「頂点に上り詰めた者の転落」TAR ター いたかわさんの映画レビュー(感想・評価)
頂点に上り詰めた者の転落
指揮者として頂点に上り詰めたター。
ターの前半の圧倒的なカリスマ性、周りの人間の尊敬を意のままにする姿は見事。
しかし、思うがままに振る舞う傲慢さが次第に反発を招きじわじわと追い込まれていく姿に、権力を持つ者は実力だけで無く高い人間性がなくてはダメなんだなと思った。
ところどころ、不穏で貧乏ゆすりとか不快なシーンもあって、次第に狂気に囚われていく後半は結構ホラーチックで少し恐ろしかった。
権力に溺れ転落していくのは、性別や性的指向は関係なく起こることを描いているのも新鮮。
どう考えてもケイトブランシェットがアカデミーの主演女優賞でしょって思った。
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