「オスカルとアンドレの人生を2時間で駆け抜ける」ベルサイユのばら みぃさんの映画レビュー(感想・評価)
オスカルとアンドレの人生を2時間で駆け抜ける
6回劇場でみました。
こんなにハマるなんて、思って無かったんです。
この映画、フランス革命を期待して行くとハズレです。しかし、「ベルサイユのばら」としては100点満点。
2時間で駆け抜ける、アンドレとオスカルの人生です。
そもそも、アントワネットの処刑で映画が終わったら、沈みきった気分で映画館をでることになってしまいますし。これで良いのです。
なにより、この映画は画面が常に綺麗。今の技術で描かれる背景、ドレス、ヌルヌル動くキャラクター達。少女漫画の世界観がスクリーンいっぱいに広がります。
澤野弘之さんの音楽も素晴らしい。(英語なのはちょっと気になるけど、そのうち気にならなくなりました。むしろ仏語だと字余りな歌詞になりそうな予感。)
これは、映画館で見なければ。家の小さい画面、ショボイ音響ではこの映画の良さが損なわれると思い足繁く映画館に通うことになりました。
何度がみて気づきましたが、最初の画面で映る光の演出と最後、アンドレとオスカルが天に召され光となる演出。これ、同じなんですね。
2時間のダイジェストベルばらと巷で話題ですが、これはダイジェストではありません。
オスカルとアンドレの2人の人生の走馬灯。
それに気づいた時、更に切なくなり、また映画館で2人の人生に浸りたくなるのです。
制作陣の小ネタもそこら中に散らばっていて何度みても新しい発見があります。
例を挙げるなら、アントワネットのソロ1曲目。在らぬ方向に飛んでいく宝石達。
実際にアントワネットが着用していた宝石達ですね。有名オークションに実際に出品されていた宝石達が曲に合わせて在らぬ方向に飛んでいってます。
そんな時代考察もしっかりされている映画。
令和の時代にこんな素晴らしい作品を映画館でみれて、非常に幸せな気持ちになりました。