「花星」メイクアガール ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
花星
2025年1本目のオリジナルアニメ映画。
なーんか評判低いなーと思いながら劇場にINしましたがこれは賛否真っ二つに割れるわとなりました。
ただ自分には強烈にブッ刺さって、しばらくこの作品のこと以外考えられないくらいには染み込んでいました。
特典はポストカードでした。
彼女を作ると研究の効率が上がると信じて彼女を作り上げてしまう水溜明と様々な世界や恋模様を知っていく0号とのボーイミーツガール、そして切ない展開になっていくと観る前は思っていたのですが、そこは前半までで後半は怒涛のフルスロットルな展開で、鈍器で殴られたんじゃってくらいの衝撃の連発でした。
彼女を作ったというところで成果が出るかに重きを置いていて、そこで結果が出ないからモヤモヤする明と、何も知らないから人との交流や明を好いてるというプログラムに沿って動く0号のすれ違いがなんとも切ないところ…。
と思ったら0号が明に猛烈にアタックをしていったり、一緒にデートしてみたりと突然可愛い行動をしてくるのでメチャクチャに脳を焼いてくるので困ったもんです。
それに全く気づかない明を小突きたくなりますが、研究バカなのでそこはお察しといったところで。
ここまでソルトは掃除したり壊れたりといっただけの描写のみだったのに、0号が連れ去られて助けると明が決意してからは凄いスピードで街中を駆け抜けますし、ハッキングして信号を止めたりバリケードを作り出したり合体してLUUPみたいな乗り物になってコナン君みたいに街中を縦横無尽に走り出しますし、なんなら明も結構なスピードで裸足で走っていたりといきなりアクション的な絵面が強くなって圧倒と困惑が同時に襲ってきて感情が大変でした。
敵に追いついてからの明の無双っぷりも違和感ありありでしたが、人を想うとこれほど強くなるの超絶強化版なんだろうなと納得はできました。
絵里さんは序盤から怪しかったので黒幕ですと言われても驚きはしませんでしたが、もうちょっと敵としての活躍を見たかったところです。
0号を助けにいき敵も一掃した、さぁここからどうなる?と身構えていたら0号が石を投げたりするなど反抗をしだしてからはこれはまさか…と思っていたら明を思いっきり攻撃しにいき、義手をバキバキに、馬乗りになって顔面を思いっきり殴り倒すなどポスターからは予想できないシーンを見せつけられて鳥肌立ちまくりでした。
最後はなんやかんやあったけど0号と元に戻れたのか…と安心して気を抜いていたところにどう考えても0号ではないのに0号の見た目をした0号がいて、これお母さんじゃん…ととてつもないバッドエンドをお見舞いされてこの作品スゲェ…と圧倒されっぱなしでした。
声優陣は皆々様本職なのもあって圧倒的な演技合戦が繰り広げられます。
種崎さんは一人二役、0号の天真爛漫な様子にはとてつもないヒーリング効果がありましたし、自分が作られた存在と知ってから狂気に満ちていく様子まで最高すぎてゾゾっとしましたし、母を演じる時の危うい感じもお見事ですし、最初から最後まで種崎さんの声に支配されていたなと思いました。
改めてアーニャの声はどこから出てるの…?となってしまったり。
アニメーションはとんでもないクオリティで個人スタジオで作り上げていて凄かったです。
キャラも基本的に違和感なく動いていますし、アクションシーンは躍動感満載で良かったですし、キャラクターの表情は豊かで0号の愛嬌の良さや茜さんのツンデレっぷり、モブキャラまでこだわられていて良かったです。
前半、中盤、後半とガラッとジャンルが変わるのでそこに困惑する人は間違いなくいると思いますし、あれだけ研究に悩んでいたのに0号をサクッと生み出したのはなんでだ?となるのも致し方ないのかなと思います。
ただ作家性がここまで強烈に出たアニメ映画をリアルタイムで観れることは幸せですし、何より最初から最後まで釘付けにさせられたのでこの作品の虜なのは間違いなしです。
続編か新作は2027年ということで首を長くして待ちたいと思いますし、是非とも安田監督の違う作品やアニメシリーズなんかも観てみたいなと思いました。
鑑賞日 2/1
鑑賞時間 19:25〜21:10
座席 D-14