劇場公開日 2023年12月9日

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「生きろ!」ブルーを笑えるその日まで 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5生きろ!

2025年8月31日
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鑑賞方法:映画館

この作品にとって、
今日8月31日というのは、特別の日だったらしい。

端的に言えば、
学校に居場所のない子が、どうやって8月31日――夏休み最終日――を乗り越えるか、
という話。

武田かりん監督が、
まだ長編の一編も撮ったことのない大学卒業の春、
自分の経験を元にしたこの映画を作りたいと思い、

でもツテもなにもなく、
その中で唯一話を聞いてくれて、ゴーサインを出したのが田口プロデューサーだった、
という話を、上映後のトークで監督自ら語っていた。

  *  *  *

冒頭から、
「死なないと、気づいてもらえないのかな」
というモノローグが、心に痛い。

もののけ姫じゃないけど
「生きろ」
というメッセージが、痛切に込められている。

若さゆえ?の瑕もなくはないが、
よくぞこれだけのものを作った、と感嘆。
そして、
渡邉心結(わたなべみゆ)さんと
角心菜(すみここな)さんの演技が素晴らしかった。

撮影は2022年の夏に行われ、
翌2023年12月、吉祥寺アップリンクで公開、
その翌夏、そしてさらに翌夏(つまり今年)と
三度目の上映だという。

今夏の上映は今日までだったらしいが、
さらなる上映があって、
若い人たちがたくさん観てくれたらいいなあ、
と思ったことでありました。

島田庵
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