劇場公開日 2022年11月18日

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「大したことないが意外と奥深い」サイレント・ナイト kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大したことないが意外と奥深い

2022年11月29日
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鑑賞方法:映画館

人類が滅亡してしまう夜を過ごす映画と言えば今年観た「ドント・ルック・アップ」を思い浮かべてしまう。基本的に地球や人類が滅びそうなとき、必死に生き残ろうとする姿を描く映画が多いので、本作みたいな映画はとても貴重。
とはいえ、全人類が死んでしまう毒ガスって?どこから発生したの?住んでる場所に来る時刻とかどうやってわかるの?苦しまずに死ぬピルはどうやって開発したの?とか、いろいろと考えてしまうことはあるが、そのあたりは一切説明はない。もう潔いくらい。そして、主人公たち以外が死ぬ場面をほぼ見せないのも不思議な感じ。本当に毒ガスが来るのだろうか?って思ってしまう。
家族が苦しむ姿は見たくない、苦しませたくないって思いから安楽死するピルを全員で飲もうとするのだが、そこに反抗する者も出てくるという流れはいい。観ている側としては状況説明がほぼない状態だから息子の主張も一理ある(というかそうなんじゃないか?とさえ思える)。そこがポイントなんだな。どのように最後を迎えるのかってことか。
そして自分が思うような死に方ってできないのかもしれないってことも考えさせられた。家族も一緒にとなると尚更だ。そのバタバタした感じも興味深い。
そんなことを総合的に考えると、最後の時を誰とどのように過ごすか?ではなく、周りの人の言うことを鵜呑みにしていいのか?がテーマな感じがしてしまう。そこまで面白い映画ではないけど、意外と奥深いぞ。

kenshuchu