劇場公開日 2025年1月31日

「動きは良い。キャラ造形と話に多少難あり」メイクアガール ぬこのすけさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0動きは良い。キャラ造形と話に多少難あり

2025年2月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

萌える

正直、悪くはないが鑑賞後の余韻を全く感じなかったのでレビューを書くのが難しい。
まず、画は悪くない。
新海監督的な方向の色遣いや画面を3Dでうまく表現できていると思う。
(とはいえ結構なムラがあって微妙な個所も多々あったりはしたが)
3Dのキャラのモーションが一番こだわっている部分と思われて、細かなしぐさをや髪の揺れなど非常にうまく表現されてた。

難点はキャラとストーリーに魅力がなく、話を引っ張っていく力が足りていなかったことだと思う。
まず他の方も書いているが主人公の思考が全く共感できず魅力がない。
『科学者としてパワーアップするため』にガールフレンドを作るとか、突拍子も無い上に延々そのことに拘っているのは不自然すぎる。
ロボットではなく人口生命体を創造してしまうには余りにも軽すぎる動機でしかも何ら苦労することもなく細胞の培養から数日程度で作ってしまっていたので終始苦笑いだった。

ヒロインの0号ちゃんのビジュアルも可愛いし性格もけなげで良いのだが、誕生したてで感情が理解できない状態から、感情を獲得していく過程をほとんど描かれていないので、こちらも感情移入できそうでしきれず、モヤモヤ感を強く感じてしまった。

ストーリーは特に盛り上がりもないまま、クライマックスになってしまうので途中の中だるみが苦痛に感じる。
上手く言えないが、もっと他に良いプロットがあるだろうと終始考えてしまう程に話に魅力がなく違和感しか感じられなかった。

より王道っぽくなるが、母親の遺した禁断の研究データ(0号ちゃん)を偶然発見して完成させる⇒完成した0号ちゃんは不安定で何が足りなかったのかと悩む主人公だが、一緒に暮らしていくうちにお互いに足りないものを理解していく的な方向でもよかったのではと思う。

また主人公の正体は一切語られていないが、実は母親が作った人口生命体のプロトタイプとかの案もあったのだろうか?
(クライマックスで0号ちゃんと同じ瞳の色になったりしていたので)
色々と惜しいところまではいっているが、見事に空転してしまっているような感覚が最後まで抜けなかったため心動かされる何かは残念ながらなかった。

あと、ラストに0号ちゃんの中に母親のメモリーが入っているような描写(主人公の呼び方が変わっている)があったが、それをやるなら、もっとしっかりした伏線とキャラの深堀りをするべきだったろう。

次回作はストーリーはプロに任せるかサポートしてもらった方がいいものが作れるのでは?

ぬこのすけ