「オチのギリギリで評価を2.5まで上げた妙作」デュアル ezioさんの映画レビュー(感想・評価)
オチのギリギリで評価を2.5まで上げた妙作
発想はありきたりそうで今まであまりなかったので面白い
予告とは違い肉体的なデュアルはしません
なんやかんやあってラストシーン、口から血を流したのはオリジナル。ひとり会場に着いた『オリジナルの格好をした』のが発したセリフは「オリジナルです」。彼氏や母親と手を振り合ったり、その後関係は問題なさそうで、母親にいたってはコンタクトレンズを注文したといっているあたり『オリジナルを偽ったダブル』であり、そのことは彼氏母親とは口裏合わせ済みのよう。
が、その後彼氏との生活であからさまにダブルの言動に寄せていたり、ふざけた物言いの彼氏に殺意とも取れるような視線があったり…
確執があるかのような母親への言い草は『実はダブルと偽ったオリジナル』が生きているような描写だと感じました
なによりもラストの号泣は、オリジナルとして生き残ったこと以外は、ダブルを愛している身内しかいない(オマケに車はボロボロ)ことへの虚しさが表れていたのでは。
普通に観るとダブルが生き残った。が素直でいい気もするが、それにしては「匂わせ」の描写が多すぎないかと感じる
彼氏についてはダブルも仲が良い関係だけではなくなっていたような描写はあったし、車の運転が下手だから事故ったのか?オリジナルなら事故する必要性は?単に事故したという描写は必要のない気もする?下手なダブルだから最後ロータリーに逆走していた?
などなど曖昧でぼやけたラストにしたのはただ長く退屈で結果が予想できるストーリーだっただけに良い決着だと思う。
とりあえず彼氏が生き延びたのでスカッとはしないが、悲しさの溢れる最後だったのは良かった。
発想が面白みのあるものだっただけに映画的演出は冗長に感じた
コメディ要素を排除して30分にまとめてあれば、かつての世にも奇妙な物語を観た後のようなのような気持ちのいい不快感がある作品であり、素直に「良かった」と言えたかもしれない。