「タイトルなし」FALL フォール ソルトンさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
ワンアイデア、ワンシチュエーション物の作品で最初から最後まで目を離せない作品だった。トラブルや解決策が取ってつけたように突然現れる物にせず丁寧に前フリされていたりするのも好印象。
高さ600メートルもあるテレビ塔の天辺という舞台は思っていた以上に恐ろしく、下なんか見なくたって体はすくみ、ずっと体の何かがヒュンヒュンしていた。また開放感のある舞台なのに狭い足場からくる閉塞感が凄まじく、気がつけば口半開きで固まっている自分がいて少し嫌だった。
最初は夫を失ったベッキーを無理矢理テレビ塔に誘ったり梯子を揺らして楽しむハンターが少し苦手だったが頼もしい面もあって本当に2人の生還を望んで観ていた。その為、ハンターの死は評価を★5にしなかったくらいショックが強かった。思い返せばベッキーを鼓舞する為に歌っていたチェリーパイがベッキーの着信音だったり、ベッキーのマニアックなプロレス話にもついていけていたりと、ハンターがベッキーの作り出した幻であるというヒントは落下する鞄をキャッチしなかった事以外にも有っのかなと思った。
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