オスカー・ピーターソンのレビュー・感想・評価
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もう少しピアノの音色ををタップリと
頭を空っぽにしてノリノリになりたい時は彼の『We get requests』を聴く僕にとっては待ってました~のドキュメンタリーです。多くのJazz musician の声と共に彼の半生を辿るのですが、人間性を掘り下げるのか、彼の演奏に耳を澄ますのかが中途半端になったのが残念。僕自身は、彼への賛辞は控えめにして、ピアノの音色ををタップリ聞きたかったな。
ノーマン・グランツがいたから、彼は偉大なJAZZMANになった。
どちらもこの世にはいないが、
我が亡父と我が従兄弟がニューヨークで彼を聴いたらしい。羨ましいね。
彼には弟子がたくさんいるらしいが、ミッシェルペトルチアーニって似てんじゃないかなぁ。
偉大なJAZZMANだろうが、まだまだ、沢山いるからね。
ノーマン・グランツ最後の隠し玉って言われていたと記憶する。
『Oscar Peterson: Black + White』と言う原題にその秘密が隠されている。
見応えがあったドキュメント
見ごたえがあった。
ジャズ好きならたまらない作品内容。
ビリー・ジョエルなどジャズ好きやジャズ歌手・専門家が
なぜ、オスカー・ピーターソンをこれだけ愛するのかわかる気がした。
オスカーの生涯を彼を尊敬している仲間や若手ジャズ・ピアニストが
彼のヒット曲を演奏しながらスクリーンで振り返るのもまたいい。
ジャズファンならおすすめの作品です。
アメリカの黒人jazzミュージシャンとは違うな
どういう風にミュージシャンとして生まれ育ち、どれだけカナダから称賛を受けたかを追ったドキュメンタリー。なんとなく感じていたアメリカの黒人ミュージシャンとの違いがよく分かった。
もう少し彼の演奏が聴きたかったけど、この手のドキュメンタリーはこういうもんだよね。
オスカー・ピーターソンはカナダの誇り
カナダ出身のジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソンを育て、支援し、その音楽を愛している人たちによって作られたドキュメンタリー。
彼は、英語を話すモントリオールの黒人労働者街の出身。西インド諸島から来た父親が、兄弟姉妹の上の方から音楽を教えた。彼は、よほど才能に恵まれていたのだろう。すぐに人前でピアノを弾くようになる。驚いたのは、基本的にクラシック音楽を習っていたこと。本当に好きなのはジャズだったようだが。弾き方が早いので気づかなかったけれど、彼の技術はクラシックの練習曲と音階練習の賜物だったのだ。映画の中で、モントリオールの音楽学校(コンセルヴァトワール)に通っていたと告げていた。ジャズを教えてくれないので、すぐやめたとも。
映画の中で、彼の最初の挨拶はフランス語。モントリオールはケベック州(フランス語圏)だから、会話位できないと困ったのだろう。カナダ行きの飛行機には、中国系の人と中南米の人がたくさん乗っていることが多い。中国系の人は、トロントとかに大きな中国人社会があるようだ。一方、中南米の人たちは、カナダを経由して、ふるさとに向かっているように見える。おそらく経由地として、米国よりもカナダの方が出入国管理など、優しいのではないか。
彼は才能を持った黒人として、まずカナダで認められ、暖かく育てられたに違いない。そのことが、のちの米国南部での黒人差別と鋭い対比をなしている。証言に出てきたように、周りの関係者たち、特にノーマン・グランツなどによる暖かい保護・励ましがあって、チャンスをもらうことができたようだ。オスカー・ピーターソンの名前は、特に彼の名前を持つトリオの演奏や、エラフィッツジェラルドや著名な音楽家との共演でよく知られている。
もう一つ、驚いたことは日本へのツアーが出てきて、彼も最愛の奥さんケリーも心から楽しみにしていたことだ。特に1964年来日の時のライブが名盤として伝えられている。その時、彼のトリオは、unique classical jazz group(クラシック・ジャズ・バンド)として紹介され、最後にあの「自由への讃歌」が流れた。アメリカではジャズは、50年代、60年代初頭を過ぎてから、衰退の一途を辿ったから、ヨーロッパや日本での演奏をきっと楽しみにしていたのでは。今でもクラシック音楽ではそうだが、日本人が熱心に音楽を聴く姿は、演奏家の胸を打つ。カラヤンやベームがそうだったように。そう言えば、この映画では、クラシックとジャズもこなすアンドレ・プレヴィンや、ラグタイムを演奏するイツァーク・パールマンの姿も見えた。
ツアーでの演奏こそを一番大事にしたオスカー・ピーターソンが、出身地のカナダで、硬貨になったり、彼の名前を借りた学校があったり、いかに誇りにされていたのか伝わってくる映画だった。
偉大なピアニストであったのは同意も、何故カナダから彼の様な天才的ピアニストが誕生したのか?それは明らかにされておらず残念。
バリー・アブリッチ 監督による2020年製作(81分)のカナダ映画。原題:Oscar Peterson: Black + White。
オスカー・ピーターソンのジャズピアノ演奏は、ソロを除いて、大好きだと思っていたのだが、この映画の演奏は今一つに感じてしまった。好きなのはスタンダード曲の演奏で、この映画で多く取り上げられていた彼作曲の曲は結局あまり好きではなかったのかなとも、思った。
とは言え、彼の人生そのものは興味深かった。てっきり、米国生まれと思っていたのだが、カナダ生まれとは知らなかった。彼があの壮絶なテクニックをどう身につけたに大いなる興味があったのだが、そこは明かされていなくて残念。
日本を含めて世界を股にかけての演奏旅行のスケジュールのタイトさハードさには驚かされた。それに関連してか、結婚には2度失敗していたらしいが、3度目の妻(白人女性)が彼を心から愛している様で、少しグッと来た。娘さんが彼そっくりの体つきでビックリもした。
監督バリー・アブリッチ、製作マーク・セルビー 、ランディ・レノックス 、バリー・アブリッチ、撮影ケン・ヌ、編集ニコラス・クレイマン。
出演
ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、ブランフォード・マーサリス、デイブ・ヤング。
前ノリのジャズだった。
ジャズらしき音楽を聴いたのは16歳の夏だった。そしてそれはオスカー・ピーターソンのピアノだった。不思議な感覚だった。身体の中に3匹の子豚がタキシードを着て軽やかに身体を揺らし、僕を誘った。踊ったことなど今まで一度もなかった。なのに、彼らよりも上手くステップが踏めて頭が空っぽになった。そして、レコードを買った。
あらから何十年経ったのだろう。暫く忘れていた。彼のピアノのことは…。
過ぎ去ってしまった愚にもつかない事ばかりを思い巡らし悔やみ続ける日々が終わった。そんな気持ちが湧き上がるのを感じる。この映画を観ていて…。
失敗を繰り返しては悔やみ。傷つきながら傷付けながらピアノを弾きつづけろ。そんな彼の声が聞こえる。
才能なんていらない。ありのままを指に任せて盤上を走り抜ければいい。
唯一無二の旋律。
ジャズジャイアントにしてエンターテイナー、オスカーピーターソン。彼のキャリアを振り返り関係者のコメントも交えて人間性を掘り下げつつ、トリビュート的にアーティストが彼の曲をパフォーマンスを披露する内容。
パワフルでいて繊細。スイング感あふれるキャッチーな旋律。スピード感と粒ダチの良いサウンド。一度聞くと印象が強く刻み込まれる唯一無二な存在。
ただ、多くのジャズマンは時代の変化に合わせて臨機応変にスタイルをアレンジしている中、メンバーや楽器に変化はあれど、いつ何を聴いてもスタイルが一定しているのは、好き嫌いが別れるが、常に一定数以上のニーズがあったピアニストであったことも事実。
ジャズを聴き初めの時に出会ったオスカーのThe Trio。当時聴きたかったジャズがまさにこれだったことを思い出す。
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