劇場公開日 2023年12月9日

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「死なないと気づいてもらえないのかな」ブルーを笑えるその日まで 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0死なないと気づいてもらえないのかな

2025年4月12日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

幸せ

2023年公開作品

U-NEXTで鑑賞

監督と脚本は『いちばん星は遠く輝く』の武田かりん

粗筋
内気で小声で陰キャの中2安藤絢子は友達ができず一人ぼっち
学校で落ち着く場所は屋上に続く立ち入り禁止区域内の階段
屋上が出入り禁止になったのは在校生である女子中学生が飛び降り自殺をしたから
絢子は学校帰りに鶴亀商店という何でも屋で万華鏡を買う
いつもの憩いの場で万華鏡を覗いていたら屋上への扉が開く
屋上に上がるとやはり万華鏡を覗いていた佐田愛菜がいる
クラスメイトらしいが別室登校で初対面
安藤絢子は彼女にアンと名乗り友達に

監督も中学時代一人ぼっちだったらしい
タイムマシンで未来からやってきた自分から「大丈夫だよ」と励まされる空想ばかりしていたという
藤子・F・不二雄の『自分会議』のような未来の自分たちでなくて本当に良かった

エンディングテーマはRCサクセションの『君が僕を知ってる』
監督が好きなんだろう

エンドロールを観ると出演者それぞれに役名がちゃんとついている
監督が律儀な性格なんだろう
役名不明なんてことはない
何でも屋の店主はなぜかババ
絢子に気さくに話しかける司書はとても印象的だったが謎めいたアイナと姓名の漢字が一緒
本当はマナと読むんだろう
アイナは17年前の司書なのか
司書は今の監督を投影しているのか
17年前のアイナを連れ出すアンはなんなのだ
アンがあがってきた屋上に現れるアイナとはそもそもなんなのだ
難解なファンタジー

クルクルキラキラ
ちなみに万華鏡は19世紀スコットランドの物理学者が研究の最中で偶然に発見し玩具化されたものだ
英語ではカレイドスコープ
ドリフ大爆笑で志村加藤がスナイパーのコントをやっていたがスナイパーの志村がスコープを手渡すように要求したがアシスタントの加藤は万華鏡を渡した
スコープと万華鏡では1文字も合っていないがカレイドスコープなのだからスコップやコップや酢昆布に比べたらあながち遠くはない

ちなみに「万華」は「まんげ」と読む
「華」を「げ」と読むのは仏教由来で「供華」は「くげ」と読むらしい
自分は中学生ではないので「万華鏡」に卑猥なイメージは湧かない
だがいくら美しいとはいえ自分の娘に「万華」と名付けるオッチョコチョイの親はいないようなのでつまりそういうことなんだろう

配役
孤独な中学二年生の安藤絢子(アン)に渡邉心結
別室登校しているクラスメイトの佐田愛菜(アイナ)に角心菜
クラスメイトの田中友梨奈に丸本凛
クラスメイトの谷本ナオに佐藤ひなた
クラスメイトの宮村ナツミに成宮しずく
アンの姉の安藤加奈子に松澤可苑
アンの父に若林秀敏
アンの母に土屋いくみ
何でも屋の鶴亀商店の店主に片岡富枝
アンたちのクラスメイトの菅野トモミにホナミ
アンたちのクラスメイトの藤田ココアに山下森羅
アンたちの学校のあん教師の山田一也に鳥谷宏之
図書館の司書の佐田愛菜に夏目志乃
マナの同僚の竹内和江に川隅奈保子
マナの同僚の後藤智樹に荒澤智也
図書館利用者に木田友和

野川新栄
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