劇場公開日 2022年11月18日 PROMOTION

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サイレント・ナイト : 特集

2022年11月7日更新

【おすすめ良作】幸せなX'masパーティー…だけど
何かおかしい 理由は翌日に“人類滅亡”するから――!
展開が読めない&シリアスに笑える衝撃作!

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学生時代の親友たちが、クリスマス・パーティーを開いた。そんな誰もがハッピーになるような設定が、まさかこんなに“ただならぬ”物語に発展するなんて……!

11月18日より公開となる「サイレント・ナイト」は、なんとクリスマスに“人類滅亡”を掛け合わせた野心作だ。

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もしも明日、人類が滅亡するなら、誰と何をして過ごす? “人類最後のクリスマス”のディナーパーティに集まった彼らの選択とは――?

「キック・アス」「キングスマン」シリーズのヒットメーカー、マシュー・ボーンのプロデュースにより、誰もが「もし自分だったら?」と考えずにはいられないスリルにあふれた物語が完成した。こちらの特集では本作がさらに面白くなるポイントを解説していこう。


【予告編】人類最後のメリークリスマス!

【設定がバツグン】興味をそそるX'mas×人類滅亡!
あらわになる人間性…衝撃ラストを予想できるか?

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●ストーリー:毎年恒例の、親友一家のクリスマスパーティーが始まる

イギリスの田舎。瀟洒な屋敷に集まった3つの家族、合計12人。恒例のクリスマスパーティーで旧交を温める彼らの言葉の端々からは、どこか不穏な空気が漂っている。

それもそのはず。人類にとって“最後の”クリスマスパーティーだから。地球上のあらゆる生物を死滅させる猛毒ガスが、明日にも英国に到達しようとしているのだ。

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政府は“尊厳ある死”を迎えるための自殺用ピルを国民に配布。パーティーに集まった大人たちは、ピルを服用し、ともに最期を迎えるという協定を結んでいた。

だが、滅亡を前にパーティーでは想定外のトラブルが頻発し大混乱! ディナーの席は紛糾し、さらには学生時代の“秘密”を暴露する者、「ピルを飲まない」と協定を覆そうとする者も現れて……。


●見どころ:明日には滅亡、けどなんか笑える!? 人間心理を鋭く暴く展開に注目!
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人類滅亡の“前夜”を舞台にした本作だが、ここで描かれるのは、極限状況に置かれた人間の心理だ。

学生時代からの親友という関係に、「どうせ明日には人類滅亡」という究極のスパイスがピリリと効く。登場人物たちから皮肉とユーモアが含まれたブラックな発言が、これでもかと飛び出してきては、次第に“仲良しこよし”の欺瞞が露呈。長年の友情に(もしかしたら最初から入っていたかもしれない)ヒビが入り、それぞれの心の澱がドロっと溢れ出てくるさまを観れば、悪い笑いが思わずこぼれてしまうだろう。

ドタバタのコメディに振り切るのではなく、人間ドラマをきっちりとシリアスに描く点も見事だ。いよいよ最期を迎えるとなった時、彼らはどのような思いで、どんな選択をするのか――? ラストの衝撃に備えてほしい。


【品質保証】製作は「キングスマン」マシュー・ボーン
出演にK・ナイトレイら、監督と俳優陣の関係にも注目

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●製作はヒットメーカー、マシュー・ボーン! 監督は長編デビュー作で見事な手腕

「キック・アス」「キングスマン」シリーズなどで映画ファンの心を掴んできたマシュー・ボーンが、今作では製作を担当。そして、監督・脚本を務めたカミラ・グリフィンは今回が初めての長編監督作となる。

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マシュー・ボーンといえば、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」、「スナッチ」でガイ・リッチーを映画の世界での成功に導いたことでも知られる。つまりグリフィン監督は、そんな確かな目を持つヒットメーカーが見出した新たな才能、ということ。緻密な脚本による会話劇、シーンごとのムーディーな演出など、見事な手腕を発揮しているので要注目だ。


●キャスト:キーラ・ナイトレイら実力派ずらり! “にじみ出る芝居”が見どころ
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屋敷に集った12名の会話だけでほぼ成り立っているだけに、俳優陣には確かな演技力が求められるが、この点も実力派が顔をそろえ、心くすぐる名演を見せてくれている。

パーティーのホスト、そして子どもたちの母として奮闘するネルを演じるのは「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」「ラブ・アクチュアリー」などのキーラ・ナイトレイ。その夫のサイモンを演じるのは「グッド・ワイフ」「ダウントン・アビー」「ザ・クラウン」などで海外ドラマファンにはおなじみのマシュー・グード。

夫妻の長男で、ピルによる“尊厳ある死”への疑義を抱くアートを演じているのは「ジョジョ・ラビット」の主人公役で鮮烈な印象を残し、ゴールデン・グローブ賞男優賞にもノミネートされたローマン・グリフィン・デイビス。また、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘であるリリー=ローズ・デップも出演しており、独特の感性で最後の晩餐をかき回すソフィーを好演!


●驚き! 監督と出演の“ローマンくん”は実の親子!
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アート役のローマン・グリフィン・デイビスと、カミラ・グリフィン監督は、なんと実の親子関係でもある。グリフィン監督の夫(つまりローマンくんの父親)は、「スリー・ビルボード」「エターナルズ」の撮影監督を務めたベン・デイビスであり、映画一家に育った彼の本作での成長ぶりにも注目してほしい。

ちなみに、劇中のアートには双子の弟がいる。この弟2人を演じているのも、ローマンくんの双子の弟である。


【編集部レビュー】実際に観てみた…独特な超良作!
現実とのリンクに震撼し、物語と結末に考えさせられた

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最後に、編集部が実際に鑑賞した感想を掲載。結論から言うと、唯一無二といって差し支えない“衝撃”が備わった、おすすめの良作だった。


●時代の芯をくったテーマに震撼…パンデミックの風刺がとにかく見事!
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クリスマスシーズンのワクワク感をギュッと詰め込んだCMのようなオープニングから、不穏な発言や空気感で徐々に観客に違和感を抱かせていく演出に、監督の非凡さが見られる。

が、本作で何よりも見事なのは、パンデミックのさなかの人々の心理を巧みに抽出した、風刺にあふれた描写。一足先に猛毒ガスが到着する知り合いに、直接会うことはかなわず、ビデオ通話を介して別れを告げるシーンなどなど、切れ味鋭い場面の数々が、コロナ禍に生きる私たちを強く揺さぶってくる。

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さらに、謎の猛毒ガスの原因を「世界征服を目論むロシアの陰謀」と言い出す(しかも子どもが熱く語る!)場面も。強烈な皮肉に背筋がひんやりするが、実は本作が構想されたのは、ロシアのウクライナ侵略はおろか、コロナ禍の到来よりも以前だったという。

慧眼どころじゃない、効き過ぎる皮肉とユーモアに震撼させられる――これが、刺激に飢えた映画ファンに観てほしいと言える最大の理由である。


●国が安楽死を推奨する人類最期の日…“自分ならどうする”?
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「人類最後の日をどう過ごすか?」を、こだわり抜いて描ききったマシュー・ボーンとグリフィス監督の手腕が光る。ドタバタなコメディにしようと思えばできただろうが、そこをグッと抑え、シックなトーンで引き締めつつ、シリアスな悪い笑いがこみ上げてくる“大人が楽しめる作品”にしているあたり、さすがの一言。

そして重要なのは、“EXITピル”の存在だ。自殺用の薬であり、人類滅亡前夜のキーアイテムとして登場する。

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猛毒ガスによる死は苦しみに満ちたものとされており、政府は「尊厳ある死」を推奨し、苦しまずに死ねるというEXITピルを配布。政府が国民に死を推奨する設定もショッキングだが、もう一歩踏み込んだところに「パーティー後にみんなでこれを飲むという“協定”を結んでいる」という、さらにショッキングな展開が待ち受けている。

協定の通りにするなら、子どもたちにも飲ませることに。未熟な子どもたちを、彼らの意思とは関係なしに“終わらせる”。それって果たして「正しい」のか……?

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これは見かけ以上に強烈な描写だった。必死に「自分だったら……」「いや、苦しみぬいて死ぬよりは」「他に方法はないのか?」など“自分ごと“として考え始めてしまう。登場人物の葛藤と、観客席の自分の心情が重なっていき、映画の醍醐味とも言える“没入感”が覆いかぶさってきた。

本作が提示する問いへの答えは、観る人の数だけ存在するのだと思う。この沼にハマって、初めて見える景色があることは確かだ。クライマックス、あなたの胸中に渦巻くのはどんな感情だろうか?


●子どもは希望から目を背けない…アツいメッセージもありグッとくる
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もうひとつ、子どもたちの視点で巧みに、そして力強く描く手法もこの映画の面白さ。ローマンくん演じるアートをはじめ、登場する子どもたちは舌鋒鋭く議論を展開するなど、決して純粋無垢なだけではない。

大人たちが迫りくる絶望から目を背ける中で、子どもたちは自分が招いたわけではない現実を真正面から受け止め、やがて物語に希望の光を照らしてくれるのだ。大人としては、子どもたちにどこか申し訳ない気持ちを抱きつつ(苦笑)、笑いや衝撃、皮肉だけではない感動的なメッセージに胸がアツくなる瞬間も。唯一無二の映画体験に大満足しながらエンドロールを迎えられた。

「新しい日常」の時代の、定番とはひと味違うクリスマス・ムービー。もたらされる斬新な感動を、可能な限り早く体験してほしい!

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