「「車が走る音が好き」」サポート・ザ・ガールズ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
「車が走る音が好き」
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シスターフッドもの作品であり、そして何より現場責任者のお仕事作品ともいえるプロットである
そして今作のキモは、誰かを"正義"として崇め立てるカタルシスは一切無く、主人公も含めてその全てが"脛に疵持つ"一筋縄では行かない登場人物のオンパレードである 要は転んでもただでは起きない強かさをキッチリ描くという点に於いて、勿論感情移入は出来ないが、但しその不貞不貞しさをカラッとしたアメリカのハイウェイ近郊の気候と重ねた様な粗っぽい画質と共にスクリーンに映し出す造りである
なので、ストーリーエンドの構成には賛否両論があるのは致し方ないが、しかし今作はその現実を淡々と描く事にフォーカスされているであろうことなので、ハッピーエンドには終わらせないビターな印象に、観客へのメッセージ性を突きつけてくる 曰わく「こんな出口の見えないハイウェイのような入組んだ複雑さを作り出した人類はそれいいの?」と・・・ その全てが合理性を突き詰めれば、どんどん人間は排除され、そして残ったのはロボットだけ ハートシールを剥がしまくるのは感情を消し去るメタファー 或る意味、ディストピア作品としても読み解けるかもしれない内容である
そんな中、唯一自分が寄り添える人間が、主人公の夫 あの男の気持が痛いほど理解出来るのは自分以外にいない筈だ エンドロール後の、あの声だけの台詞は、あの夫なのだろうか・・・ 何方かご存じの方教えて下さい
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