餓鬼が笑うのレビュー・感想・評価
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赫い林檎と月とツキ
“幻想奇譚”と銘打たれている通り、かなり不可思議な話。
現実、異世界、妄想、幻想、果ては此岸と彼岸までもが曖昧になっていく。
警棒で殴ってくる婦警は現実的でないが、ただの映画的誇張だろうか。
あの時に赤く染まる視界と、予告にもある疾走するカット(走り方が良い!)が印象的に入る。
あらすじにも黄泉に迷い込むのは競りの後だと書いてはあるが、とっくに幻想に呑まれていたようにも思う。
実際、幼い佳奈(もう少し面影の似たコにしてほしかった)との邂逅が先に描かれている。
そのあたりが同時並行的にある時点で、始点を定めるのも無意味か。
後で知ったが、田中泯演じる高島野十郎は実在の画家だそう。
蝋燭の絵も生涯描き続けたモチーフであり、売ることも展示することもなく周囲の人々に贈っていたとか。
「月は闇を覗くための穴」という台詞も実際に語っていたようであり、彼が本作の重要な鍵なのだろう。
しかし、個人的にはそういった知識なしでも作品内でもっと完結していてほしいとは思う。
とはいえ最後の笑顔とeastern youthのエンディングで前向きに終わったので後味は悪くない。
中々良くできてるなと
最初は割と古美術の市場シーンなど明解でわかりやすく、現実と黄泉(過去?)が色々と複雑に絡みあっていて終わった後、少しポカンとしてしまいましたが暫くして理解できました。
とっつきにくい作品ですが、割と良かったと思います。
頑張ってる
現実と理想と過去と妄想が錯綜するという
すごく新鮮な内容でもないけれど、俳優陣の魅力で見られる。
最終シーンも現実なのか、今際の際の夢なのかは不明だけど
絶望的に終わらなくてよかった。
もっと静かなストーリーで見たいな。
メビウスとウロボロス
パンフレットに書かれたレビューを読んで何度も頷いた。
単純な輪廻転生ではない、人生の不可思議と不条理。
それは未来永劫続く無間地獄なのか、それとも。。??
作るにはまだ…
黄泉の国?わかんないですけど、まず語り口が深夜のTVっぽい感じが引いちゃった。
萩原さん演じる人がなぜ憤りを感じてるとか、そう言うのが見えてこないと言うか…雰囲気というか…
もうちょいちゃんと練るべきだったのでは?設定とか
深淵の闇
露天で骨董売りをしている男が黄泉の国に迷い込み、帰ってきて変わっていく話。
古本屋で出会った女性に恋をして、そして山奥で開かれたプロ向けの骨董の競売会に誘われて…。
なんでキレているのか判らない日清戦争の真実から、やっとこ赤い月に繋がって、さあこれからどうなんの?と思ったら、えっ!?時間だいぶ経ってる?
ちょっとこの辺からの主人公の心理描写がちょっとズレているというか、そして急に負の連鎖。国男さんもなんでその結果でそこまで落ちる?
何だか良くわからないけれど、愛さえあれば?如意輪様に気に入られさえすれば?ちょっとパラレルワールドっぽいけれど。
っていうかこれは何回目?
やり直せるのは良いけれど、そこに繋がる努力だ葛藤だみたいなものがすっ飛ばされ、そこはファンタジーっていう感じだから、イマイチ刺さらなかった。
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