「埋もれそうだが面白い(ほぼ)実話、3人の関係性を描いた点も秀逸」アムステルダム たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)
埋もれそうだが面白い(ほぼ)実話、3人の関係性を描いた点も秀逸
東京国際映画祭にて学生当日500円で鑑賞。こんなスケールの大きい作品をワンコインで観せてくれるなんて…!なんせ、ほぼ実話。それでも軽妙に友情を描く辺りがオシャレかつ面白い。ちなみに、こがけんさんのトークショー付き。
戦地で共に戦い生き抜いた3人の友は、ある冤罪をきっかけに巻き込まれていく。実話ベースのスリリングなクライムサスペンスでありながら、押し出されるのはその友情。アムステルダムで深めた不動の仲を携えて、世界を揺るがす陰謀に立ち向かう。
戦場の描写を隠喩的に表現しながらそれぞれの接点を描き、軽妙な展開でコトの大きさを次第に突きつける。これが実話であり、一見すると埋もれるような人たちによって陰謀のベールを剥がすというのはなかなか快い。それを緊迫感と共に描くからまた面白い。転調の効いたノンストップな雰囲気は良いと思うが、若干説明に走っていた部分があったのは惜しい。
それにしても、なんて豪華なキャストなんだ!邦画ばかり観ている私でも分かる説得力。主演のクリスチャンベイルは『フォードvsフェラーリ』で拝見していたし、マーゴットロビーやロバートデニーロ、ラミマレックまで…!シリアスに落としきらないのはキャストの腕による部分も大いにある。そんな凄い人たちによる会話劇も楽しめるところ。難しそうで分かると面白い、そんな軽さも兼ね備えている。
こういう映画は意外と埋もれがち。公開2日前にお得に観られるのも東京国際映画祭ならでは。タイミングだけで選んだのに、意外と良い収獲ができた。
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