「この脚色はスゴイ」少女は卒業しない Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
この脚色はスゴイ
映画らしい映画なんだよね。色んなエピソードを順番に少しずつ観せてきて、じっくりと進むの。
だから前半は少し退屈なところもあるの。前の人が途中で席を立ったけど、気持ちは分かる。
卒業式当日になって話が動き始めてから面白いんだよね。
エピソードが収まっていくし、「時系列いじってたのか!」っていう驚きもある。
河合優実と小野莉奈はやっぱりいいね。
「一番、難しい役どころは、やっぱり河合優実か」と思いながら観てたの。
登場人物の中で、一番友達になりたかったのは刹那四世だったな。
言うことがいちいち面白いよね。なのでラストが《ダニー・ボーイ》で締まるの良かった。
『森崎が歌えば全部に勝てるから』っていう小宮山莉渚の台詞が良かった。勝ち負けじゃないんだけど、高校時分だと、なんか勝ち負けで考えるなあって。あと「私の好きな人はスゴイんだぞ」って、なんか、好きな人はスーパーマンっぽく見えるよね。
刹那四世もスゴイと思うよ。普通に歌えば、みんなからの注目を浴びるって分かってるのに、それをしない。それで、自分のやりたいことをトコトン追求してるって、なかなかできないね。
エピソードが細切れに入ってくる高校生の話で、原作が朝井リョウだから「《桐島、部活やめるってよ》みたいだな」と思ったの。
「朝井リョウは高校生描くのうまいな」と思って、原作どんなだか読んだのね。そしたら、かなり違って驚いた。
あの原作を、この脚本に仕上げた中川駿はすごいよ。こんな脚色なかなかできない。
トミーさん、コメントありがとうございます。
小説の方が登場人物が多くて違うエピソードもあったりしました。
同じ設定で描かれた違う物語と読めて面白かったです。