「タイトルなし」エンパイア・オブ・ライト えみりさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
素晴らしかった。メンデスのアメリカンビューティーが好きだったし、ロストドーターのコールマンが素晴らしいと思っていた。
実際、コールマンは素晴らしかった。知的で自分を大事にする勇気ある女性を描きつつも、精神不安定と情緒の激しさも演じられる。中年の女性が若い男の子に恋する切なさも、見てて切ない。ロストドーターも、片思いのような気持ちが叶わなくなる話だった。
映画に想いを寄せたメンデスのストーリーは素晴らしく、映写技師を演じたトビー・ジョーンズが素晴らしかった。逃げちゃ駄目だ、自分は息子とあってない、逃げたからとぽつんと話すセリフは素晴らしい。
若さが持つ力が彼女を変え、彼女に支えられて彼は勇気をもつ。
大学進学を前の日にしか言えなかった下りは、ちょっと難しさを感じるけど。
廃墟からの眺めが素晴らしいというのも素敵。
メンデスのお母さんが精神疾患を抱えていたから、レボリューショナリー・ロードにしても、日常とそこの裂け目をあんなに繋いで描けるんだと思う。画面からこぼれ落ちるそのリアリティ。
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