アカーサ 僕たちの家のレビュー・感想・評価
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いや衝撃
ルーマニアの映画は初見。
2019年のドキュメンタリーと知って驚きだ。
ホームレス一家が都市に移住を余儀なくされる話だが、考える点が多々あった。
公園での生活を自由、都市での生活を不自由だが便利の象徴として描くような監督の談も見たが、それとは別の視点にとてもモヤモヤした。
公園に住むことは、結局父親のエゴでしか無い。
ある程度の学歴もあり、研究職にも着いていたが世を捨てたように映画の中で言っていた。
なぜその子どもたちも世を捨てなければいけないのか??
色んな選択肢がある中で、公園での暮らしを子供が選んだのならそれでよい。
教育もさせず、労働を強いて生活させる。まったくこどもの将来を考えてない。自分の子供は生かすも殺すも自由とか言っちゃう父親。。。おいおい。
ひどい言い方だけど、子供を持つ資格はないし、家長とは言えないですよね?と。
この子どもたちの将来がとても不安です。
そして、ルーマニアがローマ人の国であることを初めて知り、ジプシーに対する差別も日常なんだな、と知ったのも衝撃でした。
東欧の美しい国かしら?なんて思ってた私は甘かった。。。
すごかった
ルーマニアの自然公園みたいなところで暮らす大家族の劇映画かと思ったらドキュメンタリーのようだ。しっかりした自然なストーリーがあるのですごい。テントのようなボロ小屋で暮らして、8人の子どもが雑魚寝していて、犬や猫や鶏、豚も同居していて、ダニとかひどそうだ。長男が魚を池で捕って近所に売りに行く。夏の時期から始まり、冬のない常夏の地域なのかと思ったらしっかり雪が降る。よく赤ん坊は死なないものだ。紙おむつとかなさそうだし、考えられない。服が意外ときれいで、お母さんがしっかり金だらいで洗っているようだ。先日の、アマゾンで子どもが4人、その中の一人は1歳で長い間サバイバルした事件を思い出した。人間の可能性を感じる。
【自然豊かな場所に住む行政から見ると問題多き家族が、直ぐ隣の大都会に強制移住させられて苦悩する様を描いたドキュメンタリー作品。イロイロと考えさせられる映画でありました。】
ー エナケ一家は、家族の長であるジカの”文明社会の中では住みたくない”と言う思想の下、20年来、ルーマニアのブカレストに隣接するバカレシュティ湖畔で暮らして来た。
一家が住む家は、ボロッチイ掘っ立て小屋だが、大家族で湖の魚を取りながら慎ましやかに暮らしていた。
だが、ある日行政がバカレシュティ湖畔を都市型自然公園にすると決め、エナケ一家はブカレストの一角で暮らし始めるが・・。
◆感想
・冒頭の、エナケ一家のボロッチイ家を上空から俯瞰して映した画が印象的である。家のすぐそばにはバカレシュティ湖があり、直ぐ近くには高層ビル群が聳え立つブカレストがある。
凄いロケーションである。
・エナケ一家の多数の子供達は、学校にも行っていないため、行政が乗り込んで来るが拒否するジカ。
ー 大自然の中で暮らすのは構わないが、教育は受けさせようよ、お父さん。-
・そして、大都会に強制移住された一家。子供達は綺麗に髪を切って貰い、学校にも通い最初は嬉しそうだが、生活は徐々に破綻して行く。
ー 長年、自由に生活して来た彼らは、車行き交う道路の真ん中を歩いているし、遊泳禁止の川でも文字が読めないので、楽しそうに泳いでいる。
だが、禁漁区で釣りをしていたために、警察に勾留・・。-
・長男のヴァリと、父ジカとの対立も深刻になり、更に貸し与えられた家の使い方も酷く、一家は追い立てられてしまう・・。
<今作は、大自然の中で生きる素晴らしさを描いている訳ではない。
価値観の違いの中で、苦悩するエナケ一家の姿をリアルに描くことで、文明の中で暮らす事が本当に良いのか、大自然の中で生きる事が良いのかどうかを、観る側に問いかけるドキュメンタリー作品なのである。
個人的には、自分の思想で子供を学校に通わせなかったジカ(彼は、働いてもいない。魚を取って、売っていたのはヴァリである。)の姿勢は、子を持つ親としてどうかなあ、と思ったな。
イロイロと考えさせられる面白きドキュメンタリー映画であった。>
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