「Versailles」ベルサイユのばら ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Versailles
ベルばら原作はチラッとみたことある程度でほぼまっさらな状態での鑑賞。
特典は複製原画ととんでもなく豪華でした。
めちゃめちゃインド映画、いやインド映画よりも音楽で盛り上げるパワープレイを実行していて原作を知らなくても楽しめる作品になっていました。
上映前の特別映像はてっきりマナー紹介をやるのかと思いきや身内内でのワチャワチャをしていて珍しい〜ってなりました。
長期連載である原作を2時間に収めるのは相当難しいとは思うのですが、その中でもやれる事や要点をうまくまとめきっての2時間だと思うのでそこは製作陣の頑張りが実っていたなと思いました。
全体的にはオスカルにフォーカスを当てており、オスカルとマリー・アントワネットの成長、国内情勢の変化、オスカルの心変わり、そして闘争とオスカルの人生を色濃く描いているのが印象的でした。
とにかく気高いオスカルが自由なマリー・アントワネットを見守りながらも、自分自身や周りの環境に合わせながら立場を見つめていくという感じでストーリーが進んでいくのでオスカルに強く感情移入してしまいます。
女としての自分を意識するシーンだったり、大切な人を失ったり、部隊の指揮を取ったりと多くの表情や行動を魅せてくれるので素晴らしいキャラクターだったなと思いました。
男性陣はアンドレがメインを張ってくれており、その恋が成就するのか…!と最高にドキドキましたし、アンドレがいたからこそオスカルも前を向いていけたと思うといてくれて良かったなという縁の下の力持ちでした。
他の男性陣はスッと退場したりとここは尺の問題なんだろうなとはなってしまいました。
終盤は若干駆け足気味でもう少しゆっくり見たかったですが、一応の決着は付いているので一つの映画としてはしっかり完結しているのは評価したいところです。
アニメーションはさすがMAPPAといったところで原作の絵柄はそのままに、見やすく煌びやかなアニメーションになっており、歌唱シーンなんかも圧巻でお見事でした。
声優陣もしっかり本職の皆様がやっており、オスカルの沢城みゆきさんのカッコ良さたるや…中性的な声がドカンとハマっていて最高でした。
ベル坊の声は一体どこから…。
マリー・アントワネットの平野綾さんも幼少期から大人までの声の分け方が絶妙で成長をグッと感じられるものになっていてとても良かったです。
だいぶ端折りまくってるんだろうなと思うぐらいには素人目にも分かるくらい人物描写をすっ飛ばしていたので、原作ファンはそれは難色示すと思いますし、マリー・アントワネットが完全なるヒールとしての描き方になっていたのはどうしても引っかかってしまいました。
劇中で起こっている愛に対しての奔放さだったり、贅沢の限りを尽くす生活だったりは事実ですが、それ以外の彼女の良い部分ももっと盛り込んで欲しかったですがこればっかりは尺の問題もあると思いまし仕方ないのかなと思いました。
できればリメイクという形でのTVシリーズでじっくり、もしくは2部作か3部作くらいの壮大なボリュームでやって欲しかったというのが本音ですが、原作の導線にはしっかりなっていたかなと思います。
面白かったので少しずつ原作に触れていこうと思います。
鑑賞日 2/2
鑑賞時間 16:05〜18:10
座席 D-16