エンパイア・オブ・ライトのレビュー・感想・評価
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静鎰な良い映画だ。人によっては退屈かもしれない。でも佳作だ。
舞台設定は1980年代後半か。映画館で「焔のランナー」や「レイジングブル」が上映されている。
イギリスでも黒人差別や黒人への暴行事件があったことを知った。
主人公が勇気をもらえる映画として、ピーター・セラーズ主演の「チャンス」を私はまだ鑑賞していない。「人生とは心のあり方だ」のセリフは、感動させる。観ようと思っている。
ニュー・シネマ・エンパイアとは行かず。
80年代のイギリスの地方都市の映画館を舞台にしたドラマだけど、どこかピントがボケたような作品でした。海辺の映画館や風景はパステル調で美しく、衣装や美術も素晴らしいです。一方で、中年の白人女性が若い黒人青年と恋に落ちるお話しはいいとして、二人の関係や映画館主との不倫関係が妙に生々しくて興醒めしました。他にも、彼女の生い立ちからくる不安定さや移民排斥を叫ぶ社会情勢など題材を盛り込みすぎて、内容が浅くなった感じで、何が言いたいのが、イマイチよく分かりませんでした。役者では、オリビア・コールマンは、熱演過ぎてかえってドン引きしました。相手役のマイケル・ウォードは、見た目もセリフ回しもイケメンで、これからが楽しみな新星ですね。
装飾的な感動、それが半端なかったです
非常に素晴らしいロケーションで、安定した見事なフィックス、そこに流れる雰囲気あるメロディーやセンスを感じる音楽セレクション、そこにオリビア・コールマン─、感動させてやろうという気合いみなぎる演出に多少たじろいでしまいましたが、エンドのクレジットなど徹底したデザインセンスでもって心に沁みてきたような気がします。
社会的意図をもったような内容なのですが、個人的にはそれは興味をそそる題材と思えるわけで、少し変わった愛の数々などもあくまで面白みを加えるスパイスかと─。とにかく暗闇の中で極上な雰囲気をじっくりと味わうような、そんな映画だったという印象です。
シンプルに、映画と映画館を愛する作品だったら…
ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。
予告編を見て「映画館での映画だから…」と公開初日に観に行ったら、エピソード詰め込み過ぎのサム・メンデス監督作品だった。
映し出される様々なシーンは、撮影監督ロジャー・ディーキンスだから、確かに美しいのだけれども…。
「暗闇の中に光を見いだす」なるテロップで始まり、イギリスのどこか海沿いにある映画館=エンパイア劇場では『ブルース・ブラザース』&『オール・ザット・ジャズ』の二本立て。
こうした風景を見ると「おっ、80年代の名画座(早稲田松竹・八重洲スター座・文芸坐・パール座等)みたいだ。イイ感じかも…」と思う。
エンパイア劇場では、年配女性(オリヴィア・コールマン)が働いているが、映画館主(コリン・ファース)と束の間の熟年恋愛。
そんな所に、若い黒人男性(マイケル・ウォード)が雇用されて着任。
オリヴィア・コールマンは精神科に通っているが、マイケル・ウォードと出会ったことで明るくなっていく感じ。
2人が花火を見るシーンは名場面。
この後も物語は続くが、割愛(笑)
映画館と映画を愛する気持ちを描いているあたりは、ルビッチ・ヒッチコック・マーロンブランド・キャサリンヘブバーン等々の写真が飾られていたり、様々な映画フッテージが使われたりと、それなりに伝わって来る。特に『チャンス』(ピーター・セラーズ主演)の名ラストシーンなど見せられると感動再びの感はある。
ただ、そこに、オリヴィア・コールマンの狂ったような演技で精神分裂(字幕は統合失調症)の姿、熟年恋愛風景、歳の差恋愛、黒人差別問題、就労問題デモから発した差別暴力などを絡ませたのは盛り過ぎ。
そうしたダーク面が盛り込まれた本作でも、田舎を走るロンドン二階建てバスは新鮮であるし、『炎のランナー』プレミア上映で年配女が「ヤルか、ヤラざるか、それが問題だ」というハムレット的な発言は笑えたりする。
まぁ、映画と映画館を愛する物語を普通に描いてくれれば、それなりに楽しい気分になれたかも知れないが、暗いエピソードたっぷりなので気分高揚する感じではなかったのが残念。
<映倫No.49437>
2トーン
洋楽ファンや英国カルチャー好きなら、特に嬉しい映画で、
スージー・スーやメテオスの取り巻きみたいな、パンクな女の子が出てきたり、
スペシャルズやセレクターの、2トーンバンドの名前が出てきたり曲がかかったり、
スキンヘッズやモッズも出てきます。
2トーンって、スカとパンクを融合させて、白人と黒人のメンバーで構成されてるんですが、
この“2トーン”って言葉が、この映画を表してるかと…けっこう。
すごく映像が綺麗で、オシャレで映画愛に満ちた映画です。
最後まで観て、何を描きたかったのか考察いるかな?
4に近い、厳しめ3.5。
75~80点ぐらい。
オシャレさんは、特にオススメです。
文句なし!困難な時こそ映画館、映画、仲間、音楽が忘れさせてくれるメッセージが伝わる作品
この作品の監督サム・メンデスは何故か作品を観る機会がある。記憶は曖昧だが、アメリカンビューテイー、前観た1917命を懸けた人生、そして本作。今回の作品は彼のこの作品への思いが伝わり、メッセージ性が物凄く伝わった。シーンはネタバレになるので省くが、80年代初頭のイギリスでも現在と同じ社会の激しい分断、激動があった。その中でも当時のポップカルチャー・仲間がいつもそばにいる。現在にもあてはまることが本作品でも肌で感じた。ストーリーでも紆余曲折がありながらも最後は後味がいい終わり方も素晴らしい。この作品を観てどこか自分へのエールだなと感じる。切り口はもちろん幅広い。オリヴィア・コールマンの演技も文句なしだし、映像・撮影も文句なし。今年度のベスト作品候補にあげたい。また、人生・生き方も考えさせてくれた映画でもある。惜しむらくは公開日をイニシェリン島の精霊と入れ替えても良かったけど文句なし素晴らしい作品です。サム・メンデスの過去の作品を忘れて観たほうがいいかもしれない。
映画と人生の賛歌
名匠サム・メンデスによる映画と人生の賛歌。
映画館という「光の帝国」にいれば僕らは皆分かり合えるのに、何故こんなにたくさん線を引いて憎み合ってしまったのか… しかし『諦めるな』、我ら「光の帝国」の臣民ならばきっと『フレッシュ・ニュー・スタート』が切れるはず。そういうサム・メンデスのメッセージが聞こえてくる。
81年を舞台に、「さらば青春の光」でも描かれたモッズとロッカーズの衝突など様々な社会状況や文化を背景にして、あくまでも登場人物個人のものとして紡がれる物語が愛と慈しみに溢れていて涙を抑えられない…
冒頭から光を象徴的に扱う画面のひとつひとつすべてがバシッと決まってて、さすが名匠!ってなるし、散りばめられる映画や音楽の断片たちにも痺れる。
オリビア・コールマンの演技も新星マイケル・ウォードの存在感も素晴らしいが、個人的にはトビー・ジョーンズ(キャプテン・アメリカでAIになっちゃったナチの科学者の人)の抑制の効いた芝居に引き込まれた…
しかしここのところワンハリやらバビロン、エンドロールのつづき、このあともスピルバーグのフェイブルマンズなど監督の映画愛を炸裂させる映画が続くけど、本作は相当にお勧めです!
心地好かった
27本目。
ジワジワと、心地好くなって来たと思ったら、それがブッ壊される。
流石、オリヴィア・コールマン。
でもここから、どう展開していくのか?
違う方向に行ってしまうのかと思ったけど、一回壊しといて、またといった感じで、悲しくなりつつも、心地好く観終える作品。
オリヴィア・コールマンの熱演
脂の乗りまくったオリヴィア・コールマンのサム・メンデスとのコラボレーションは、ここ数年の素晴らしい彼女のフィルモグラフィーの中でもトップクラスの熱演で圧倒されました。スクリーンをみつめ映画に感動しているヒラリーのなんともいえない素敵な表情!珍しく?嫌な奴なコリン・ファースも面白い。
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