「一抹の望みと一握りの睡魔」バルド、偽りの記録と一握りの真実 ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
一抹の望みと一握りの睡魔
予備知識一切なしで鑑賞しはじめたら最初の1時間は何がなんだかさっぱりわからなかった笑
イニャリトゥ監督ということで期待値が高めでしたが、睡魔との闘いだった。
この話はハリウッドでアカデミー賞受賞したメキシコ出身のイニャリトゥ監督自身の話で、まさにリアルタイムの監督の悩みを映画にした自伝的映画だったことがわかった。ケネス・ブラナーのベルファストや盟友キュアロンのローマ等の監督自伝映画は幼少期の記憶を扱っていましたが、この映画はまさにリアルタイムのイニャリトゥ監督。
そのアメリカとメキシコの歴史的な背景を知らないと詳しくはわかりませんが、メキシコにとってはテキサスもカリフォルニアもアメリカに奪われた土地であり、ハリウッドにアカデミー賞を受け取りに行くイニャリトゥ監督に対して、やはり良い気持ちにならないメキシコの方が多くいたのも想像できました。
そしてアメリカにもここをあなた(メキシコ人)には家と呼ばせないという、差別的なことがトランプ政権化で特に顕著に行われていたのか、イニャリトゥ監督自身のアイデンティティに迫る内容になっていた。
メキシコの街や荒野を歩く映像は65mmフィルムで撮られ、圧巻のクオリティ。
夢と現実を行き来するような不思議な映画だった
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