「夢見るおじさんの映画」さすらいのボンボンキャンディ milouさんの映画レビュー(感想・評価)
夢見るおじさんの映画
カメラも演出も照明も美術もまんべんなく下手くそな映画で、どこかで見たようなショットを狙うんだけどことごとく凡庸。脚本はただ失笑するしかなくて、道路を走ってると鯨の背中みたいに見えるねとか、高山を飛ぶ蝶が…とか、お安いカラオケの歌詞そのもの。
とくに、いまどき東京で暮らしてる30代半ばの女が、こんなちょろいロマンスを生きてると作り手は本気で思ってるんだろうか? なんというか、「しょうもない中年男に勝手に惚れて簡単にやらせてくれて後腐れない女」を空想してるおじさんの夢を2時間見せられた感がある。セックスシーンがいちいち退屈なことにも、女の感情なんか考えてない(し知らない)のがくっきり現れている。
唯一良かったのが主演の影山祐子。立ち居振る舞いと言葉づかいの印象がしっかり頭に残る。くだらない台詞が気の毒。まともな映画で、もう一度見てみたい。
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