「見かけは良いが…」アムステルダム ますぞーさんの映画レビュー(感想・評価)
見かけは良いが…
アムステルダム
人口80万人のオランダの首都
湾部の港町であり海運貿易の
街として16世紀に大きく発展
国際都市となった
世界大戦では当初は中立国
だったものの枢軸国の
侵略を受けることとなった
今作はそのアムステルダムで
数奇な出会いを果たした
男二人女一人が再び偶然に出会い
思わぬ運命に翻弄される実話を
元にしたミステリー風物語
コロナで案外暇そうな人を
あらかた呼んでみたかのような
豪華キャスト
感想としては
まぁ洋画の例にもれず
ミステリー要素はサッパリも
キャストがキャストなりに
違和感ない役を演じる事で
大崩れなく最後まで観る事が
できましたが
映画に必要な奥底からの
スリルが足りない
60~70点狙いって感じ
第一次大戦で共に連隊で戦い
共に負傷し今はNYにいる
傷病復員兵専門の町医者のバートと
黒人で弁護士のハロルド
二人はある日戦場で世話になった
ミーキンズ将軍の娘リズから
とある依頼を受けます
それはヨーロッパ旅行に
行っていたはずが
変わり果てた姿となった
ミーキンズでした
解剖すると毒殺の疑いがあり
リズに伝えに行くと
とっさにリズは殺されてしまい
二人はその殺害容疑を
かけられてしまいます
無実を証明しなければ
ならなくなりますが
この事件の裏にある
陰謀を感じ取ります
リズが最後に言い残した名前
「ヴォーズ(ローズと聞き間違えた)」
は傷病兵の救済などの慈善活動を
行っていたヴォーズ家へ向かい
自分らの無実を証明して
もらえるよう要請しに
行くとそこには
かつてアムステルダムで
自分達を介抱してくれた看護師
ヴァレリーに偶然出会います
ヴァレリーは患者から取り出した
銃弾の破片をアートに使うという
変わった感性の持ち主ながら
二人にとっては命の恩人であり
ヴァレリーの知り合いの
(実は)英国情報省のヘンリーと
(実は)MI6のポールが
義眼などを提供してくれて
回復後はアムステルダムで
楽しくやっていました
しかしヴァレリーとハロルドが
恋仲になるごとに
恋人イルマとの仲を裂こうと
父親に戦場に向かわされた
バートは恋しくなり
アメリカへ帰ると決意しました
結局アメリカでは
イルマの父に疎んじられ
傷病兵中心に治療していましたが
自分も痛み止めのモルヒネ中毒に
なってしまい投獄
それを知った互いを助け合う
「誓い」を立てていたハロルドも
アメリカへ帰る事を決断
ヴァレリーは引き留めようとしますが
弁護士になってバートを救うと
効かないハロルドに対し
ヴァレリーは突然いなくなって
しまいます
それっきりでした
ヴァレリーはヴォーズ家の
党首トムの妹でしたが
家柄を嫌って世界を放浪して
いたのでした
今は神経症を患って
投薬のため外出できない
身体になっていました
偶然の再開に三人は
驚きますがあらましをすべて話し
ヴォーズ家に
ミーキンズ殺害の真相と
自分達の疑惑を晴らすよう
協力を仰ぎます
そして徐々に「5人委員会」
なる謎の組織の名前が
浮かび上がってきます
ヴァレリーの兄トムは
強力には消極的だと言いますが
話を解決するために復員兵の
権利保護を訴え圧倒的な支持を
獲得している「ディレンベック将軍」
が協力してくれるならと
条件を付けます
バートもハロルドも面識は
あるとその条件を呑み
ヴァレリーもフラフラしながらも
三人で解決に乗り出します
この辺の展開が
なんの面白みもないのが
この映画しんどいんだよなぁ
ほんとねつくづく
日本の二時間ものサスペンスは
質が高いです
ディレンベック将軍は
多忙ながらバートの機転も
あって何とか面会すると
どうも将軍の家には大金を持って
スピーチを依頼してくる男が
しょっちゅうやってくる模様
雇い主の名前を明かさないので
怪しんでいたようです
カマをかけるとその男は
「5人委員会」の名前を漏らし
これは陰謀があると将軍は
バートらに協力してくれる
ようになります
ヘンリーやポールもヴァレリーとは
ずっと付き合いがあり
この陰謀の裏でも
アメリカでも台頭してきている
ドイツはナチス党の存在を
明かします
第一次大戦後のドイツは
戦争に負けて莫大な賠償金
などから経済が崩壊
そこでナチス党の超有名な
ヒゲおじさんに政権を掌握され
対外情報工作も積極的に行って
いたのでした
アメリカにもナチスと通じる事で
ドイツで商売をさせれもらおう
だとか企む政財界の要人がおり
トムを含めそれらの要人と
ディレンベック将軍で5人で
世界を掌握しようなんてのが
陰謀の真相だったようで
でも将軍はアッサリ突っぱね
スピーチで外圧に屈するなと
力強いスピーチ
(これは史実でも同じだったようです)
ナチスは悪の組織だとか
なんにも細かく知らない左翼界隈が
いまだに大好きですが
情報工作から内部から崩壊させるとか
現代戦に通じる工作などをやり出した
点についてはセンセーショナル
未だに中国が世界中で真似しています
ロシアもそれやってるまでは良かった
んですが実際に攻撃してしまったことで
ドツボにはまっていますね
まあそれはいいとして
とにかく最後まで
そりゃこうなるよね
ふーん
といった事ばかりで話の盛り上がり
がほんとにありませんでした
クリスチャン・ベールなどの
演技は相変わらず素晴らしいし
マーゴット・ロビーは美しい
「ミッドナイト・イン・ソーホー」
でも印象的だった
アニャ・テイラー=ジョイも
これからもっと出てくるでしょう
ビジュアルだけでも楽しめます
例えると高級料亭で注文する「白米だけ」
って感じでしょうかね
最高品質の魚沼産こしひかりを
かまど炊きしてあって
それなりにおいしいんでしょうけど
わざわざそれ食べに行きます?