「突発的に広がる狂気と悲劇」福田村事件 アボカドかゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
突発的に広がる狂気と悲劇
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事件が起こる物語の後半までは、本当に何の変哲もない、ただ、どことなく危うい人間関係や、差別される生まれの上に生活している人々の日常が描かれる。
四国の行商が震災後の緊張状態になっている福田村を訪れ、訛りや態度が反抗的なことから村人に朝鮮人ではないかと詰め寄られるが、行商のリーダーの対応がケンカ腰で、見ているこっちとしては、そんなに煽ったら余計揉めるのにな~朝鮮人ではないことをちゃんと言って、大人しくしておけばいいのにな~という心理になる。しかしそれこそが、無関係を装い良くないことを放置してしまう心理ではないかとハッとさせられた。
部落出身者である行商の人々が村人に縛り上げられ、逃げ出した仲間の死を見ながら殺されようとしているとき、念仏の横で水平社宣言を唱えるシーンに心を揺さぶられた。
水道橋博士の、おどおどした自信なさそうな、「こうであるべき」と思い込んでる感じの軍人キャラがすごくはまっていた。
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