「『近江商人』である必然性がなかったぞ!」近江商人、走る! HALUさんの映画レビュー(感想・評価)
『近江商人』である必然性がなかったぞ!
今年の映画初めの映画として、私は他の映画を推していたのですが、時代劇好きな父親のたっての希望で仕方なく、この映画を選んで観に行きましたが、「近江商人」である設定の必然性の微塵も感じられない作品で、謂わば映画のタイトルによる詐欺案件とも言える映画。
冒頭の幼少期に銀次と薬屋の喜平との出会いと別れ辺りの流れは、泣かせようとしているのが見え見えではありはしましたが、なかなか良かったし、エンドロールで確認するまで気が付かないほど薬屋の喜平役を好演されていた漫才師・とろサーモンの村田秀亮さんの演技を評価して★ひとつ分を加点はしました。
ただ、眼鏡職人(前野朋哉さん)との絡み辺りから妙におかしな具合にお話しが展開してると思ったら、地下アイドルの握手会に、「L・O・V・E」って叫び応援するヲタ芸に最終的にはミニコンサートを披露するなど、時代考証があまりにも、ぶっ飛んでいるし、コメディ時代劇にしても羽目を外し過ぎて観るに堪えなかったですね。
時代劇を愚弄するにもほどがあると思いました。
なので、最低限の時代考証は守って欲しかったです。
また方言指導もなっていないし、標準語と関西弁がゴチャ混ぜ状態で、滋賀(近江)弁を話している配役が一人もいないといった有り様。
お話しの展開も強引すぎるし、そもそも「近江商人の三方よしの精神」の用い方自体が間違っているしで、あまりにも残念な出来映え過ぎて、あの渡辺裕之さんの遺作にしておくのが可哀想なくらいの酷い作品でした。
いくらコメディ時代劇だとしても、この映画に高評価を付けている人の感性を疑います。
この映画の関係者の人たちのみで仲間内で喜んで観ているかのように感じました。
いくらご当地映画を謳った作品とはいえ、中身が伴っていない映画ですので、滋賀県内のイオンシネマ草津やイオンシネマ近江八幡で上映延長をされるのは犠牲者を増やす一方なので、今一度考え直して欲しいです!
これならば、韓国のパニック映画『非常宣言』を観ておくべきだったと後悔しきりでした。