「朝鮮人やったら殺してもええんかっ!」福田村事件 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
朝鮮人やったら殺してもええんかっ!
森達也監督のはじめての劇映画ということで期待していた作品。
100年前の関東大震災後の混乱に乗じて行われた惨劇。
埋もれていた事実を今、劇映画の形で伝えるということはとても大切で有意義なことだと思う。
客観的な視点を入れたかったんだろうが、朝鮮から帰国した澤田夫妻(井浦新、田中麗奈)を中心に持ってきたことが上手く活かされていないように思った。
柄本明やカトウシンスケのシーンなど、詰め込みすぎ。もっと瑛太率いる讃岐の薬売りたちや新聞記者、朝鮮人の飴売りの娘に絞った方が良かったように思う。
あと加害者になる側を演じた水道橋博士や松浦祐也は決して悪くはなかったが、瑛太や東出昌大と同じレベルの役者さんに演じさせた方がよかったのでは。(敢えて彼らなんだろうとは思いますが)
ラストの惨劇、太鼓の音楽が興奮を煽って凄まじく、
かつてないほどの恐怖(いろんな恐怖)に胸が締め付けられた。
このシーン以外の音楽(ピアノ)はあまりよくなかったのと、音声、音響が酷くて台詞が聞き取れないシーンが多く、足音や物を置く音などがまるで「雨に唄えば」のサイレントからトーキーに変わった撮影現場のドタバタみたいに大きな音で、残念だった。
(翌日に今敏監督の「パーフェクト・ブルー」を観た、音楽、音の効果が素晴らしかった。)
森達也監督にはこれからも劇映画を撮り続けてほしいです。
大吉さん、共感&コメントありがとうございます😊
この「福田村事件」を観ていたら、ふと市川崑監督の「おとうと」とか「幸福」みたいな映像で観れたらと思ったもんですから
こちらでコメントのお返事ありがとうございます。おっしゃる通り映画という手法で社会に向けたメッセージが表現されるのは良いことですよね。
ちなみに私がひどいと感じた差別的レビューは削除されてました。私は逆に政府批判が過ぎて削除されたりしてます(笑)。ですからそのようなレビューは他のサイトで上げるようにしてます。
レビューが削除されることがあるんですね。
今作や、最近では「マイスモールランド」など、自分たちで声を上げることが難しい問題を、劇映画の形で製作公開することはとても有意義なことだと思います。
おはようございます。本作は監督が言うような娯楽作品としては自分はいまいちでしたが、いまの日本で公開されたことに大変意義があると思ってます。ただ、レビューの中には当時と同じような朝鮮人差別を助長するようなレビュー(本作以外のレビューはなし)が散見されるのは非常に残念です。このように当時と同じような危険性が今の日本でも感じられるからこそ、作り手の方たちは本作を何としても世に出したかったのだと思います。
ちなみに私のレビューは本サイトでは削除されてしまったのでお返事は結構です。
こんばんは。
本作は私には衝撃が強過ぎて、まるで殴られたような感覚になりまして。トラウマです。
仰る通りで、ラストの惨劇に追い討ちをかける太鼓の音が、逃げきれない恐怖を増長していました。
100年前も今も変わっていない人間の集団心理の愚かさを痛感しました。
共感ありがとうございます。
まあ確かに詰め込み過ぎだった気もします。個人的には柄本父と嫁、東出とコムアイの不倫は、閉鎖的な村の雰囲気の中でも反骨パワーみたいに感じられて好きでした。コミュニストについては別場所での事件を入れたかったと映画誌に書いてありました。