「恐怖の誤魔化し方」サイレント・ナイト shironさんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖の誤魔化し方
コロナ禍のワクチンを連想せずにはいられませんでした。
パンデミックの正体が解き明かされない段階で、政府によって最善とされる対策が取られる。
信じて良いのか?
最終的な判断は自己に委ねられる。
王室ネタや政治ネタのブラックな笑いがイギリスらしい。
死の恐怖から逃れる為にクリスマスパーティを演じる人々。
とくに献身的な父親が笑えました。
そこまで良い父親でいたいのか。
ストレスを抱えても、痩せ我慢をしても、良い父親を演じ切る。
紳士であることに対するイギリス人のプライドは、日本人の気質と近い気がします。
武士は食わねど高楊枝。
日本人も秩序正しく最後の時を迎える気がします。
皆んなで一緒なら怖くない。
私自身も考えるのを止めて付和雷同な安心感に流されているな。
キーラ・ナイトレイの日常を取り繕っている神経質な演技が凄い。
少し大きくなったローマン・グリフィン・デイビス君は、まだ可愛くてホッとしました。でもこの先、いつ男臭くなるかわからないので油断ならないです。(←誰と比べてるの?)
さすがの演技力で、大人達が深く考えないように避けている問題をズバズバ突いてきます。
子供の目線は真っ直ぐに物事の本質を見抜く。
社会が抱えている問題に気づき指摘できる子供は、子供扱いして良いのか?
…自分の子供にワクチンを打つかどうか?
親御さんたちは悩まれたのではないでしょうか?
私の主治医もワクチン反対派だったので、ビビりましたが。
親の保護下にある子供たちは自分の意思とは関係なく親の方針に従わされる。
子供に辛い思いをさせたくないのが親心で、その子に最良の選択を下しているつもりだけれど、何を辛く感じるかは本人次第なのでは?
子供は親の所有物ではない。
自己主張が出来る子供は、自己判断も出来ると認めるべきなのか?
とても難しい問題に感じました。
そして、もう一つ。
この映画を見た人は誰しも考えさせられる事だと思いますが
最後の時を選択出来るのなら、誰と一緒に居たいのか?
参加したくもないパーティに集まっている場合か??
この映画の半分は愛する人への思いやりと優しさで出来ている。
双子の弟たちが良い味を出してましたが
二人ともグリフィン・デイビス…
ローマン君の実の弟たち??
監督/脚本はお母さんだし。
家族の問題を家族で演じているのも面白い。