劇場公開日 2023年7月14日

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「最終弁論の迫力がすさまじい」サントメール ある被告 moroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最終弁論の迫力がすさまじい

2023年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

パンフレットで情報を補完することをおすすめします。
社会背景や監督の意図がたっぷり説明されています。

実際の裁判記録がセリフに使用されたとのことで関心をもち鑑賞しました。
白熱する法廷ものかと思いきや、地味で淡々としています。
説明的な描写はないので、フランス社会の背景を知らない自分にとっては説明不足で、鑑賞中には理解が追いつきませんでした。

ある被告は「母による子殺し」の罪で裁かれようとしています。
裁判官の問いかけに応えて、被告は自身のことを語り始めます。

セネガル、フランスの社会的背景
家庭環境
人種差別
経済的な困窮
愛人関係
そんな中での妊娠出産

裁判が進むにつれ、実子の殺害は表面化した事象であって、そこに至る背景や被告が抱える事情は、とても複雑でパーソナルな性質を持っていることがわかってきます。

さらに裁判では、母と娘という不可思議で神秘的な関係性にも言及します。
最終弁論の迫力がすさまじいです。

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moro