少女は卒業しないのレビュー・感想・評価
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期待と不安が混じり合う
卒業式を目前に控えた少女たちの想いを綴った青春ドラマ。立場の異なる少女たちの心の葛藤を上手く描いている。
誰もが経験してきた卒業と別れ、そして期待と不安が混じり合う青春時代を思い出しながら少女たちの想いに共感しました。
2023-62
大人向け青春映画
2回観て良かったと、心から思った作品でした。
卒業後に廃校予定の高校に通う、4人の高校3年生の女生徒の、卒業までの2日間の高校生活に焦点を当てて描いた作品です。
4人の女生徒の仲良しグループの交流では無く、女生徒の個人個人の高校生活の人間模様や高校生活に対する想いが、スクリーン通じて伝わってきました。
実は、私は、この映画を最初に観たとき、ストーリーの展開が良く分かりませんでしたが、強い印象が残ったので、日をおいて、再度、観ました。
この映画の女生徒のように、「卒業なんか無ければ、ずっと楽しいままで居られる。」と思っている高校生は、多いかもしれません。
正方形の小型のパンフレットには、スナップ写真、登場人物の相関関係、主演女優や監督、そして原作者の作品に対する想い、出演者から自分が演じたキャラクターへの寄せ書き、「山城まなみ」が読んだ答辞など盛り沢山の内容で、パンフレットというよりも、この作品のアルバムのような印象です。
2回観て良かったと、心から思った作品でした。
原作の小説も購入したので、じっくり読もうと思います。
高校生のみずみずしい青春
2023年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
Filmarksでの評価も良くて、前からなんとなく気にはなっていたんですが、明日は仕事も休みで、たまたま時間もあったので観てきました。どうやら、今日が上映最終日だったみたい(笑)
こういった高校を舞台とした青春ものは、多くの方にとっては"あるある"なんでしょうけど、暗い青春時代を過ごし、社会に出てからもあまりパッとしなかった僕には共感出来る部分は、正直少ないです。
しかし、それでも、この作品はかなり胸キュンな物語でした。セリフではなく、一つ一つのカットや"光"で、その心理を描写しているシーンは、ハッとさせられました。
河合優実演じる少女が、いるはずの"彼"に弁当箱をテーブルに置くシーンは涙でした。胸が痛くなりましたね…。
あの頃、その小さな胸にいったいどれほどの思いを私たちは抱えていたのでしょう…。
なんともほろ苦い映画でした。
ひなびた地方都市の風景が良い
少女「は」卒業しない。
取り壊しが決まっている校舎。卒業式を翌日に控えた地方のとある高校最後の2日間。交わることのない4人の“少女”。それぞれの3年間。それぞれの恋。それぞれの卒業。甘酸っぱく切ない青春群像劇。
4人の少女の恋と別れをオムニバスのように描く構成でコロコロと主人公が変わりますがちゃんとついていけました。普通こういうのってこのエピソードいまいちやな、とかあるんですけどこれは本当に4つ全てが儚さもあって淡くて心地良かった。
キャスティングも完璧で、みんなものすごく自然体。まるでリアルな友達同士の会話を盗み聞きしているようでした。地方に残る組と都会に出る組の微妙な温度差。細かな表情。柔らかな光。桜の色と花火。返せなかった本。盗まれた音源。まなみのお弁当。笑って泣けた。
河合優実は良作への出演が続いてますね。初めましての役者さんも多かったんですけど、窪塚愛流はお父さんに話し方がそっくりでした。今後も注目していきたいです。
真っ当な無常感と圧倒的な普遍性があった
多くの人が通る道
さまざまな卒業
高校生、いいね!
タイトルが謎ですね
原作は「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウ、原作未読で観ました。
なかなか面白いです。田舎の高校の卒業式前日と当日の2日間を4人の少女の視点で描く青春もの。ジョージ・ルーカスの「アメリカン・グラフィティ」とか、もう少し日数はあるが「スタンド・バイ・ミー」のような作りなので、キュンキュンする青春もの。
原作は分かりませんが、映画では思いっきり恋愛に振り切って描いているので、前半は「ムッキー」となりましたが、最後は、、、やっぱ「爆ぜろ!リア充」ですわ。でもこういう甘酸っぱい話は大好物です。
役者は「サマーフィルムにのって」のビート板:河合優実が一番の看板でしょうか、PLAN75にも出ていましたね。先生に恋している作田さん役の中井友望って女優さんが、気になりました。Wikiでみると、ミスiD出身ですか〜、ことごとく私はミスiD好きなんだな〜。やっぱ、サブカル臭がするんですよね〜。
さて疑問はタイトルです。原作は知りませんが、映画では4人の少女とも、ちゃんと彼氏とはお別れして卒業しています。でも、何故タイトルは「少女は卒業しない」なのでしょうか?私なりの答えとして、先生に片想いだった作田は卒業しなかったのでは?と。
彼女だけ借りっぱなしの本を交換するところで、ラストは振り返って終わっています。他の3人はちゃんと前を向いて終わっているのに、先生から古い本を渡されて振り返って終わる。だから、タイトルは少女「たち」ではなく、単数で少女「は」なのかな〜。作田と先生って、コレって、コレって、、、、とイケナイ妄想をしてしまったのは、先週末に高校教師を見返しいたから、なのかな。
原作読んで答え合わせをしてみます。
世界のすべてからの卒業
朝井リョウは洞察力に優れた作家だと常々思う。どれだけ平凡に見える日常も、誰かにとっては特別なものであると気づかせてくれる。
彼の作品では大きな事件は起こらないが、それぞれの人間の人生の欠片が集まった時に、そこには感動的な物語が生まれる。
この作品は卒業式を翌日に控えた高校生たちの群像劇である。
設定としてはありふれたものだが、実は今の三年生が卒業した後に、学校は廃校になることが決まっている。
生活の、もしくは世界のすべてだった学校が、たとえもう二度と顔を出すことがないとしても、卒業した後に失くなってしまうというのは、多感な時期である十代の少年少女にとってはセンセーショナルな出来事である。
そしてこの設定が入ることで、これはより儚さを感じさせるエモーショナルな作品になったのではないかと思う。
派手な演出はなく、淡々とカメラは卒業を控えた少年少女たちの姿を追っていく。
心理学を学ぶために東京の大学への進学が決まっている後藤は、地元で学校の先生を目指す恋人の寺田と気まずい関係になってしまい、卒業前に何とか笑顔で別れたいと願っている。
高校三年間で友達の出来なかった作田は、卒業間近の教室の雰囲気に馴染めず、穏やかな物腰の教師坂口がいる図書室を訪ねる。
軽音楽部の部長神田は、卒業ライブを控えた自称刹那四世こと森崎に想いを寄せる。彼女は他の誰も知らない彼の秘密の姿を知っている。
そして卒業生代表で答辞を読むことになった調理師を目指すまなみ。
彼女はいつも同級生の駿のために手作りの弁当を用意していた。
この映画を観て、あの頃はとても眩しかったと懐かしむ者もいれば、高校生活ほど息苦しいものはなかったと思い出す者もいるだろう。
この作品はそのどちらにも共感出来る余地を持たせている。
卒業なんかしなければいいと思っていた者もいるだろうし、早く卒業したいとそればかりを願っていた者もいるだろう。
そしてそのどちらにも等しく卒業の時はやって来る。
三年間など長い人生の中ではあっという間だ。まだ自分が何者であるかも自信が持てないまま、学校を少年少女たちは卒業させられる。
場面のひとつひとつがとても愛おしく、それぞれの登場人物の想いに共感させられた。
大きな事件の起こらない作品だが、ひとつだけミステリーの要素があり、それもまた物語に厚みを加えていた。
観終わった後に、もう二度と戻らない10代の貴さを改めて考えさせられて切ない気持ちになった。
まなみ役の河合優実を筆頭に、皆が等身大の自分を演じているようで、とても好感の持てる空気感をまとった作品だった。
初長編・商業作品監督
気に入っている河合優実初主演ということで観にいったが、高校生が楽しくまた切なくてよかった(TBSの朝ニュースTIMEで6:50からやっている全国中高生ニュースが好きで楽しく見ており、これも楽しみにしていた)。原作を読んでいないこともあり、途中のあるシーン以降でびっくりして、そこから引込まれていった。エンディングもよい。初商業監督ということであったが、とても器用な洗練された演出であるように思った。
卒業を控えた4人の女子高生を描いた群像劇。 立場は違うが、それぞれ...
少女の思いがスクリーンを通じて伝わる作品
今年公開の邦画では初めての作品。卒業前2日間の物語は、この作品もそうだが、何年たっても思い出すもの。私もその一人。少女たちが彼氏、男性教師への思いが物凄く、伝わった。彼女たちの息遣いも感じとることができた。個人的には作田と坂口先生、山城と彼氏の佐藤のストーリーが良かった。また、卒業式後に廃校が決まっていてこの学校での最後の卒業式もまたいい。高校時代に自分が戻ったつもりで観るとまたこの作品への思いが伝わる。女性の方は高校時代を思い出して観るとまたいいと思います。二度と戻れないけど一瞬だけこの作品を観て戻ってみるのもアリです。
青春の日々
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