「ラストが拙速では?」TAR ター ショコラさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストが拙速では?
クリックして本文を読む
出だしはとても緻密で素晴らしい。特にジュリアードでのレッスンのシーン。本筋に入るまで少し冗長な気もするが、綿密さに免じて問題なし。でも問題が発覚して転落していくところから、その綿密さが崩れていく感じがする。特にラスト20分ぐらいはB級映画のような展開では?(私がしっかり理解できていないのかもしれないが)
ただ、この映画はクラシック音楽好きにはたまらないディテール(というかスキャンダル)で満たされている。登場人物からしてカプラン(ギルバート・カプランですよね?マラ2専門の実業家アマチュア指揮者、故人)、アバド、カラヤン、(早世した女性チェリストの)デュプレ、(その元旦那の)バレンボイム、それにレバインやデュトワのセクハラ話も出てきて、カラヤンがザビーネ・マイヤーを入団させようとした事件も題材になってる!ここまであけすけにクラシック音楽業界の暗部?を描いた度量には感服します。日本で芸能界の暗部をリアルに描いた映画なんてないでしょう?クラシック音楽ファンは必見です!
コメントする