「現代の部活のスタイルに感動」劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 ヤナコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5現代の部活のスタイルに感動

2024年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

 烏野高校と音駒高校の試合を展開するのは、もうわかりきった大筋。
原作漫画を見ていたらどちらが勝つのか判っているのだけど、私は原作未読テレビのシリーズ放送を見ているだけなので、その点はワクワク度がありました。

 試合の合間合間に過去のエピソードが挟まれていて、そのタイミングとバランスが巧いなと思いました。

 昭和生まれのおっさんなので部活ものは「根性」「嫌な敵役」などがもう当たり前のようにすり込まれているのですが、この作品を見ていて特に感じたのが「音駒に限らず、全体的に「憎らしい、感じの悪い敵役がいなくて、むしろ、練習や合宿などで仲良くなりながらも、試合ではお互い真剣勝負」なのが実に爽やかだなぁ」と。
 二番目に感じたのは「強制的に、嫌嫌練習や試合をしているキャラがいない(描いていない)」
 特に本作の主人公と行って差し支えない研磨が特異な存在で、嫌嫌にみえるけど、体を動かすのは嫌だとは言いつつも、幼馴染みの黒尾をはじめチームメンバーとの関係から部活動は参加していて、尚且つ「熱血」でもなくて、「勝つための分析と作戦を立てることが楽しくて、それ以外のことは考えない(三年生最後の試合等)」キャラが、素直に感情移入出来るという不思議な感覚になりました。

 勝つことが目標ではなくて、先ずは「楽しむ」そのうえで一試合一試合を真剣に楽しみながらプレーをする。時には負けることがあっても、「足りなかったものは何か?」をしっかり考えて、対策する・・・・そして、行きすぎた上下関係やいじめなどもない。今の中学~大学生の運動部の理想が描かれていて、こんな作品を見て、部活を始めて、周りも同じイメージが共有出来ていたら、楽しいだろうなぁと感じますね。

 恐らくはテレビ放送か動画配信サービスで見られるようになるのでしょうけど、映画館で見に言って迫力ある大画面とサウンドで良かったです。
 原作もテレビシリーズも見ていない人でも、楽しめると思います。

 もう、小細工無しの王道スポーツアニメですね。最後に映画の終盤、研磨の目線でプレイ中のボールを追いかける演出というかカメラワークが素晴しかったです。 最後少し泣きました。

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ヤナコ