劇場公開日 2023年3月17日

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The Son 息子のレビュー・感想・評価

全61件中、1~20件目を表示

3.5柔らかな和音と悲しみの不協和音が交互に響きわたる

2023年3月30日
PCから投稿

複雑な感情が入り混じり、柔らかな和音と悲しみの不協和音が交互に響きたわたる映画だ。興味深いことに本作は、親子3世代それぞれの関係性を描くことによって、一方の側に光を当てると、自ずともう一方が浮かび上がる構造を持っている。すなわちヒュー・ジャックマン演じる主人公は、表向きは順風満帆のミドルエイジでありながら、今なお父(とある名優が演じる)の前ではどこか自分をさらけ出せない息子のままであり、かと思えば、自らもまた「ああはなりたくない」と思い続けてきた父と同じ態度を息子に対して取ってしまって愕然としたりもする。親との間にわだかまりを持ち、なおかつ息子のことも理解できない彼は、結局”自分”のことすら十分に知り尽くせぬまま人生を重ねた人間なのかもしれない。かくも戯曲ならではの立体的な関係性や練られたセリフ、俳優陣の名演に心動かされる。ことの原因に気づきながら何ら打つ手のない大人たちがひたすら哀しい。

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牛津厚信

4.0「心の病」と「人生の選択」をめぐる疑似体験

2023年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

フロリアン・ゼレールの初監督作「ファーザー」が父と娘の関係を主軸に据えたように、監督第2作となる「The Son 息子」は息子とその父の関係が中心となる。ただし「ファーザー」が認知症を患った主人公の混乱した主観を視覚的なギミックで観客に疑似体験させたのに対し、本作は心を病んだ息子ニコラス(ゼン・マクグラス)の内面に迫るというよりも、父ピーター(ヒュー・ジャックマン)の視点を主軸に、何とか息子の力になりたいと願いながらもままならない過程を客観的に綴っていく。家族内の関係性に限定せず、パートナーや友人など大切な誰かが心を病んだら、自分はどうすべきなのかを問う思考実験として鑑賞することもできるだろう。

映画に進出する前に劇作家として成功したゼレールは、前作と同じく本作もオリジナルの戯曲を自ら映画化しているが、映画ならではの演出がとりわけ印象深い場面が2つあり、いずれも「陽」から「陰」への転換が恐ろしいくらいに切れ味抜群だ。2回目に出てくるシーンについてはネタバレを避けるため書かないが、第1は、後妻ベス(バネッサ・カービー)と暮らすアパートメントの居間で、トム・ジョーンズの陽気なアップテンポ曲「It's Not Unusual」に乗ってピーターがユーモラスな振り付けで踊り出し、笑顔のニコラスが、さらにベスがダンスに加わるという、多幸感に満ちたシークエンス(YouTubeに「【本編映像:ダンスの後…】『The Son/息子』」というタイトルで公開されている)。だが劇中に流れる音楽がBGMの寂しげなボーカル曲(Awir Leonが歌う「Wolf」)に切り替わると、ダンスの輪から外れたニコラスの表情は……という映像が、息子と親との心の距離を残酷なまでに提示し、観客に芽生えかけた楽観的な予感をばっさりと斬る。

本作にはさらに、人生の不可逆な選択について疑似体験させるはたらきもありそうだ。今クールでお気に入りだったドラマ「ブラッシュアップライフ」(脚本:バカリズム)に、「不倫ってさ、(中略)最後は絶対に誰かが不幸になって終わるでしょ?」という台詞があった。「The Son」のピーターも、離婚と再婚という元に戻すことができない選択をし、そのことをニコラスから非難される場面もある。「ブラッシュアップライフ」は人生を何度も繰り返すというフィクションゆえに選択もやり直せたが、現実の人生では選び直すことのできない重大な決断に直面することが多々ある。「あの時違う選択をしていたら、今頃どうなっていただろう」という誰にもである後悔と虚しい空想を、フィクションの形で実現してくれるのも映画やドラマの効用のひとつかもしれない。

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高森 郁哉

3.5これは重い...

2024年9月15日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

この作品は、公開当時、ヒュー様とハンス・ジマーさんの音楽なので、観に行きたかった
作品。

公開劇場が少なく、タイミングも合わなかったたため見に行けなかった。

配信されていたけど、有料だったため
無料になるまで待っていたしだい。
今回無料だったので、即鑑賞。

ポイントで使えば無料なんだけど、
ポイントは漫画で利用したいので…

何と言うか
親だったら、色々と考えると思う。

子供は親の背中を見て育つ
と言う事なのか…

期待のハンス・ジマーさんの音楽は
ハンス・ジマーさんぽくなく、
重厚な仕上がり

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seiyo

3.5背負投げがキツすぎた。。。

2024年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

知的

2023年英仏合作のファミリードラマ。

監督・脚本:フローリアン・ゼレール
主な配役
【ニコラスの父親・ピーター】:ヒュー・ジャックマン
【ニコラスの母親・ケイト】:ローラ・ダーン
【ピーターの再婚相手・ベス】:ヴァネッサ・カービー
【うつに悩むニコラス】:ゼン・マクグラス
【ピーターの父】:アンソニー・ホプキンス

フローリアン・ゼレールによる戯曲『Le Fils 息子』を、『ファーザー』に続いて自ら映画化した。

『ファーザー』も公開時に観たが、
認知症を患った父(アンソニー・ホプキンス)を軸にしながら、「家族」というものの在り方を、リアルかつニヒルに捉えていたが、本作もアプローチは同様だ。

私の感想は2つ。

1つ目:ニコラスの病状と両親の離婚の因果関係

ニコラスが心を病んでしまったことと、
両親の離婚に因果関係があるかどうかなんて、
医者にすらわからない。

もちろん、ニコラスは、両親の離婚についてカウンセラーに話をするし、それは両親にフィードバックされる。
関係者全員が、ニコラスの状態と離婚問題を紐付けて考えたくなるシチュエーションだが、
事実はわからない。

2つ目:ラストシーン

ハッピーエンドに見えたのは「白日夢」だったオチ。
現実世界はそうかもしれない。
でも、夢オチにしないでほしかった。

人間は必ず、罪(業)を抱えて生きている。
老若男女は関係ない。
ニコラスも、両親も、わたしも、あなたも全員だ(笑)。

みんな、
許し合って生きていこうじゃありませんか!

ラストシーンの背負投げがキツすぎたので、
わたしの総評は、☆3.5

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Haihai

4.5子育ての難しさ

2024年4月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

この傷は親の傷。象徴するフレーズ。この映画をみていてると子育ての苦悩がよく伝わる。難しいね。何が正解も分からないし。子供以上に親に同情してしまうドラマだった。最後はまさかの結末。あれ?そっち?って思ったら、やっぱりこっちね。
ファーザーはイマイチでしたが、家族ドラマ第二弾の今作は面白かった!!

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ノブ様

4.0たられば

2024年4月11日
iPhoneアプリから投稿

ヒュージャクマン、バネッサカービー、ローラダーンと豪華な顔ぶれ。離婚した親の子がうつ病に?!思春期だから色々あるのは当然、ただ刹那的な子で理由なんてないのか。

重苦しい内容ながら、飽きずに見れる。結果は予想つくものの、両親の選択に疑問が残る。
先生の「愛では解決出来ない問題」が印象に残る。ヒュー様歳取ったねー、いつまでも応援するよ。

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ken

1.5評価高すぎるのでは?

2024年4月7日
iPhoneアプリから投稿

ヒュージャックマンの父親役,ちょっと期待して見始めた。離婚で置いてきた息子の相談を元妻から受けて,会いに行く。息子は置いて行かれた恨みを忘れてないし、母親ともあまりうまくいっていない。
エリートで自分に自信がある彼が息子を引き取るが,表面的な見方しかできない。結局,何もできずないまま恐ろしい結末を迎えるのだ。
最後にな新しい妻に慰められながら慟哭して終わる。
え?これで終わるのか。信頼して頼った母親のフォローもなければ,自分の何が悪かったかにも気がつかない。
こんなに良い評価なのがりかいできなかった。

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ニョロ

3.5久々の切ない作品

2024年4月2日
PCから投稿

父もかつては息子で、今自分の息子にどう接すればいいのか。
憎む父と同じような言葉を、息子に浴びせているのに気づく場面。
切ないねえ。

息子と母を置いて、家を出たことで。
息子がどれだけ傷ついたか。
「覆水盆に返らず」なんだよね。

後味がざらりとした終わり方、でも大人として見るべきかも。

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ゆき@おうちの中の人

5.0愛だけでは治せない

2024年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

身内が不登校だった経験から言うと、本作の親子の行く末は想像がついてしまう。
一旦不登校になった息子を、せっかちに立ち直らせようとしてはいけない。
医師に病気だと診断されたら、息子が何と言おうと、地道に薬で治療していくしかない。
本作での一番の問題は、両親が離婚、母親とは不仲、父親は再婚という負のスパイラルである。
この状況によって、息子をきちっと見守る存在がいなくなる。
ヒュー・ジャックマン演じる父親が面倒を見ることになるが、妻は乳飲み子を抱え、自分も引く手あまたのエリート弁護士で、きちっと見守る時間がない。エリートであるがゆえに、愛情はあるべき理想の息子像への憧憬に変わり、幼少時代の無邪気だった頃の息子の幻ばかりを追う。
長期間の辛抱を要する治療と見守りを避けて、せっかちにあるべき理想像(息子は小説家を志望していた)を思い描き、息子の突然の陽気な態度に幻惑されて、元の生活に戻れると早合点してしまう。無知のなせる業である。
現実をなかなか受け入れられない両親の錯覚と焦燥が映像を蔽い、時が熟さないままに、事態は急変していく。その冷徹なまでに現実を直視する姿勢は、等身大の家族像に肉薄する、フロリアン・ゼレール監督ならではである。
「愛だけでは治せない」
息子の主治医が言った言葉が、皮肉にも説得力があり的を得ている。

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ジョー

4.0永久保存版🙆‍♂️

2024年3月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

子供を思いやる親の気持ちが子供を追い詰める。どうしても気持ちが通じ合えない親と子。心を抉る名作。

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@Jankichi@

3.5息子の本当の気持ちなんて・・・

2024年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

父親目線で観るか息子目線で観るかによって
この映画の受け止め方が大きく違う。
映画としては満足したけど
物語としては満足しなかった。
この父親に腹立たしく感じて
気持ちがまったく落ち着かなかった。
所詮息子の本当の気持ちなんて分からない。
典型的なダメな父親のパターンになってしまった。
すごく残念でした。

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tom

4.0悔やまれる、かけられなかった言葉

2024年3月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「誇りに思う」、
かけられなかったその言葉が、悔やまれる。
父子の関係性は「期待 」が、入るので微妙な関係性になる。

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上みちる

3.0再婚した父の愛情を追い掛ける、繊細な少年の彷徨

2024年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

難しい

老いて認知症となる父親とその娘の物語「ファーザー」は、主演アンソニー・ホプキンスの名演とフローリアン・ゼレールの確かな演劇演出の秀作だった。今回タイトルを「The Son 息子」としているが、主演ヒュー・ジャックマン演じる父親ピーターの視界からみた17歳の息子の精神的病を描いている。家庭の温もりを失った少年が無気力から悩み抜いて自暴自棄となり自身を追い詰めていく悲劇をじっくりと丁寧に映画にしている。その繊細な息子を救いきれないピーターの動揺と理解と叱責の演技を、ヒュー・ジャックマンが俳優キャリアに加えたいと挑戦した意欲作でもあろう。こころの病は個人によって原因も過程も症状も様々で、一つの事例を持ち出して多くのことを語るのは、専門家でない限り避けた方がよいだろう。この大前提に立てば、父親の愛情が徒となったピーターの行動とも取れる。それだけに父とまだ自立していない息子の関係は、この作品に限らず多くの映画で描かれてきた。

多感な15歳の時両親が離婚し、父が家を出て新しい家庭を持ち弟が生まれる。幼い時から両親の愛情をたっぷり受けたニコラスが、その幸せな家庭の喪失に心が傷付いたことは、二番目の妻ベスに問い詰めて怒りを露にすることで理解できる。大人の都合で離婚しても、子供には理解しがたいし、棄てられた思いは一生消えることはない。父親ピーターも同じような経験を経て、その怒りをバネに自立し弁護士として成功を収めたから、ニコラスにもっと強く生きることを求める。この要求の高さを見ると、却って借金や事件を起こして家を出た駄目な父親の方が、残された家族にとって割り切れ区切りが付けられるかも知れない。ニコラスを演じたゼン・マクグラスの繊細な演技からは、父恋しさの少年の嘆きが見て取れて、まだ成長過程の未熟さと生きる手本を求める受け身の弱さが感じられます。

ストーリーはとてもシンプルで、少ない登場人物による家族の問題を冷静に捉えた映画でした。ただ「ファーザー」で観られた演出の個性的な味わいは薄く、答えの出ない問題を投げかけられたようで、鑑賞後はスッキリしません。悩みごとの無い家庭はないし、それぞれに問題を抱えている現実に少しでもメッセージが届けられたらの制作意図を持った、真面目で深刻な作品。脚本、演出、演技、撮影と、どれもが標準以上のレベルには違いありません。でもあと一つ心に響くものが欲しかったと、正直な感想です。

個人的な経験では、親の愛情が薄い子供の表情は何処か淋しい印象を受けてきました。反対に過保護に育てられた子供は、満たされて安堵の特徴のない表情が多い。映画では、特に母親からの愛情に恵まれず不良になって悪さをする少年の犯罪映画があり、その主人公たちは何故か女性からモテ易い。母性本能を刺激する男の魅力が増しているよう。
昔一度あまりに淋しい顔をしたアルバイトの男の子がいて、プライベートなことに触れたら、父親を病気で亡くしていました。父親とは、模範的であれ、反面教師であれ、子供の社会性を育む意味で重要な意味を持つと言われています。離婚が劇的に増加している現代は、少年犯罪につながる社会問題も顕在化しています。せめて子供が成人するまで離婚はしない方が、(極端な例外を除いて)どちらにとっても問題を最小限に抑えられるのではないかと思います。

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Gustav

3.02023 179本目

2023年12月31日
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悲しい

この前にみた作品は父親と娘
この作品は父親と息子
どちらも切なくなる作品でした。
親の離婚で心に傷を負う子供は沢山いると思いますが、この作品の結末のようにはなってほしくないですね。

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しゅん13

2.0我慢の甲斐は特に無い

2023年10月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

このサイトの紹介で衝撃とのことから鑑賞。マトモな人達を振り回す迷惑な人達を我慢して観続ける。結果、いろいろと考えさせようとする意図が鼻に付く。アンソニー・ホプキンスの老獪さが際立っていてさすが!

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げっちゃん

3.0ファーザーと同じような感慨を得るかと思うとそうでもなく

2023年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

子供が親にこうなってくれればいいのにな、と思うのと、親が子供にこうなってくれればいいのな、と思うのは同じくらい重いのだろうか。

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mikyo

1.5Me too or niether

2023年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

難しい

家族がいて日々の生活を送っていれば、
子供に限らず、親や配偶者、その他ありとあらゆるものに煩わされる。
実にストレスフルで生きにくいのは何もこの作品中の息子だけではない。
そういう浮き世の憂さを少しでも晴らしたくて映画を観ているのに、
もっとストレスをため込むような作品は御免被りたい。
そもそもヒュージャックマン演じる主人公は自業自得、
どんな言い訳を並べようが身から出たさび、
微塵もシンパシーを感じなかった。

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みみず

5.0話の構成・見せかたが秀逸

2023年8月5日
iPhoneアプリから投稿

前作のファーザーが、とても良かったので鑑賞。

多くを語らない息子が
態度や表情で訴えるものを

うまく受け止められない親
見逃してしまう親

息子本人もうまく言語化できないもどかしさ

画面上でそれらをうまく観客に見せてくれる
話の構成と、映像の組み立て方が

相変わらずうまい。

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nana

5.0息子を亡くした親は、この映画は観ないほうが良い。

2023年6月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

自身に近過ぎる映画は避けるようにしていたのに、前知識も一切なく、何も仕入れず、油断して映画館に行ってしまった。

後悔の地獄が甦える。
4年を経て気が触れてしまう父親
ベス 「それでも人生は続くのよ」
ピーター「続かない・・続かない!」
嗚咽。

映画を観ることが怖くなった。
映画が怖い。しばらく映画館には行かないと思う。
忘れるためには時間が必要。

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きりん

4.0死にたい心を救うのは精神科医にも、時に困難だ!

2023年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

あの事件が夢だったら・・・どんなに救われるだろう。

父親のピーター同様に、観ている私にもとても辛い映画でした。
あの白日夢が現実だったなら?
どんなに幸せだろう。

「人は希望を持たずには、生きられない」
その当たり前のことを強く感じました。
なぜニコラスは生きる希望を持てなかったのだろう?
ニコラスは時に父親を責める。
8歳の時、別の女性を好きになって、母と僕を捨てた。
母は長い間、苦しんだ。

そしてピーターの脳裏にはニコラスが6歳半だった日に、
海で遊び母親の乗るクルーズ船まで、岸から泳がせた日のことが
思い出される。
やっぱり臆病なニコラス。
励まし、手をひき、手を離して・・・
やっと少し泳げるようになったニコラス。
遠い日の幼く弱く可愛かったニコラス。

もっと手助けが必要だったのだろうか?
手を離すべきではなかったのか?
ピーターは後悔に苛まれる。
途方に暮れる父親ピーターをヒュー・ジャックマンを、
とても共感してみました。
誰にどの父親に最善の行動が取れただろう?
ピーターは出来る限り誠実だった。

書くことが好きで、作家になりたかった・・・?
作家の才能がないと、諦めたの?

この映画はフローリアン・ゼレールの原作の戯曲の映画化作品です。
自作戯曲をフローリアン・ゼレールが自ら映画化して監督した
ふたつ目の作品。
前作の「ファーザー」は特別に仕組まれたシーンが多くて、
認知症の父親アンソニーの視点から描かれているので、
アンソニーの妄想なのか?現実のことなのか?
観客も疑心暗鬼に陥る映画でした。

「ファーザー」に比べれば構成はシンプル。
現実をほとんどそのまま受け取れば良い。
しかしそれが簡単なことではない。

ニコラスは父親の家に越してきて転校。
しかし現実には1日しか学校へ行けない。
不登校を重ねる。

「生きるのが苦しい」
「頭が爆発しそう」
「死にたい・・・」
そう訴えられた時、私たちは何をすべきなのだろう?
何が出来るのだろう?

確かにピーターには、はっきりした対応の失敗はある。
(入院を拒むニコラスを退院させたこと)

完璧な親がいないと同じに、完璧な子供もいない。
ラストのピーターの慟哭をみて、
ピーターがこれからの人生でずうっと後悔をし続けるだろう。
子供を失った親の人生は、とても困難だ。

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琥珀糖