「名画座が似合う作品」エンパイア・オブ・ライト ねもちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
名画座が似合う作品
「お願いっ!壊さないで!」スキンヘッドの集団が映画館を覗き不悪な笑みを浮かべた瞬間
声をあげそうになった
映画館を取り上げた作品は多々ありますが
「個人的な思いが詰まった作品」と語るサム.メンディス監督が彩や明の表現多きジャンルに移民や人種…失業による貧困と、社会問題…
あえて陰や暗の描写に監督の時代背景への想いの濃さを感じました
80年代初頭の静かな海辺の街にある人気の映画館エンパイアに
黒人青年スティーブンが仲間入りをする
そこには支配人のセクハラに耐えながら心を病んだ過去を持つヒラリーと数人のスタッフ達が働いていた
心の病いを理解しヒラリーに優しく接し黒人のスティーブンにも差別なく対応し家族の様な絆をも感じるスタッフ達(支配人は別)こそ時代の先駆者だろう
しかし現代においてもいまだに心の病いを理解せず差別は無くならないのが残念でならない
お互い過酷な現実に道を阻まれて来たスティーブンとヒラリー…2人それぞれが
人とは違う際立つ何かを掴んだ時
彼は更に成長し彼女は安らぎと和らぎを得る事が出来るはずだろう
ヒラリーを演じたオリビア・コールマン!
磨きかかった演技は名優の勲章を更に一つ増やした程!
対する新鋭マイケル・ウォードの芯のある力強くも繊細な演技!
コリン・ファースにトビー・ジョーンズ
脇を固める役者陣も贅沢過ぎる!
奇跡と感動の物語に心満たされた後
スクリーンに一例し席を立ちました
✳︎80年代にスクリーンを飾った名画達に触発され帰宅後、エンパイアの階段横に貼ってあった「プライベート・ベンジャミン」楽しみました
コメントする