ホワイト・ノイズのレビュー・感想・評価
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ディザスター映画の衣を着た中年とっ散らかりコメディ。
いかにもノア・バームバックらしい、パラノイアに陥った中年がとっ散らかったことをやらかすヒューマンコメディでありつつ、スピルバーグやスコセッシなど多種多様な映画をカバー演奏するような映像面でのお遊びがわんさかあって、それが作品のメタ構造と密接に結びついている。かなり複雑なことをやってのけている印象がある。
エンドクレジットのダンスシーンは、大量消費社会を皮肉っているのは明白しても、われわれなりにこの社会を楽しんで生きるぞ!という決意表明のようにも感じ、ダークな批評性と祝祭感がいっぺんに押し寄せるようなカタルシスがあった。
煙に巻くような難解さから漂うインテリ感は、いけ好かないと捉えられかねないと思いつつ、キューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』のように、遠回りの果てにシンプルなところに着地することで、愚かな自分たちを肯定してくれる映画ではないかしら。`
また、削除されるかなぁ?
また、削除された。
『すずめの戸締まり』と同じ様な主旨と感じたから、率直にレビューしたのに、僕のレビューは消された。
しかし、この映画を見れば、あの事故を、シュールに笑い飛ばしていると感じると思う。
ウム、
削除された理由は『宗教』の事かなぁ?
宗教の事は、映画の中にそんな台詞があった様な気がしたので、レビューしたのだが。まぁ、どうでも良い。アイロニーと思っているので。しかし『宗教』は『死にたくない』と言う生き物の本性に由来するものと僕は思っている。
いずれにしても、削除された事は良いが、共感頂いた方々には申し訳なく思っている。
サバイバルファミリー
ドン・デリーロは同時多発テロを扱った「墜ちてゆく男」の作者として覚えていたが、この原作は未読。
グレタ・ガーウィグは割と好きな女優なので、出演作も監督作も見てきた方だが、彼女のパートナーのノア・バームバックの映画となると「フランシス・ハ」以来ということになる。
逃げる家族が渋滞した車列で事故車や怪我人に次々と出会うシーンは、ゴダールの「ウイークエンド」を思い出した。衝突事故から流出した化学物質も怖いが、得体の知れない錠剤も怖い。主人公の“ヒトラー学”の授業というのも、まかり間違うと「THE WAVE」みたいな事態を招きかねないと思う。そんなこんなでいろんな因子が積み重なって、家族の日常には少しずつノイズが生じ始める。この何か噛み合わない居心地悪さは、基調音のように全編を覆っている(結局、あの毒性物質の影響はどうなったんだろう?)。
ラストのスーパーマーケットのダンスシーンは楽しいけど、レジ袋の無駄使いはあかんと思う。
眠い
ホラーだと思っていたせいで全然怖くならないし、やたらと会話で字幕を読み続けていて眠くなる。ようやく事故が起こって変な雲が出るのだが、ホラーではない。
中年の再婚夫婦の問題がテーマだ。最後のモーテルに男を殺しに行く展開は面白い。
車で林を爆走して川に落ちるところも面白い。
テーマは広そうだが人を選ぶか
ホワイトノイズ
家族はデマの温床だ。家族でも、妻でも、全部理解しているわけでは無い。子連れ同士の再婚という要素は今の多様性重視の複雑性を示唆している?、また教育のし辛さの説明ともなっていると感じた。長男の伝聞の理屈っぽさが面白い。
化学的な災害。実際にこうやって騙されたり、振り回されたりしている。災害の名称がすぐに移り変わっていく。健康の被害が出たかもしれないが、他の問題も抱えているため、誰を責めるでもなく進んでいく(しかない)。実際の世の中に似ている。抱える恐怖の要素は少し唐突だった印象もあるが、その後の教授達との疎外感を映して群衆を描いている気がした。そしてエンドロールは主人公達を中心に動かさない。皆ある程度は善良に生きている。
こういう"いかにも"な観客を試すような作品は嫌い
意味深だけど何も伝わってこなかった
こういう"いかにも"な観客を試すような作品は嫌い、"今年の賞レースを騒がす"?
これが認められる様な賞だったら要らない
他の方のレビューを見ると深いメッセージ性を理解・感じた人が多いみたいですが、残念ながら私は何も感じることができず、久々に睡魔との戦いで全然面白くなかったです
基本、映画愛があるのでどんな作品でも良い所に目を向けるつもりで観てますが、本作はそれが見つからなかった
主人公家族のやたらテンポの早い無駄な会話のセリフ回しで始まる前半で作り手の自己満作品色を強く感じ懸念しましたが、予想的中し結局そのまま最後までいってしまった、という感じ
世の中のデマや得体のしれない想像によって掻き立てられる恐怖、人はそれに抗おうと冷静さを失い時としてとんでもない愚行に走り自らを崩壊させていく・・・
とある一家族のそんな愚行と、でも最後は自分達を取り戻した。。。
とでも言いたいんでしょうが、とにかく演出が酷くてそっちの方が気になってしまいました
一番意味不明なのは、あのストーリーに続いてのエンドクレジットの大衆ダンス、全く理解不能
ああいうのはキレッキレでカッコよく演出できるボリウッド映画に任せておきましょう
【茫漠たる死への恐怖を抱えた夫と妻や家族や、多くの人々の姿をシニカルに描いた作品。カラフルなスーパーマーケットで買い物をする人々の姿も脆弱な”愛、幸せ”を暗喩している作品である。】
ー 章立てで物語は進む。
第一章では、数々の映画での車の衝突シーンが描き出される。物語のストーリー展開が暗喩される。
その後、大学教授のジャック(アダム・ドライバー)と、バベット(グレタ・ガーヴィグ)夫婦と子供たちの一見、幸せな家庭風景が描かれる。
だが、並行して有害な化学物質を積んだトレーラーが、列車に突っ込み大量の化学物質が黒い雲となって、彼らの住む街に近づいてくる。-
◆感想
・バベットは、家族に内緒で、ダイラーという薬を服用している。売っているのは怪しい男である。バベットが効能も良く分からないダイラーを服用していた理由は”茫漠たる死への恐怖”を克服するためである・・。
・有害な化学物質が拡散したため、町を逃げ出す人々の車の列も、何だかシニカルだ。
ー 一瞬で幸せな生活が崩壊する、現代社会の脆弱さを揶揄しているようにも見える。そして、ジャックは有害物質が含まれた雨を二分半、給油中に浴びたことで、医者から検査をされ精神の均衡を徐々に失って行く。-
・そして、ジャックはバベットにダイラーを売っていた男が、妻と情交していた事を知り、男を殺しにモーテルへ出かけ、散乱するダイラーを踏みつけながら、男に発砲する。
ー この辺りは、物凄くブラックシュールである。コメディと言っても良いかもしれない。バベットは薬が欲しい為だけに男に抱かれる。
そして、死んだと思った男は、ジャックに発砲するが、バベットも夫を追ってきていて二人とも負傷。そして、3人とも救急車へ。だが、ジャックとバベットは隣同士で寝かせられる。
<その後、何事もなかったかのように、彼らは日常生活に戻る。そして、日常生活を象徴しているカラフルなスーパーマーケットで買い物をする人たちの姿が、長廻しで映し出される。
今作は、普通の生活をしながらも、茫漠たる死への恐怖を抱えた夫と妻や家族や、多くの人々の姿をシニカルに描いた作品である。>
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