「発想はおもしろいがいかんせん説明不足」メイクアガール 群青さんの映画レビュー(感想・評価)
発想はおもしろいがいかんせん説明不足
ロボット三原則的に使用者(あるいは人全体?)を襲う事や命令違反をすると自壊してしまうが、自分の気持ちが作り物でないと証明するためにその自壊機能を超えてみせようとするロボット(女の子)という設定と発想はおもしろい
が、そこまでの様々な設定の説明不足が否めない
この手のロボットSFは世界観の説明が足りないと視聴者側が常にこれまでの視聴作品からの経験値で補うしかなくなるのだが、主人公にしても一部が義手なだけなのか、全身義体なのか、はたまた実は母親とされている人物による創作物(本人もロボット)なのかが最後まで見ても明確にはされない(観客にムダな邪推をさせてしまう隙がある)
シーン毎にも総集編を観ているかのような『飛んだ』感覚が随所にあるが、元々YouTubeなどでもっと長いシリーズものを作っていてそれの劇場編集版なのだろうか?
具体的には後半のラボで倒れた主人公の元になぜか駆けつけていて、なぜか主人公の胸ぐらを掴む?ような体勢になっているヒロイン
経緯が全くわからないし、なぜその体勢なのか補足説明もない
全体にわたっていわゆる「説明セリフ」が極端に省かれている
監督が脚本やその他大部分を手掛けているようだが、それゆえに監督の頭の中では当然になってしまっている前提が説明されず、客観的な視点が欠けた作品になってしまってるように思う
「自分のファン向け」に作り続けるならそれでも良いのかもしれないが、この規模の全国公開作品としては不親切だと思うし鬼滅ほどにしろとは言わないが説明セリフの省きすぎは観客に不必要な憶測をさせ作品への集中力を下げる原因になるので、次作ではプロデューサーや演出がチェックするか本職の脚本家を入れるかした方がより作品の質が上がるのでは無いかと思う
映像はかなりセルルックでその点はすごいと思ったので脚本面だけが残念だった