「惜しいなぁ・・・」アムステルダム Golgo14さんの映画レビュー(感想・評価)
惜しいなぁ・・・
独裁的な指導者やポピュリズムの指導者が跋扈して、民主主義が危機に瀕しているこの時代に最も相応しいものを主題に取り上げたのは素晴らしい。
ベニート・ムッソリーニやアドルフ・ヒトラー、フランシスコ・フランコが台頭しはじめた1930年代にデモクラシーの先端を行くアメリカにおいてさえ、陰謀ともいえるこんな動きがあったとは。
これが史実とすればもっと世の中に知られていなければならないし、この映画ももっと脚光を浴びる必要がある。 原作者と監督に拍手。
ただ惜しむらくは
①始まってすぐに30年代から話が第一次世界大戦に戻ってしまうのはつまらん。
1917年ころから話を進めても問題は無いし、そうすればあくまでモンロー主義を貫くアメリカから主人公3人が何故ヨーロッパに渡ったのかという部分もドラマ化できたはず。
②終わり近くにダラダラと、5分くらい説明のようなものが続いたが辟易とした。
解説したい気持ちも分からないではないが、もっと簡略化して欲しかった。
③主人公3人がアカペラで歌うコーラスはすごく良かったが、全編に流れるBGMはイマイチ。
これに関しては個々人の趣味だから何とも言えないが。
主人公3人はそれなりに好演していた。
クリスチャン・ベールは以前はチャラい役が多かったが、今回はハマリ役であった。
ジョン・D・ワシントンはデンゼル・ワシントンの息子でNFLの元選手だとか。
あまり期待はしていなかったが良かった。
NFLの元スタープレイヤーO・J・シンプソンの二の舞にならないように願い、今後の活躍を期待したい。
マーゴット・ロビーはいいねぇ。
海兵隊元ジェネラル役のロバート・デ・ニーロはミスキャスト。
ここは『ザ・ロック』で海兵隊准将を演じたエド・ハリスじゃなきゃ。