「心に一筋の光が差し込む作品」空のない世界から かな坊主さんの映画レビュー(感想・評価)
心に一筋の光が差し込む作品
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どよんと澱んだ雲が立ち込める負のオーラ漂う主人公 藤井麻衣香。
無国籍、シングルマザー、ラブホで住み込みで働く。
そしてタイトルが空のない世界から
ワードが重なるとなかなかな重たさがあって、フライヤーには大きく〝無国籍〟のワードが大きく出ていてどんな内容になっているのかとドキドキ。
今回、舞台挨拶がある回で見に行きました。
小澤監督の想い「女性が強くなっていく様を主に無国籍はサブ的テーマ」だと聞いてしっくり来ました。
DV夫から命懸けで逃げ出し、アルバイト募集の紙を握りしめて飛び込んだ麻衣香。
彼女を取り巻く人間関係が面白い。
ゲイのラブホオーナー、元公務員のデリヘル、勤勉な留学生〝いらない人〟が集まったこの空間が物語が進むにつれて愛おしく感じました。
愛おしい娘のために、日々仕事に専念する麻衣香。
夫から逃げるため、あの辛い日々に戻らないように、と必死に逃げる。
さくらは小学校に行く年になり、いつになったら小学校へ行けるのかとせがまれ、母親としてのジレンマと1人の女性としてのジレンマと揺れ動く感情の日々に見ているこっちも辛くなりました。
〝助けて〟と言ってもいい、周りに頼ってもいい勇気を知った日
今まで押し込めてた感情が一気に溢れる麻衣香を抱きしめる娘 さくらのシーンは印象的でした。
人に頼ることの大切さ、そして母親の愛情の深さを改めて感じました。
観たあと、〝私も誰かの力になれたら〟っと勇気をもらえた作品です。
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