「雄々しく戦いなさい」劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
雄々しく戦いなさい
深夜アニメとしての登場からもう10年 時代は"光陰矢の如し"といったもので、そのスピードには唯々溜息ばかりである
今作の内容も、確かにいきなり3部の変わり様に追いついていけないミッシングリンクを埋め合わせる内容とは言え、それでも考察サイトをググらなくては追いつけない脳の鈍化に、唯々己の回転数の遅さに甚だ自己嫌悪ばかりが心を支配する次第である
勿論、今作だけを観賞しただけだと考察が薄くなるので、シリーズ物だから全部観てからがより解釈が拡がるのではないだろうか・・・と、当たり前のことをわざわざ書いてみる(苦笑
それを前提(今シリーズ総覧)に、感想を述べれば、今作のミッシングリンクは、ほぼ完璧に近い重要なピースを作劇した内容であり、戦闘アクションのタメも外連味がしっかり塗されていて充分エンタメとしての仕上がりになっていた
押井版攻殻を意識したのか、日本の問題を想起させる地域を舞台にしながら、その地に縁のある文学を謎解きヒントに織込ませながらのストーリーは、パターン化とはいえ、この手が好物な自分とすれば大変満足である
『犯罪計数』以外に、『紛争計数』という新しい概念をテーマに添えたテレビ版の補完をしっかり溶け込ませ、群集心理に因る人間の精神を表現する際、宗教に於ける脳の働きを織り交ぜながら一気に二つを解きほぐす構成には舌を巻く 複雑に絡み合いながらそれぞれを具体例として影響させ合い、そしてそこにストーリーのエンジンを担わせる手法は、シリーズとしての長期化としての理想なのではないだろうか キチンとそれを実現に近い形で提示させている今作に敬意を表したい
後は、シリーズで通底している『免罪体質』へのアプローチや、テレビ版での『ビフロフト』の解釈等、まだまだ匂わせ要素を残しつつ、一切幼い恋愛要素を抜きにしたハードボイルド感を醸した儘、しかし信用や信頼を積み上げる人間の正の部分を縦軸として演出させているシリーズに今後も期待したい 勿論、こんな大上段に構えた自分の糞レビューなど無視してだが(笑 色相濁りまくって、もはや300overの自分には、"アベシ"がお似合いだw
いぱねま様
レビューにコメントを頂いていたKと申します。
方法は間違っているとは思いますが、他に方法が浮かばず、貴殿の板にコメントする方法が一番声を届け易いと考え、強行策を取らせて頂きました。
まず、コメントありがとうございます。
あんな風に映画に博識のある方に言ってもらえて、なんか、嬉しかったです。
バレてしまいましたかw
PSYCHO-PASSのみならず、映像作品…特に日本のアニメーションに対する愛は、偏りもありますし、質量も熱量も他者様と比べると低いのかもしれませんが、あります!!
ストーリーよりも映像作品として、エンターテイメントとして観てしまう傾向は強いですが。
実はあのレビューを書くに至った経緯がありまして…
作るってのは、大変な事もわかります。
コロナ禍で取り纏めも難しかっただろうし、それでもバジェットの関係でデッドラインは迫ってくるしで。
アニメーションも産業になり、「作品」も「商品」になってしまっている昨今。
PSYCHO-PASSという商品価値を利用して、いかに儲けるか。そんな別の禍にも翻弄されていたんじゃないかな…などと思いを巡らせて、酷評とか書かないんです。実はレビュー自体、初めて書きました。
しかし、入場前にもらったブックレットとレビューの星の多さが、僕のトリガーを引かせてしまいまして…
対談もなんか言い訳にしか聞こえないし、10周年おめでとうイラスト…なんだこの文化祭感は…
「いやいや、あんたらプロだろ!!」
と思ってしまったんです。
その結果、
「ちゃんと観てるからね‼猫も杓子も星で評価する世界なんだから、所詮は平均値を弾き出すだけの星評価で満足しないでよ。」
「対世界戦のできるアニメーションの1つなんだし、雑なのはダメでしょ。」
「拝啓、制作より上の方々へ。大事な事なのはわかるけど、利益ばっかり考えず、商品ではなく作品として見てあげて下さい。コロナだったんだし、ちょっと延期とかでもよかったんじゃないですか。”映画大好きポンポさん”観てみたらいかがですか?」
そんなメッセージを込めた届かない手紙として書きました(笑)
「まぁええか、言ってもしゃあないし」
それでもよかった。それでも口火を切った…
それはある種、裏切られたとさえ感じたから…「愛ゆえに」
そんな感じで御座います(笑)