ファミリア(2022)のレビュー・感想・評価
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いろいろキツい
在留外国人労働者の使い捨て問題、地域とのトラブル、半グレ集団による暴力の闇、国際的な人質テロ事件…と、重たい材料がたくさんあるわりにどれも表面的な描き方で、映画の出来そのものがしんどくて観てるのがつらかった。ぐらぐら揺れる手持ちのカメラが何を映したいのかよくわかってないようにも思えて、まあ、ヘヴィな問題いろいろありますけど家族の絆でまるっとまとめちゃいましょう、みたいな雑な感じを受けた。
そんな気持ちで観ていたせいか、役所広司はうまいというより、いつもの役所広司を役所本人がなんとなくそのままやってるように見えたし(同、佐藤浩市)、ブラジル人役者のカタコト日本語セリフもキツい。子供ができた吉沢亮の喜び方とか、屋台のラーメン屋みたいな出入り自由なビニールの向こうで半グレがシャブ食ってるとか、MIYAVIが死んだ娘の保温ボトルでお茶飲んでるとか、多くの人が指摘している無用な屋上SEXの事後どっから毛布もってきたんだとか、ほんとどうなっているのか。ブラジル人女優の胸が見えるのは、眼福と同時に、裸を条件に出演が決まってそれこそ外国人労働者を搾取してんじゃないのか?と勝手に妄想して憤ったり…。
成島出監督作品は久しぶりだったけど、ご本人もいろいろ悩んでるのかな?ずいぶん前の八日目の蝉やソロモンの偽証はおもしろかったけど。本作、和製グラントリノという意見もあるが、そりゃ本家に失礼。イーストウッド監督の爪の垢を役所広司の焼いた茶碗で煎じて飲んでほしい。
最後に、佐藤浩市の白髪にしてあの額の狭さと毛量は地毛なのかどうかもかなり気になった。
短気、直情はダメよ
愛知県の田舎町の外れで陶器職人をする男と家族の話。
プラントエンジニアとしてアルジェリアに赴任中の息子が現地で射止めた悲しい過去を持つ妻と帰国してくる物語と、隣町で暮らす生い立ちにコンプレックスを抱える在日ブラジル人青年の物語をみせていく。
息子が幼い頃に妻を亡くしている主人公と息子夫婦の部分のドラマは、苦労人達の思いやりと素晴らしい人間性が満載で、もう文句なしでございます。
しかしながら、ブラジル人青年の方ですが…相手はハングレとはいえ、それまでトラブルがあった感じもない中で、金を持ち逃げし追われたヤツをそんな怒号が聞こえる中で体を張って逃がしたのが切っ掛けですよね?
その後の嘘は別として、そりゃあ当然やられますよね。
その根本に国籍の問題があるみたいこと言われても、落とし込み方が無理やりで、あー多様性ですかー…とこちらは何だか白々しさを感じてしまった。
その無理やり感と、ラストのあまりにもキレイで物足りなさを感じる流れはあったけれど、ドラマとしては非常に熱くキツく悲しかったし、色々と考えさせられる部分もあってとても面白かった。
お正月あけに観るには…
想像してたのと違う、家族の物語
貧困なる精神が支配する映画なのだ‼️❓
大きく二つ。
〇〇人に家族を殺されて、〇〇人に復讐したり、画策した日本人は古今東西存在しないし、多分、今後もいないと思います。
これだけでも重罪だと思います、こんなことを考えついて、さも、あるかのように映画にした時点で、遺族のことを蔑ろ、いわゆるセカンドレイプです。
もう一つ、出稼ぎで入国してる外国人のアウトロー率はかなり高いのは現実です、私も被害者ですし、その率が高いことを知りうる立場にあります。
外国人がアウトロー、ではなく、出稼ぎ入国外国人がアウトローです、差別ではなく、危機管理として警戒するべきです。
他にも、支離滅裂です、アフリカの営利誘拐が、テロになり、内乱になり、無茶苦茶です、外国のテロ被害者が司法解剖されることは無い。
とゆうか、アフリカと、ブラジルの出来事は無関係です。
この映画が何を意図していようと、最低最悪な映画であることに🎞間違いありません。
俳優に罪はありません。
これはハードボイルドだ!
予想をかなり上回る衝撃的な作品。 本年度ベスト級。
予告編では在日ブラジル人の苦悩を描いた作品と思いきや、その苦悩が超ヘビー級。
加えて海外でテロに巻き込まれるシーンもヘビー過ぎた。
妻に先立たれ陶芸職人として細々と暮らす役所広司さん演じる神谷がメイン。
神谷の息子。吉沢亮さん演じる学が国際結婚しようとする展開。
アルジェリアでプラントの建設工事に携わる中、婚約者と帰国して神谷に結婚する事を報告しアルジェリアに戻る展開。
一方、神谷の住む近くのブラジル人が多く住む集合住宅ではブラジル人と半グレ集団との争い(脅し)がハンパ無い。
あれは半グレなんてもんじゃない。
次々と登場人物が亡くなって行くストーリーに気分が落ち込む。
大人しい神谷がある事を切っ掛けに命を張った行動が意外過ぎた!
あそこまでする行動に至った理由こそ本作のタイトル「ファミリア」その物って感じ。
本作はあまり話題になって無いけど、豪華なキャスト陣に期待して鑑賞したけど観て正解だった感じ。
集合住宅の広場でのブラジル料理が美味しそうでした( ´∀`)
寡黙
家族愛は良いとして、そっからの行動の是非を問うと言う
家族愛は、神谷も榎本も同じ。更に言うと、マルコスモエリカも。
恨みにとらわれてしまった榎本は人の道を踏み外す。「ブラジル人」をひとくくりにして、決して晴れることの無い鬱憤をぶつける。
人種も生まれ育った国も関係なく家族として生きて行くことはできる、と言うテーマ性。安易に社会批判・政治批判に走ることなく、人間ドラマに徹しつつも、ノワールを軸に、見る人を引き込むストーリーを作る。悲劇の中に、希望を見出せる話の締め方。
ツッコミどころもある脚本ですが、木下グループらしい作品で、これは好き。
ちなみに「機械の部品」として人を扱うってのは、それが日本人だろうが外国人だろうが、変わりないんですけどねw
もっと言うと、機械の部品で終わるか。自立して、自分の足で立って生きて行けるのか。ってのは、その人次第だよ、って事で。
良かった。
結構。
以下、脱線。2013年1月に起きた、日揮のアルジェリアプラント人質事件をモチーフにしたストーリー。
映画の中では、学の身代金を外務省に届けるも、政府側は「テロへは毅然と対応するのが日本の基本政策」と言う旨から、これを受け付けない、と言う流れが描写されていましたが、これは過去に発生したIS等による人質事件の事例を混ぜこぜにしてシナリオ化していると思われ。
例のアルジェリア人質事件に関して言うと、1月16日に襲撃されたプラントには17人の日本人が取り残され、当時安部首相はアルジェリアのセラル首相に「人命最優先」の対応を直談判。なぜならば、日本は救出のための特殊部隊を現地に派遣する事が9条の制約から出来ない上に、犯行グループと思しきイスラム勢力との伝手も無いから。犯行グループはマリの国際テロ組織であり、マリへ軍事介入したフランスに領空使用を認めたアルジェリアに対する「報復」を宣言。背景は複雑だったんです。アルジェリア軍は事件発生の翌17日から空爆による強硬策に出ます。プラント周辺には、人質となった母国の特殊部隊が展開する中、21日にアルジェリア軍特殊部隊がプラントに突入しテロリスト部隊を制圧。日本人人質は、10名が犠牲になりました。
でですよ。この時も「9条の壁」が問題になった訳ですよ。
プラント突入は、公式には「アルジェリア軍特殊部隊」になってますが、7人の人質を取られた米国や、2人の人質を取られ3系統の特殊部隊を持つ英国が黙っている訳がなく。展開した特殊部隊は、自国の人質救出のため、同時に行動したものと推測されています。
更に言うと、この事件は日本政府に課題を突き付けました。その教訓は、2021年のアフガン撤退の際に、実は生かされていたのではないかと。結局あの時、日本人は家族も含めて全員脱出。散々の悶着と批判はありましたが、9条の制約のグレーゾーンと裏取引で上手く立ち回った模様。また、マスコミは一切報じていませんが、出国を希望した日本への協力者500名の現地スタッフのうち、10月末までに300名以上が日本政府の関与によって出国しており、うち20名ほどは日本へ定住予定と伝えられています。あの状況の中、どうやって出国できた?のかは不明。おそらくは、アフガンに影響力を持つイランへの強力要請があったものと推測しています。アメリカと対立するイランとは、比較的良好な関係を、当時は維持できていたためです。
ちょっと脱線しましたが、言いたかったことは、当時の安倍政権は、そんな冷たい態度は取ってねーよ、って事で。
重い映画…⭐︎
予告編を何度も見て、お正月明けに楽しみにしていた映画だったが、予告編から抱くイメージとは全く違った内容の作品だった。
陶芸を営む役所広司演じる神谷のとこに息子の学(吉沢亮)が結婚相手のアルジェリアで出会った女性を紹介するために
赴任先のアルジェリアから帰国するところから始まる。
この後が、予告編では思いもよらなかった暴力的なシーンや悲劇が待ち受ける。
愛知県が舞台とのことなので、おそらく豊田市の郊外のブラジル人達が期間工などで多く住んでいると思われる
団地で、妻と子供をブラジル人に殺された(実際は、飲酒運転の事故)MIYAVI演じる榎本海斗の凄まじい憎しみが
彼等に向かっていく。
あるきっかけで、彼等の仲間と関わることになった役所広司と彼等との物語、MIYAVI の物語、そして息子・吉沢亮が
アルジェリアでテロに巻き込まれて、妻と二人とも亡くなってしまうという悲劇。
鑑賞しているうちに、個人的には段々と重苦しい気持ちになって 悲しいとも違う複雑な感情が湧き上がってきた。
息子が亡くなった後、役所広司がMIYAVI 率いる半グレ集団に一矢報いる行動に出るが、それでも何故か救われない
ような気持ちになる。
文化も何もかも異なる人々と分かりあうのはいかに困難なことなのか…
突きつけられているように思う。
昔、ブラジル人の集団と公営のバスに乗り合わせた時に、バスの最後部で彼等が他の乗客がいるにも
かかわらずに大声で皆んなで歌を歌い、楽しそうに騒ぎ始めた姿を突然思い出した。
難しい…答えはわからない。
泣けるとは思ったけど
ワケドファジレが可愛いかった
一人暮らしの陶芸家・神谷誠治の家に、大企業のプラントエンジニアとしてアルジェリアに赴任中の息子・学が婚約者ナディアを連れて帰ってきた。学はアルジェリアでの仕事が一段落したら会社を辞め陶芸を継ぎたい言った。一方、近くの団地に住む在日ブラジル人のマルコスは、ブラジル人を憎む半グレ集団から暴行を受け、逃げていたところを誠治に助けられ、父を思い出し、頼るようになった。アルジェリアに戻った学とナディアはプラントがテロ組織に襲われ・・・という話。
2つの話が絡んでて、どっちか1つに・・・って思ってたが、最後はなるほど、って思うようなストーリーは良かった。
騙されて日本に来た外国人労働者は多いのだろうなぁ、と思う。そして、何か問題を起こしたら強制送還、という恐怖もマイスモールランド、を思い出し、なんとかならないものかと考えさせられた。
そして、誠治役の役所広司がとにかく素晴らしい。息子や嫁、そして頼ってくるブラジル人などへの愛情が伝わってくる。
また、MIYAVIの強烈な悪人ぶりも素晴らしかった。
マルコスの彼女・エリカ役のワケドファジレが目力があってエロくて可愛かった。
家族愛をテーマにした隠れた傑作
役所広司が主演であり、日本に不法滞在しているブラジル人をテーマにした話かと思っていた。
しばらくはそのつもりで観ていたが30分程でまったく違うテーマであることがわかった。
息子が紛争孤児である女性と結婚しナイジェリアでのプラント開発の仕事を辞めて陶工房を継ぎたいと話すも、それを拒否する役所広司演じる神谷誠治。
陶工房では満足な収入がなく、妻が働きすぎたことで病死したからだ。
誠治の住む地域にはブラジル人の不法滞在者が住む団地があり、男性は土木作業などの日雇い労働を、女性はキャバクラで働いている。
ここからブラジル人と誠治の交流が始まるかと思いきや、半グレがどんどんブラジル人たちを追い込んでいく。
半グレのリーダーである榎本の妻子がブラジル人の飲酒運転事故に巻き込まれ亡くなっていたという理由が明かされ、ここで役所広司に始まり吉沢亮や佐藤浩市、松重豊などのそうそうたる俳優陣がこの映画への出演を決めた理由を垣間見た気がした。
誰しもがそう行動した「理由」を持っているのだ。
誠治の息子である吉沢亮演じる学がナイジェリアでテロの人質に巻き込まれてしまった時はここまで風呂敷を広げていいのか?と勝手に心配したが、ここでの息子の死が重要なファクターとなった。
誠治やブラジル人少年のマルコスが現状を打破しようと必死にもがくが、現実は時に無情で残酷だった。それは榎本にとってもそうだったのだろう。
終盤にマルコスとその恋人エリカが半グレに追い詰められ生きるか死ぬかの瀬戸際にいることを知った誠治は身を張って半グレ集団のアジトに乗り込み、マルコスたちを救った。
息子や孫を失った誠治にとって、ある意味で自分自身をも救う行為だったのだろう。
今日も誰かが誰かのために行動している。
血縁関係に関わらず、絆や愛はそこに自然と生まれるものなのだと感じた。
おそらく大ヒットはしないだろうが、観た人の心を打つ隠れた傑作になる映画だった。
ひどい日本人達のお陰でウルウル。
あ、こりゃ予告編に騙されてたな。てっきり役所広司と吉沢亮の親子にブラジル人の男子が家族になる国境を越えたハートフルコメディだと思っていたのに、全然違ったわ。
在日ブラジル人のマルコスは、半グレに追い詰められていた。ん?シャブを捌くように言われてたのに、暴力団に横取りされる。その金返せって?それ、悪いのヤクザじゃね?いや、全員ダメだよ。暴力に追い詰められたマルコスは逃げようと誠治のトラックを盗もうとしてミスってトラックぶつける。そこで出会った誠治の優しさが凄い。クルマ壊されたのに、全く怒ってない。そんな人いる?それからマルコスの彼女を絡めてジワジワ仲良くなっていく3人。
驚いたのは息子の学、仕事先のアルジェリアで出会った女子と結婚し、ちょっと帰国。会社を辞めて家業を継ぎたいと告白するが、誠治に断られる。本人は納得してないだろうけど、仕事を終わらせる為にアルジェリアに戻り、事件に巻き込まれてしまう。まさかのウルッ!
全体的に嫌いな暴力にだらけなんだけど、その暴力に正義がないのがハッキリしてるので、それほどモヤモヤせず、ムカムカできた。それにしても笑いながら人殺すってひで〜よな、日本人って。
役所広司と吉沢亮の親子の関係、何だかあるあるで、とても共感できたのと、役所広司と刑事役の佐藤浩一の幼馴染みトーク、とても良かった。最後はこれで?って感じでしたが、とても楽しめました。
問いたい。
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