「退屈な島の生活以上に退屈な映画体験」イニシェリン島の精霊 koukinさんの映画レビュー(感想・評価)
退屈な島の生活以上に退屈な映画体験
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歯車崩壊系のシュール劇だが「昨日まではうまくいっていた」の「昨日まで」が全く描かれていないために、冒頭から置いてきぼり感が凄い。観客にひたすら退屈な映画体験を強いることによって、作中人物たちが島の退屈な生活に精神崩壊していくさまをメタフィクション的に表現したかったのだろうか。作中人物のうち誰一人としてその心情に共感できる者がいない。死を告知するというバンシーとその依代と思われる老婆の扱いも中途半端で、このストーリーに登場してくる必然性を感じない。予告された死と内戦が何か関係あるのかと思ったらそれもない。あれほど通奏低音のように本土から聞こえる内戦の砲撃音を作中に織り交ぜといて何も無かったはないでしょう。
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