福田村事件のレビュー・感想・評価
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集団心理
1923年9月6日に千葉県東葛飾郡福田村で実際に起きた、讃岐の行商人達が9人殺された事件の話。
現在では公になっているし、事件のあらましぐらいは知っている状態で観賞したけど…これは福田村事件が主というより、村に帰ってきた元先生とあんみつ姫の夫婦のお話しですか?事件後のことも少々知っていると熱血記者もねえ。
何を観に来たのか良くわからなくなりそうなドラマをタラタラと見せて、やっとキーとなる関東大震災と思ったらまたまたタラタラ。
事件の様も何だかイマイチ規模が小さく感じるし、何でそこで挑発的な言動繰り返すかな…と言い訳がましいし、終いにはバッチリ標準語で何やら唱えるし、事件後のことは字幕で少々。
事件のことをまるで知らないとそれなりにショッキングかも知れないし、知ってもらう機会としては良かったかも知れないけれど、変な色恋ドラマをみせるぐらいなら、事件後の逮捕者のこととか、事件が公にされてこなかったこととか、そんなことをみせて欲しかった。
丁寧に作られた映画
構成の上手さなど無いかもしれませんが、今後何十年も残っていく映画であることを意識され、無骨に丁寧に作られた映画でした。
後半の混乱シーンで流れる音楽がシンプルかつコミカル であり、良い対比になっていたと思います。
やっている本人(村人)は真面目なんですが、一歩引いて見ると滑稽に見える、というあれです。
救いのない話の中の救い
この作品は、観た人達の口コミで拡がる映画だと思いました。
加害者からの視点で描かれた福田村事件、この作品を見て私が感じた点は、誰一人本当の悪人がいない事での、やるせなさ救いのなさです。
本当の悪人がいれば、「こいつが悪い!」で、スッキリ出来たと思います。
家族を村を故郷を国を愛する善良な普通の人達が、いくつかの行き違いから殺戮に走ってしまう。
異常な快楽殺人者ではないので、彼らの延長線上に自分の姿を見てしまう、そこがこの作品から感じる、やるせなさや救いのなさの正体ではないかと思います。
ただ、まったく救いがないわけではないので、その点は映画を見て自分で感じて下さい。
流言飛語に飲み込まれ侵してしまったとりかえしのつかない過ち
映画の中の出来事が実際にあったのかどうか、もう資料の中でしか確認する事ができないが、何れにせよ、今の時代にもあてはまる事ではないか?
観ている者の胸を締め付ける
事実確認もしないまま一方的な口撃をする人達には特に観てもらいたいし、自分もそうなっていないか考えさせられる
凄く重たい題材に演者も猛者がそろっている
井浦新はじめ、東出昌大、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明など一癖も二癖もある配役に痺れた
日本人なら観ておくべき作品と思う
なお、監督はオウム真理教信者達の日常を追うドキュメンタリー映画『A』を撮った方だとか(まだ見てない多分)
Wikipedia辺りでもいいから目を通しておいた方がよいとおもう
不謹慎ですが
朝鮮人差別というテーマもあるとは思いますが大義名分があれば他人の尊厳や命までも奪うことが許されると思っている村社会の異常性を描いた映画でもあります。前半は東出への禊なのか不倫問題と性欲には勝てないという内容もあり笑えますが他のキャストも色々と世間を騒がせた人たちが何人か登場します。意外だったのは水道橋博士の怪演が割とハマってます。後半からは日本の村社会の異常さをこれでもかと地獄絵図のように見せつけられます。
不謹慎ですが私はデビルマンの最終回を思い出しました。
村社会の少しでも異端のものや変わってるものにレッテルを貼り排除しようとする異常性に辟易する映画ですが今の時代の日本に生きる人々に是非観てほしい映画です。
これは大成功
と言えるのではないか? 忘れ去りたい闇に葬られてきた事件を掘り起こして、それで現在の事にも思い致させる造り、それでいてエキセントリックになり過ぎない抑制されたトーン。これは、今迄ドキュメント中心で初の劇映画という森達也監督の功績と思う。
興行収入もある程度望めるんではないか? 色々取り上げたい所がありますが、一つ。いい意味で浮いていた田中麗奈。
目を背けてはならない負の歴史
「福田村事件」はこの映画で初めて知った。さらに、殺された日本人9人は、当時日本人の中でも差別されていた「部落民」(この言葉を使っていいのか迷う)であったということも知った。
そのうえ事件の背後では、大震災後の混乱に乗じて、革命を訴えていた日本人たちも殺されたこと。さらに、朝鮮人に対する非道な行いの報復を恐れ、大震災の火災の責任を彼らになすり付け、その結果、多くの朝鮮人、中国人が殺されたことなどが、語られる。
中盤まで、村人たちの不倫などの人間関係描写でやや退屈したが、見終わった時には、言葉も出ないほどショックを受けた。我々日本人が、目を背けてはならない負の歴史である。
衝撃的です。
観るべき映画の一本ではないでしょうか。
被害者の子孫の方々、加害者の子孫の方々、無念にも、亡くなられた被害者の方々、どういうお気持ちなのか想像もつかず、とにかく苦しくて涙が出ます。
長い時間蓋をされ表に出なかった理由が作品を観て納得しました。それだけの内容だという事。
その時、その瞬間は自分達は正しい事をしていると強く信じたいという加害者の集団的心理、そこからあっという間に曲がった真実と正義が作り挙げられてしまい、それらに巻き込まれて殺害されてしまった被害者。
観ていて大変辛い作品ですが事実なのです。
現代社会にも通ずる事があり深く考えさせられます。
鑑賞後も考え続ける自分がいました。
目を背けてはいけないと強く思える作品であり、演じられた役者の皆様も忘れられない作品になったと思う、とても強烈な作品でした。
タイトルなし
名古屋初日初回、満席。今日という日に見ることに意味があっただろう。脚本にはもう少し洗練が欲しかったけれど、物語の構成は悪くない。階級や村の人々の関係など描かれていた。東出くんのキャラは曖昧だ。群衆心理や在郷軍人の様態はよく描けていたと思う。でも、少し図式的。
荒井さん?の脚本は性愛に寄せ過ぎか。今村なら、同じく性愛を入れても、そっちに寄らないはず。
また、在郷軍人たちが警察のせいにするくだりも、ベタなセリフで説明しているだけで、これなら、しょうがなかったことになってしまう。
曖昧な状況から、暴発のように殺戮が始まって、それが止まらなくなるシーンは、秀逸なのだが。
在郷軍人がエリートたちをディスる構造は今の反教養主義と重なる。でも、古い脚本家たちが、ただプチブルを図式的に批判してる感も。
情報
公開初日に鑑賞🎞️✨
福田村事件の事は全く知りもせず、井浦新さん目当て映画でした
初めから重たい内容
ずしんとくる映画だと思い挑み
観ましたが、
なかなか
ヘビーですね
色んな方が出てきますが、みなさん何か抱えていて、そんな時に関東大震災という災害を機に、根も葉もない噂が出回り、人々を疑心暗鬼させて、事件が起きる
現代にも通じる内容で、沢山の方に観てほしいと思う映画です🎥
日本人が向き合わなくてはいけない映画
関東大震災から100年目のその日にこの映画を見る事が出来た意味を考えたい。
怖い。怖い。ひたすら怖い。
日本人は世界的に見ても善良で平和的な民族であるという“うぬぼれ”を、この映画は木っ端微塵にぶっ壊してくれる。
テレビドラマでよく見かける「地方の村の閉鎖的な環境や因習による犯罪」は、もしかしたらその地方に限ったではなく、もしも何かとんでもない事件・事故が起きれば、日本中どこの街でも起こり得るのではないか。
裏を返せば、そこに日本人の残虐性、特に集団となった際の狂気が潜んでいる事実を、自分自身も含めて考えておかねばならない。
「お国のため」を錦の御旗に掲げて突っ走る在郷軍人会の連中や、デモクラシーや民主主義を唱えながらも暴力の前にあまりにも無力な村長を我々は侮蔑したり、あるいは嘲笑したり出来るのか。
その答えは過去にあるのか?未来にあるのか?
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