空のない世界からのレビュー・感想・評価
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無知は罪なり(小沢和義と梶原阿貴も)
監督は『SLANG 黄犬群』『Lip of Spy』の小沢和義
脚本は『WALKING MAN』『夜明けまでバス停で』は梶原阿貴
U-NEXTで鑑賞
67分の中編
ロケ地は土浦
舞台は郊外のラブホテル
ラブホだがエッチなシーンはない
立ちんぼは元市役所職員という設定
はじめはきつい感じだが良き理解者になる
DVシーンがないのと出産シーンがないのが手落ち
戸籍制度について監督も脚本家もよく理解できていないようだ
残念だ
ベトナム人が描いた鬼は鬼というより般若で絵心抜群だった
そこは笑えた
なんやかんやで学校に行けて良かったね
配役
妊娠中にDV夫から逃げ出し郊外のラブホに住み込みで働きながら生まれた娘を育てるシングルマザーの藤井麻衣香に兒玉遥
麻衣香の7歳の娘だが無戸籍のさくらにつむぎ
麻衣香が務めるラブホの常連客で立ちんぼのアゲハに佐藤江梨子
麻衣香が務めるラブホで働くベトナム人のチャンに上村侑
夫と共に食料品販売店を営む柏原郁恵に根岸季衣
麻衣香が務めるラブホの管理人でゲイの北岡に窪塚俊介
警察官に本宮泰風
麻衣香の勤務するラブホテルのオーナーに小沢仁志
ストーリーが薄すぎ
メインのテーマだけでなく、フローの娼婦、ゲイ、外国人、地方都市、立ち退きとかが色々と絡んでくるのかとわくわくしてたものの、すらっと終わったイメージ。
メインも、せめて直接対決はあってほしかったかな。
あと、細かいとこだけどいくつか突っ込みを。
ラブホテルのドアって外からバタバタ開かんでしょう。
取り壊しするレベルなのにお風呂もベッドもきれいすぎでしょう。
部屋に据え付けの自販機って何?ペットボトルの水専門?
それが壊れて常温の水持っていってすむなら、部屋に置いとこうよ。
あと、さすがに6歳は人込みでもないあの田舎でママっぽい人を見かけておっかけて迷子にならないよ。追いついてああ、違うか、で終わりでしょう。
子は親を選べない
DV夫から逃げた末、田舎町のラブホテルで住み込みで働く無戸籍の娘を持つシングルマザーの話。
お腹が大きくなった頃から夫の暴力が激しくなり、家を飛び出した主人公が辿り着いたラブホテルを舞台に、6年後の様子をみせていく。
旦那が最初からDQNのDV野郎だったのか、当初はそれをみせなかったのかはわからないので、そこは問わないけれど、この主人公は6年以上子供の無戸籍問題を先送りしてきた訳ですよね!?
今の時代、調べればいくらでも情報は出て来るし方法もあるのに、結局子供のことを自分ごとと捉えられていないのか、軽く考えているのか、現実にもこういう人はいるのだろうけど、本当に子供のことを考えていますか?と非常に腹立たしい。
この作品はそういう描き方をされておらず、無知は罪とか軽く言っていてまたイラッと。
PTSDを主に展開していく感じで、安っぽいもののそれはまだ評価も出来たけれど社会問題を謳った作品としてはねぇ…という感じ。
心に一筋の光が差し込む作品
どよんと澱んだ雲が立ち込める負のオーラ漂う主人公 藤井麻衣香。
無国籍、シングルマザー、ラブホで住み込みで働く。
そしてタイトルが空のない世界から
ワードが重なるとなかなかな重たさがあって、フライヤーには大きく〝無国籍〟のワードが大きく出ていてどんな内容になっているのかとドキドキ。
今回、舞台挨拶がある回で見に行きました。
小澤監督の想い「女性が強くなっていく様を主に無国籍はサブ的テーマ」だと聞いてしっくり来ました。
DV夫から命懸けで逃げ出し、アルバイト募集の紙を握りしめて飛び込んだ麻衣香。
彼女を取り巻く人間関係が面白い。
ゲイのラブホオーナー、元公務員のデリヘル、勤勉な留学生〝いらない人〟が集まったこの空間が物語が進むにつれて愛おしく感じました。
愛おしい娘のために、日々仕事に専念する麻衣香。
夫から逃げるため、あの辛い日々に戻らないように、と必死に逃げる。
さくらは小学校に行く年になり、いつになったら小学校へ行けるのかとせがまれ、母親としてのジレンマと1人の女性としてのジレンマと揺れ動く感情の日々に見ているこっちも辛くなりました。
〝助けて〟と言ってもいい、周りに頼ってもいい勇気を知った日
今まで押し込めてた感情が一気に溢れる麻衣香を抱きしめる娘 さくらのシーンは印象的でした。
人に頼ることの大切さ、そして母親の愛情の深さを改めて感じました。
観たあと、〝私も誰かの力になれたら〟っと勇気をもらえた作品です。
人って優しくて強くて尊い
絶望的な日々から救われていく。助けられていく。強くなっていく。
人間って本当に素晴らしい。って改めて思うそんな作品でした。
毎日の喧騒に疲れきっている全ての方々にぜひ観て欲しいです。
主演・兒玉遥さんの怯えと叫びと熱い決意と深い愛情に刮目です!!!
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