もっと他愛のない話を交わすのをききたかった。
若いふたりが、もっとお互いの距離を意識し合うのを観たかった。
だって、青春映画だから。
それと、この世界のルール上「樹くんが恵那になぜかどうしても告白できない」点に、ぐっとフォーカスを合わせてみても面白かったかもしれない(「告白できなかった」世界線の分岐からこの世界に来ているので、多分樹は「告白すること自体が出来ない」から「告白しない」のではないか)。
それでも敢えて「老人どうしの恋愛描写」の世界に足を踏み入れたのは、もちろん監督さんのはっきりした信念があってのことだろうし、そこをとやかく言うのはきっと野暮だし、失礼な話なのだろう。
とは言え、いっとう最初で書いたとおり、
これは僕が観たかった「タイムループ青春映画」ではなかった、
というのが率直な感想である。
○音楽 ○ユニフォーム ○レクチャ
久しぶりに、独り観賞となった今作 来訪映画館では最終日であり、かなり寂しい結果になってしまったが東映配給なのにもっと宣伝可能だったのではと思うのは独り善がりなのか・・・
アヴァンタイトル(タイトル自体があったか忘却)の時点である程度の伏線を『漫画:山賊ダイアリー 罠猟』の如く、周到に仕掛けられた“くくり罠”に掛かるストーリー構成になっている なので、今作を『タイムループ』という概念とは別角度に落としている作劇と観るべきだろう なにせ、主人公の夢が、強制的延命に因り、何回も繰り返されるという一種の"拷問"は筆舌に難いシークエンスだ それを狙ったのかどうか解らないが、危険を顧みず、勇気を持って映像化した制作陣に先ずは敬意を表したい そして、特筆すべきはその悲劇性をそのまま衒いもなく描いてみせたことで、リアリティに近づけた物語を構築したことである 勿論、そもそもの土台が液状化してしまっていて、堅牢が必須の"SF"というカテゴリには属せ無い それを『主人公の都合の良い夢』オチに集約させてしまうところがミソなのであろう そこには矛盾も整合性も不必要であり、どんな理論でも弾き返す世界線の法則が基準値なのである なので、ツッコミどころ満載であっても、タイムループ自体に今作はテーマとして配置していない 5分が永遠と思える程リピートされるという非現実性にどれだけ耐えることが出来るのか、そしてその中で人間はどう精神的に変化していくのか、そしてこれがオリジナリティなのだが、とはいえこの5分のリピートは重層化され、それ自体が時間を進めているという悲劇(勿論、物理的にあり得ない)に向かう悲劇性を、不完全ながら提示している、今後の映像作品へのテーゼを表明している点に於いて、評価すべき作品だと歓ぶ
今作を観て、改善や、ヒントとしての再アプローチを、次世代のクリエーターが解答してくれたら、観客としても大変嬉しいクエスチョンである、意義有る作品であった 伏線を尽く自ら塗りつぶしていく手法も斬新なのではないかと、その潔さに感心であることも付け加えたい^^
ありがとう。って、聞いてる?
またもやタイムループもの。こちらは5分。だけど、ループを知るのは主人公ただひとりと言う、ある意味、無間地獄。毎回の苦労が徒労に終わるのは、いわばシーシュポスの岩、賽の河原状態。そりゃ、精神は次第に絶望から狂気へ変貌していくよ。青春の甘酸っぱさが、悲しい結末を迎えるのか安堵の安らぎを得るのか、終盤のある変化を見るまでハラハラしどうし。
だけど、なんか、恵那がその状態(途中からタイムループを一緒に受け止めているように見受けられたこと)を受け入れてしまっている感が伝わってきた時点で、なんだか引いてしまった。むしろ、最後までもっと主人公には残酷な結末を期待していたので。主人公が気に入らないってわけじゃないけど、自分自身は、青春の不条理を求めていたんだと思う。
タイムリープの新解釈
「恋はデジャブ」を嚆矢としていると思われるタイムリープ映画。最近は集団でリープするのが流行のようであるが、この映画は意識が他人と共有されるという幻想を容易に採用することを拒み、あくまで個人の経験ということに拘り、しかもその理屈の裏打ちを、この手の映画史上最も観客に納得する形で提示したということで画期的な作品になったと言えるだろう。
それはやや強引と言ってもいい形で主人公にされる延命治療によって生じたせん妄状態Aが、自らの死を意識することでより自然な意識の共有感を(これも幻想に過ぎないが)伴ったせん妄状態Bに移行することという、作劇上の治癒がなされていくという行程である。
なるほど、この手があったか、うーん考えさせられるな…
私は監督の前作「Gunkanjima in time 」を観て興味を持ち、この作品を観た。そして監督自身の立場や個性が、その高踏的ともとれるかもしれない作風が見事に進化してこの作品になったという印象を持った。
当初はメインの登場人物二人以外のキャスティングについて疑問に思った点もあったのだが、あくまでこれは主人公のせん妄状態における幻想だ、と考えると完全なリアリティはそれほど必要ではないと納得できるものがあった。
監督自身が感想を言語化することを推奨されていたので、ここのレビューを全て読まれていることでしょうが、ぜひ次作にも期待します。
悲しくて切ないタイムループ系の邦画。 本年度ベスト!
エンタメ性のあるタイムループの作品が多い中、本作はかなりシリアス。 加えてR指定は無いものの暴力や性的表現も散見。 予想もしていなかった展開に満足度はソコソコ(笑) ラストで泣かされるとは思ってもいなかった「隠れた良作」って感じ。 文化祭の実行委員となった高校2年生の沖芝樹(イツキ)と加藤恵那。 夏休み中の教室で打ち合わせをする設定。 この教室ではじまる5分間のタイムループ。 ループしているのは沖芝しか解っていない設定。 ループする回数は多分ギネス級(笑) ザックリ計算で2万回はループしている事になるのかなぁ(笑) 序盤はタイムループしている理由を知っていそうな人を繰り返される5分間で捕まえようと奮闘する感じ。 ラガーマンの様な先生がウザイ(笑) その後は暴力や性的表現のループが続く中、ループしている原因が少しづつ明らかになってる行く展開。 出だしの、ある施設のシーン。 ループのヒントになってると予想は出来るけどループの理由が切ない。 SFファンタジー的な要素もあって幸せのお裾分けを頂けた感じ。 加藤恵那を演じた坂ノ上茜さんが美しい。 調べたら27才の女優さんだったけど高校生役でも全く違和感無し(笑) 笑えるシーンは無かったけどタイムループ系の作品としては新鮮で感動してしまった。 沖芝が経った人生をもう少し知りたくなる。 本作のタイトル。「神回」の意味が良く解りませんでした( ´∀`)
ぎっくり腰は悪魔の一撃
せつなくて胸が痛くなるようなストーリー(タイムループというよりパラレルワールド?)だが、本人意思と無関係に家族が延命を希望すると大きな苦痛を強いる事がある、と言う方に注意が向いて甥の態度にイラついてしまった。 主演二人はいかにも普通の高校生っぽく好演。 切羽詰まった若者が「ああいう」行動に走りがちなのはなんだか申し訳ないです。
タイムループ(リープ)ものが流行りなのかな…。
今年257本目(合計908本目/今月(2023年7月度)44本目)。 (参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。 大阪市では1週間遅れでの放映で、しかもミニシアターだけでしたが、ニュースか何かで話題になったのか、特に予約も少なかったのに…と思ったら開始5分くらいまではチケットが買えるようで、そこそこの埋まり率といったところです。 最近で見たこの手のタイプの映画といえば「リバー、流れないでよ」ですが(2分回し)、こちらは5分回し。その点は何分かは本質論ではなく、ループ(リープ)していく中で新しい情報をつかんで脱出経路(仮の用語。映画によって「指すもの」は異なる)をつかんでいく、といったタイプの映画…には思えます。 …が、後半から一気に映画のタイプが変わっていくのが印象的というか、よく作られているよなぁ…といったところです。確かに前半どこかヒント描写などあるのかな…と思いますので、2度3度見ることが想定されているようには思えます(とはいえ、大阪市では1日1回放映)。 後半からのストーリーの展開に関しては、これはもうネタバレになりうるだろうという扱いで触れないようにします。 この手のタイプループ(リープ)ものは、それにこだわる類型と、多少後半から他のジャンルを混ぜてくる映画(本映画は後者に分類)があり、どちらもありかな、というところです。放映時間が適正な長さであった点も高評価です。 ただ、ちょっと評価に関しては厳しめで、4.5としました(切り捨てなし)。 ------------------------------------------------ (減点0.2/一般指定の割に描写が厳しい) ・ この映画は一般指定です(公式サイトも確認。PG12以上ではない)。にもかかわらず、一部の性表現がちょっときついかな…というところです。ただ、ランクの一つ飛ばしと思える点は0.2以下の扱いです(というか、どこにも書いていないだけで、実はPG12?)。 (減点0.3/事務管理の解釈が危うい) ・ 倒れている人を救助するのは民法上の事務管理に該当しますが(697条以下)、事務管理を始めたことを本人に通知する義務(知っている場合は除く)、継続義務、本人の利益に適合する方法で行う義務も生じます(697条以下、各条文)。 特に継続義務が怪しく、継続義務は「本人、相続人、法定代理人が管理できるようになるまで」の扱いです(700条)。また、「本人の利益に最も適合する方法」である必要もあるため(697条)、ここでのベストチョイスは「救急車を「管理者の名で」呼ぶ」です(本人の名で呼ぶと無権代理の問題になる)。 ------------------------------------------------
見終わった後の絶望は心地良い
5分間を繰り返す中で、色々模索しタイムループから抜け出す映画だと思って鑑賞に挑む
試行錯誤の中で、主人公は色々変化していき、
高校生らしく、思わず応援したくなるシーンも多々あり、固唾を呑んで見守り、失敗するとこちらも落胆する。
最初の冴えない感じからは想像もつかなかった絶望に打ちひしがれる主人公を、見ているこっちも辛かった。
彼女がすごく可愛かったから、彼はもしかしたら恋心を抱いているのかなあと想像はしてた。
しかし現実はとても残酷で、観終わった後は何とも言えない絶望感が残りました。
現代社会にも通じるものがあり、今後も増えるであろう思春期を最後に恋愛をしない男性のその後を見てしまった感じです。
私の中ではハッピーエンドではない。
最後、あの場所では笑っていたのに、なぜ現実では口を開けていたのか?
後悔?叫び?苦しみ?言いたいことがあった?断末魔のようです
現実でも笑顔でいて欲しかった。
家族もそう願い色々したけど、やはり現実は残酷に感じたな。
神回は観客次第なのかな?
タイムループの中で何度も「ありがとう」と言う場面。
彼が1番欲しかった言葉なのだろう。
「下手か」も主人公が現実世界でも何度も自分に向けた言葉だと思う。
EDはきれいでエモい。
監督にもあれは女子ウケする映像ですねと伝えたけども、やはり切なさが残ります(褒めてます)
衝撃を受けたという意味で、評価高めです
哀しい
まずは、ご存知「町中華の伝道師」茜ちゃんの魅力炸裂!ということを伝えておきたい。中盤の胸クソ展開も含めホントに可愛かったしお芝居も良かったと思いますよ、マジで。
作品は、たまたま公開時期が重なった「リバー、流れないでよ」と比較したくなるが、ベクトルとしてはある意味真逆の作品だとは思う。
「今ここに留まりたい」という想いを乗り越える『リバー』と、それを認める『神回』という位には違うかなと。
そのため本作では、「留まる」ために終盤の展開と人々が必要になり、その結果ちょっとまどろっこしい感じになっているのが実に惜しい…
観ていると、余計だし長い、と思っちゃう。
しかしこれだと彼は哀しすぎないか…?
いや片思いなんてそんなもんか…
ループはしているが…
この前、「リバー、流れないでよ」が公開されたばかりなのにまたもやタイムループの邦画が観れるなんて。いつの間に日本はタイムループ映画大国になったんだ。 今回は2分ではなく5分のループ。しかもループしているのを知っているのは自分だけ?という設定。この手の話は徐々に真相がわかっていくというのが定石なのにまったく話が進まない。そりゃ樹くんも病んでいくわな。そもそも恵那に苛立ちをぶつけるあたりモテる男子ではない。ここもポイント。そして徐々に狂気の世界に突入するって流れ。悪くないんだけど、そのやり方はどうなのよ?と思った。 そして後半。なんとなく予想ができてしまう流れだったが、それでいくといろいろな矛盾が生じてしまうけどいいの?たぶんこれをいい話ととらえる人も多いのだろう。一途だしね。でも、タイムループものにある、自分を見つめ直したり、抜け出すための謎解きだったり、繰り返しているからこそ起こる笑いなんかを楽しみにしていただけに少しガッカリしてしまう部分のほうが強かった。こんなやり方にするならあの夏休みの教室にいたるまでのエピソードも少し見せておいた方がよかったんじゃないかと思う。前半のあの流れはタイムループに焦点を当てた始まり方だった。だから監督がしかけたミスリードに悪い意味でショックを受けてしまう。 これ、タイムループものとは言えなくなるなー。後半にいたってさえ樹の行動や考え方に共感できないんだから困ってしまう。次に進むことができずに後悔を引きずる人生がいいはずない。
心一つで地獄にも希望がある
『時をかける少女』のような青春映画ではありません。そもそもタイムリープの作品かと勘違いしてましたが、タイムループでした。舞台挨拶で監督や演者の皆さんが「タイムループ」と何度も言っていたので「あれ?」と思ってましたが。 本作がデビュー作となる中村貴一朗監督ですが、20年以上も映画制作をされてきたので、映像も音楽もとても美しいです。 タイムループ作品は、最初のほうはしんどいですが、途中からの樹と恵那の成長や変化がすごく面白い。樹をすごく応援したくなる。 一つとして同じものがないのはもちろんですが、全てが初めての時間である恵那。恵那を演じた坂ノ上茜さんが神がかってます。そして、樹を演じる青木柚さんは今回も本当に素晴らしいです。無間地獄のような世界での絶望、間違いや後悔もある。そして受け入れるしかなくなる。 しかし、その先に希望を感じられるこの作品を見て、苦楽は本来一体なのかもしれないと感じました。青木柚さん坂ノ上茜さんの“二人芝居”を贅沢に堪能できるので、お二人の作品としても神回になるかもしれません。
坂ノ上茜 初脱ぎか!?(東スポ)
夏休み中の教室で女子(坂ノ上茜)と待ち合わせた文化祭係の男子(青木柚)がタイムループに気がついて、最初はなんとか脱出しようといろいろ試みるが、そのうち死なないことやリセットされることを悪用する妄想型の展開に。厚切り台紙カッターを壊すあたりから超安っぽいアダルト風味に。
町中華ねえさん危うし‼️
男子のスマホの待受画面がネギ味噌ラーメンだった。
ふざけたのか???
生涯独身の叔父さんの最後を看取る甥や制服着せた老人カップルも違うんじゃないっていう感じ。
一秒遅い彼ならぬ60年遅い彼でした。
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