「(採点内容で「映画の問題点」がわかるため、便宜上のネタバレ扱い)」The Son 息子 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(採点内容で「映画の問題点」がわかるため、便宜上のネタバレ扱い)
今年85本目(合計737本目/今月(2023年3月度)20本目)。
映画を見ていろいろ思ったのは(架空のお話だとしても)「やりきれないなぁ」の一言です。「何が当人のために正解だったのか」あるいは、「正解以外の選択肢はすべて不正解なのか」、あるいは、「不正解を選ぶことにどれだけの"罪"があるのか」といった複雑な論点を抱えています。
扱う内容が非常にセンシティブで、日本でも今、状況は違っても同じようなことは論じられることがあります。この映画は「時々論じられる問題」について、「断定的な解決方法」の提示をさけながら、何というか…、かなり「どの選択肢でも間違っていないよ」という点についての配慮があるように思えます。
一方でこの映画は明確に配慮不足という点があるので、その点はやはり書かざるを得ないでしょう。
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(減点1.0/自死行為に対するメッセージ性が足りない・不十分)
・ 扱う内容がこのような映画であるため、エンディングロールで、珍しくも「自死行為は重大なものですが防ぐことができます。もしあなたや関係者がそうであるなら、この電話番号に電話してください。もし、困っている人を発見したら、以下のサイトや電話番号の存在をおしえてあげてください…」という文章(すべて英語)が30~60秒くらい流れます(結構長いほうだと思います)。
これ自体は映画の趣旨を鑑みればわかるのですが、そこそこ長文な上に使われている語彙も高いので、ある程度の英語力がないと読み切ることができません。
そして「****という*」(最近公開された映画なので、一応伏せておきます)でもこの趣旨の表示はされますが、こちらの映画は「厚労省」からのメッセージで「もし困っている当事者や関係者はこちらに電話して下さい」という「日本語による」メッセージが流れていたのですが、こちらの作品はなし。
ちょっとこのあたり、妙にバランスを欠いているかな…(特に1週間前の参照した作品と「実質的に」「扱う内容」が同一であるのに、日本語のメッセージが出ない等)というのは明確に思えました(もっとも、このような「特殊なメッセージ性をもつ映画」が2週続けて放映されること自体が特殊なので、厚労省もそこまで手が回らなかった、とは思える)。
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