「白雪」ブラックナイトパレード ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
白雪
予告の感じや、一昨年の問題作たち(新解釈・ヲタ恋)が脳裏をよぎりかなり不安視していた一本です。評判の良い悪いが聞こえてこないレベルで話題になってないのもまた恐ろしかったです。
と思ってたんですが、特別悪いようには思えませんでした。これには少し驚かされました。
福田監督のギャグ演出は据え置きというか何も変わっていなくて、基本滑り倒していましたし、レイトとはいえ20人くらいいた劇場で我慢大会でもしてるのかなと思えるレベルで笑いが起こっていなかったです。佐藤二郎さんの使い方も相変わらず同じ言葉を連呼している様子なので、一体これに味をしめてどうなるんだ?と思わざるを得ない状況でした。原作の良さを潰してまでそこに拘る理由があるのかとも思ってしまいました。
主人公・三春が過去に真面目に生きてきたが故に自然と色々な人を助けていたというのが物語の根幹にあったのがとても良かったです。原作の良さが沁み込んで感動させられた流れはベタでしたが、物語もとい三春に救いの手を差し伸べてくれたのがこれまた良かったです。この場面だけはクスッと笑えましたし、純粋に楽しめたシーンでした。
クソCGネズミは爆笑ものでした。「"それ"がいる森」のエイリアンとまではいきませんが、カクカクですし、アサイラム制作映画の上質版な出来のCGには舌を巻きました。めっちゃ襲ってきますが、登場人物もそこまでダメージを受けてないので緊張感は全くありません。
終盤のプレゼント配送シーンはグダグダだったので、特に印象に残ってないです。熱いセリフもモリモリでしたが、それがどうしたというところに落ち着いてしまったのが残念でした。細かいところは気にしてはいけないんですが、そこに目がいってしまいました。
役者陣はとても良かったです。吉沢亮さん、渡邊圭祐さん、中川大志さん、ととにかく熱演してくれていたのがお見事でした。橋本環奈さんは大暴走していました。変顔は当然の如く、ハゲたり、暴れたりとやりたい放題。今年は他の作品でも口に手を突っ込まれて死んだりと色々ありましたが、来年は更なる飛躍を願っています。玉木宏さんの声は抜群に渋くてこれまた良かったです。
原作が続いているので、一旦映画としての終わり方をしないといけなかったのは仕方ないんですが、割と緩い地点で着地したのは腑に落ちなかったです。確かにそうだけれども…という正義感の見せつけで終わるのはコメディ映画として如何なものなのかなと思ってしまいました。
悪くはなかったんですが、福田監督がこのテイストを続けていくとなるともう限界が近いのではないかと思ってしまいました。ドラマシリーズでだらっと観る分にはいいテンポを持っているのでそちらのカムバックに期待です。
鑑賞日 12/26
鑑賞時間 21:00〜23:00
座席 K-14